彼氏くん視点2
予告時間を一時間半もオーバーしました。
申し訳ございません。
今回は少し書き方を変えてみました。
合う合わないあると思いますがご了承くださいませ。
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僕に彼女ができて5ヶ月
あの夜を境に僕たちはお互いに自分のことを少しずつ話すようになった。
気づかないものだけど、僕たちはお互いのことを知らな過ぎたんだ。
好きなものは何で苦手なものは何なのか。どんな趣味を持っているのか。
家族構成や少し踏み込んだ家庭の事情。
……そしてお互いの体のこと。
お互い今までは打ち明けられる人がいなかったか。だから正直話せたことで気が楽になった。
今までだったら人間関係が壊れるのが嫌で、変に気を使わせたくなくて誰にも言ってこなかった本音をお互い言い合えるようになっていた。
いつも彼女は僕の話を聞くときは優しくうなずきながら最後まで聞いてくれていた。
そして僕が悩みを話し終わると僕のことをえらいねと言ってくれた。頑張ったねと褒めてくれた。
◆◇◆◇
僕に彼女ができて半年
あの時から彼女はいっそう僕を求めてくれるようになった。
毎日僕の家に晩ご飯をつくりに来てくれる。そのかわり毎晩僕は彼女と一緒にいることにした。
……彼女は不安だと言っていた。
一人でいると僕がどこかへ行ってしまうことを恐れて落ち着かないと僕の腕の中で泣きながら話してくれた。
僕は彼女に安心してほしかった。彼女の居場所になりたいと思ったし、心のよりどころになりたかった。
だからうけいれたんだ。
彼女の不安を。彼女の恐怖を。
◆◇◆◇
僕に彼女ができて1年
3年生に進級した。
けれど彼女の表情は浮かばれない。
運悪く僕たちはクラスが一緒になれなかった。
クラスの名簿を見ると親友の名前があるのに気づいた。
親友と同じクラスならきっと大丈夫だろう。
親友は言葉はぶっきらぼうだがとても気が回るからきっと彼女がクラスで困っていても手助けをしてくれるだろう。
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僕に彼女ができて1年と2ヶ月
クラス替えを境に彼女の様子が変わった。
「ねぇ。私のこと愛してるよねえ」
と必要以上に聞いてくるようになった。
愛しているよ。
だからそんな不安そうに僕を抱きしめないで。
どうしたら君を安心させられるの?
君が望むなら、君は僕に何をしたっていいんだよ。
大丈夫。どんなことをされたって僕は平気だよ。
君の笑顔が見たいから。
◆◇◆◇
僕に彼女ができて1年と3ヶ月
リビングのテーブルの上に注射器と鎖の着いた首輪が乗っていた。
僕たちはそれを囲むように互いに座っていた。
彼女が泣きながら僕に首輪をつけてほしいと頼んできた。
うなずいた僕に彼女は何度も何度も謝りながら僕の首に首歯を付ける。
少し動くたびに鎖がジャラジャラと音を立てる。
その音を聞くたびに彼女は僕に謝ってくる。
その後僕の部屋に二人で向かい、ベットのに鎖をつながれた。
彼女は僕の上で涙をこぼす。
口元に落ちたそれは今までにないほどしょっぱく悲しい味がした。
何分かした後、彼女は僕の口にキスをした。
そして最後に「ありがとう」と言って首元に注射器を突き刺した。
薄れゆく意識の中、僕は彼女に「愛してる」と言えただろうか。
次回は彼女さん視点です。
投稿日は3/24(水曜日)です。