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受け継がれるバトン  作者: 伊達サキ
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『本当に、良いんですね…?』その問いに女性は優しい微笑みと共に静かにうなずいた。

> まるでキリストを抱く聖母マリア像のように、気高く美しい姿だった。

>

深い眠りから覚めるとカーテン越しに冬の終わりの優しい日差しが注ぎ込んできた。手術前に看護師さんから言われたように、ナースコールを手探りで、押した。2、3分もしないうちに担当看護師のハルが、本日も元気よく部屋に入ってきた。せめて、術後だけは勘弁してほしかったがやはり当たりか…。ミホにはその無駄に明るい存在が流行の言葉で言うとウザかった。それに輪をかけるようにハルの声は人よりワントーン上で、とても大手術した直後の患者を気遣っているとは思えなかった。『目が覚めて、イカカデスカ?』まるで出来の悪いロボットのように事務的な作業をこなしながら話かけられても気分の良いはずはない。だからアンドロイドにも成れないんだよ…。ハル…。×××。これで手術も3度目にな

る。毎回のように今度こそ最後だから頑張ってね。と言われ続けてそろそろ三年が過ぎようとしていた。病人じゃなくてもこんなところに二、三日もいれば正気を吸いとられまるで自分も病人になったような錯覚に陥る人も少なくない。70㎝四方のパイプ椅子を含むスペースでの看病でエコノミック症候群になった付き添いの人もいた。


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