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第九一話:妹犬の兄と仲間達(その2)

第九一話:妹犬の兄と仲間達(その2)



法泉さんも、佳山さんも水沢さんも、黙ってオレの話を聞いていた。

そして、オレが話し終わると、

理香「信也さん〜..... そうでしたの〜......」

由紀「信也さん...... 辛い事が...... あったんですね.....」

玲子「......そっかぁ......」

美紀「......」

と言いながら、少し悲しそうな顔をて俯いた。

そして、一同沈黙した後、狭山さんが顔を上げて、

美紀「でも、私は何があっても信也くんが好き!

   だから、そういう可能性をひっくるめて、信也くんを好きでいるって決めたの!」

と言った。

その言葉を聞いて、法泉さんと佳山さんも顔を上げて、

理香「信也さん〜 私の思いは、美紀さんには負けませんわ〜

   私の幸せは、一秒でも長くあなたの傍にいる事、ただそれだけですから〜」

由紀「私は......信也さんと......例え短い生涯でも......添い遂げる事が......

   できたら......それだけで......充分......幸せ.....です......」

と答えた。

......何ていうか......みんな芯のある素敵な人達だよ、ホント......

オレ「......ありがとうね、狭山さん、法泉さん、佳山さん......」

オレがそう言った後、数秒の沈黙があり、狭山さん、法泉さん、佳山さんが俯いてしまった。

......ん〜.....なんでだろうか......

玲子「ヒューヒュー! やっぱりモテモテだね〜、信也ってば!」

勇次「......ったく、オレの家でノロケに来たのかよ、お前......」

水沢さんはニヤニヤしながら、勇次は溜め息を吐きながらそんな風に話した。

......やっぱりここで話す事じゃなかったかなぁ......


そして、その後、水沢さんは勇次にこんな事を聞いた。

玲子「で.....勇次は何で知ってたのよ?」

勇次「ん? あぁ...... いいか?信也......」

勇次はオレに話していいか聞いてきた。

オレ「ん......まぁ、この事を話したらあの事はどうって事ないだろ。」

勇次「そうか......お前がいいなら話すよ。」

そう言って、勇次は一度目を瞑った。

勇次「まぁ......オレと勇次が会ったのは17の時だろ?

   あの時、最初はオレもコイツはヤバそうな奴だなぁ......

   とか思ってたから、あまり関わりを持ってなかったんだよ。」

玲子「そうだよね......最初に会った頃なんか、信也ってそこいらの不良より

   も怖がられてたもんね。」

美紀「私も最初は怖かったもん......」

理香「あらぁ〜 そうでしたの〜」

由紀「とても......信じ......られません......」

オレ「......法泉さんと佳山さんは犬が一緒だったから運が良かったんですよ。」

勇次「うん、まぁ、目つきだけでオレよりも怖がられてたのは置いておいてだ......」

そこで勇次は咳払いをして、みんなを自分に注目させる。

勇次「一度な......オレが他校のワル5人に絡まれた時があってな......

   その時、信也が通りかかって......助けに入ってくれたんだが......」

勇次はあの時の事を思い出し、少し震える。

勇次「最初は、信也は普通に話し合いで喧嘩を止めようとしてたんだがな、

   向こうのヤツの一人が......『殺すぞおらぁ!』って言った言葉でキレてな......」

勇次は俯いて更に震える。

そんな状態を見てみんな更に沈黙。

勇次「その時...... や......この話は要らんよな......

   まぁ、それでオレは信也に助けられたんだが......」

そこでまた勇次は咳払いをした。

勇次「その時の信也が相手を殴りながら『命の重さも知らないヤツが軽々しく殺す

   だの言うんじゃねぇよ! 死について考えた事もないヤツが軽々しく言う

   んじゃねぇよ!』って言ったのが印象的でな......

   他校の連中が言った後、聞いたんだよ、理由を。」

玲子「それで......理由を知ったのね......」

勇次「あぁ、信也は理由を淡々と話してくれたんだよな。

   それで......助けられたのもあったが、信也はいいヤツだって気付いて、

   仲間になったんだよ。」

勇次はオレの方を見た。

オレ「ん......そうだったな......」

勇次「あの時のお前の言葉、オレにも染みたんだよ。

   オレも、お前に会う前は軽々しく使ってた。

   命の重さを理解しないで使っていい言葉なんかじゃないよ。」

玲子「そうね......でも......」

美紀「信也くんって......やっぱり怖い人......だったんだ......」

水沢さんと狭山さんはオレを見てそう呟いた。

......何気に水沢さんと狭山さんのアクションがオーバーな気が......

理香「あぁ〜...... 信也さんが不良だったなんて〜......」

由紀「少し......見方が......変わり......ました......」

更に、法泉さんと佳山さんもお互いの手を取ってそんな風に呟いた。

......法泉さんも佳山さんも、何気に笑っているのは何故でしょうか......

オレはみんな反応を見て、少しイタズラっぽく

オレ「......考え直した方がいいかもよ?」

と話した。

すると、狭山さん、法泉さん、佳山さんは、はたとして立ち上がり、

美紀「こっ.....怖い面はあるかもしれないけれども、信也くんはやっぱり優しいじゃない!

   私が信也くんを好きなのは絶対に変わらないんだからねっ!」

理香「そうですわ〜 信也さんが素敵な方だという事実は決して変わりませんわ〜」

由紀「私は......信也さん......一筋.....」

と言った。

オレは3人の言葉を聞いて、笑顔を向けて、

オレ「みんな、ありがとうね。」

と話した。

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