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第八九話:妹犬の兄の悩み

第八九話:妹犬の兄の悩み



狭山さんへの独白から1週間、佳山さんと法泉さんにもあの事は話すべきだろうか......

オレはそんな風に悩み続けていた。

......だってなぁ......狭山さんにだけ言っているのは彼女達にフェアじゃない

って感じてしまうからなぁ......

そんな中、狭山さんから携帯に電話が入った。

オレ「もしもし?」

美紀「あっ、信也くん、今大丈夫?」

オレ「ん? 大丈夫だよ。」

美紀「えっとね、明日玲子と勇次くんに先週買った結婚祝いを渡そうと思うんだけど、

   一緒に行かない?」

オレ「ん、了解。そんじゃ、何処で待ち合わせればいいかな?」

美紀「ん〜っとね......勇次君の家でいいと思うよ?」

オレ「そっか。そんじゃそうしますか。」

美紀「うん! それじゃ、明日1:00頃ね!」

オレ「了解〜」

美紀「それじゃ明日ねっ!」

......という訳で、狭山さんと明日勇次の家に行く事になった。


......ん〜......一応勇次にも電話しておくか......

オレは狭山さんとの電話を切った後、すぐに勇次に電話をかけた。

勇次「もしもし......」

オレ「あっ、勇次、今大丈夫か?」

勇次「あぁ、大丈夫だけど.....どうした?」

オレ「えっとな、明日オレと狭山さんから結婚祝いの品を渡しに行こうと思うんだが、

   1:00頃大丈夫か?」

勇次「おぉ、了解! んじゃぁ玲子もうちに来るように言っておくよ!」

オレ「おう! よろしく〜......

   あっ......それと......ついでで何なんだが......」

オレは、先週狭山さんにあの事を話した事を勇次に話した。

勇次「そうか...... で、狭山さんからの返答は?」

オレ「オレのトラウマを狭山さんの事が好きな気持ちで上書きしちゃうってさ。」

電話越しに勇次の呆れた声が聞こえた。

勇次「......いきなりノロケかよ......」

オレ「......やっ、そういう意味じゃなく...... ってか、お前が聞いたんだろうが!

   オレが言いたいのはそういう事じゃないんだよ!」

オレは少し声を荒げて答えた。

勇次「......で、相談したいのは?」

......電話越しに「クックック......」という笑い声......

からかわれたか......

オレ「佳山さんと法泉さんにも言うべきかな......ってね......」

勇次「ん〜......そうだなぁ......」

そこで、電話越しに「勇次〜ぃ!」という女性の声が聞こえる。

......水沢さん......だよな......

勇次「あっ、玲子、丁度良かった。」

やっぱり水沢さんか......ってか、それ以外ありえんか......結婚申し込んだってのに。

勇次はさっきオレが言った明日の件を水沢さんに言っているらしい。

勇次「あぁ、すまんすまん、丁度玲子が来たから、明日の件を玲子に話したよ。

   OKだってさ!」

オレ「おぉ、サンキューな。」

そこで、「ちょっと代わって!」という水沢さんの声が聞こえる。

玲子「あっ、信也君? お久し振り〜 ありがとうね〜!」

オレ「水沢さん、お久し振り、遅ら馳せながら、結婚おめでとう。」

玲子「ありがとう〜! 明日勇次と待ってるね!」

オレ「うん、オレと狭山さんで行くからよろしくね。」

玲子「うん! 美紀から聞いたよ〜?

   『惚れた?』って聞いたら『ちょっと』って答えたんだって〜?!」

少し遠巻きから勇次の「うぉっ! マジか?!」という声が聞こえる。

......狭山さん......

オレは少々赤くなりながら、これが電話越しである事に感謝した。

オレ「......黙秘権を行使していいですか?」

玲子「ん〜.....今はいいけど、明日は覚悟しててね?!」

オレ「......それは勘弁してください......」

玲子「ひっひっひ〜! どうしようかな〜......」

オレ「......」

勇次に相談したい事があったのに飛んでしまった......

今日は無理かなぁ......

そこで勇次が水沢さんに「おい!代われ!」と携帯電話を水沢さんから取った。

玲子「あっ、ちょっと、何よ〜!」

少しむくれた水沢さんの声が聞こえる。

勇次「おいっ! さっきの話は本当かよ?!」

勇次が喜々としてオレに聞いていた。

オレ「......だから、その前にさっきの話があったんだって......」

オレは溜め息を着きながら勇次に話した。

勇次「......あぁ......そういう事か......」

いきなりテンションが下がった勇次を見てか、水沢さんが

玲子「ちょっと、どうしたのよ......」

と勇次に聞いている声が聞こえる。

勇次「......あぁ......」

と勇次は水沢さんに答えた後、

勇次「どうする?」

とオレに聞いてきた。

オレ「そうだな......明日水沢さんにも話すか......

   このままだと、仲間うちで知らないのは水沢さんだけになっちゃうしな......」

勇次「だな......んじゃぁ、玲子には明日詳しい話はするって言っておくよ。

   あぁ、ついでに明日、佳山さんと法泉さんもうちに呼んだらどうだ?」

オレ「ん? でも、佳山さんと法泉さんは勇次や水沢さんの事はあまり知らないだろ?」

勇次「でも、一応面識あるしさ。明日来てくれるなら、結婚式にも招待したいし......」

オレ「......わかった。それじゃぁ、佳山さんと水沢さんにも連絡しておくよ。」

勇次「おう!」

オレ「それじゃ、明日!」

......という訳で、明日、水沢さんと佳山さんと法泉さんにも例の話をする事になった。

まぁ......理由もなくいきなりあんな話はできないしなぁ......

キッカケをくれた勇次に感謝しておくか......

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