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第八五話:妹犬の兄の画策

第八五話:妹犬の兄の画策



さて.......どうしたものか......

まぁ、できる事なんか殆ど無い訳だけどなぁ......

そう考えていると、携帯の呼び出し音が鳴り出した。

携帯を取って表示を見てみると、狭山さんからだった。

オレ「もしもし〜.....」

狭山さんの声はとても興奮した声だった。

美紀「信也くん! 聞いた聞いた〜?!」

オレ「んっと.....勇次と水沢さんの結婚の話?」

美紀「そうそう! やっとだね〜!」

オレ「だなぁ〜......」

美紀「それでね、玲子と勇次くんの結婚を祝して、お祝いをしたいな

   って思うんだけど......」

オレ「オレもそれは考え始めているだけれども、今さっき聞いたばかりだから

   どうしようかな.....とか考えてるんだよね......」

美紀「そっかぁ...... 何かいい案ない?」

狭山さんの声のトーンが少し落ちる。

狭山さんもどうしようか悩んでいるようだ。

オレ「ん〜......サプライズパーティーでも開ければなぁ.....

   とは考えているんだけどね。」

美紀「サプライズパーティーかぁ......」

オレ「うん。 でも、オレは勇次の他の友人とか知らないし、

   水沢さんの友人って狭山さんしか知らないし......

   そう考えると難しいかなぁ.....とかね。」

美紀「だよね〜......」

オレ「狭山さんは何かある?」

美紀「私? 私は〜...... やっぱり贈り物かなぁ......」

オレ「その辺りが妥当な線かもね。」

美紀「やっぱりそれが一番かなぁ......」

オレ「うん、オレもそう思うよ。」

そこで、狭山さんが少し緊張気味に話し出した。

美紀「じゃぁ......、今度の休日......

   一緒にプレゼント選びに付き合って......くれる?」

オレ「ん? 勿論だよ。 勇次と水沢さんの結婚祝いだからね。」

オレの返答を聞いて、狭山さんはとても嬉しそうな声を上げる。

美紀「ホント?! じゃぁ、今週末の土曜日、よろしくね?!」

オレ「OK。 それじゃぁ、今週末よろしく。」

美紀「うん! それじゃね〜!」

そして、狭山さんとの電話を切った。


とりあえず、勇次と水沢さんへのプレゼントを考える必要が出たな......

どんなのがいいだろうか......

時計......多分、これは恋人が自分達で買うものだろう。

食器......かなぁ......

食器のセットならチョットいいのを買えば記念になるかな。


そう考えていると、再び携帯の呼び出し音が鳴り出した。

表示を見ると、佐橋さんだった。

オレ「もしもし〜」

謙造「やぁ、信也君。 勇次君から結婚の話は聞いているかい?」

オレ「はい。聞いています。」

謙造「そうか。それなら話は早いね。

   勇次君と玲子君の結婚祝いを考えているんだが、何かいい案はないかな?」

佐橋さんも考えてるのか......

とりあえず、ついさっき考えていた案を出してみるか。

オレ「えっと......食器はどうかな......って考えているんですが......」

謙造「なるほど......食器か.......」

そこで、一つ追加の案が閃いたので、佐橋さんに聞いてみた。

オレ「佐橋さんの友人に、陶器とか作ってる人はいないですか?」

謙造「お? いい線を突くね。 食器と聞いて、僕もそれを考えていた所なんだ。」

オレ「そうですか......じゃぁ、その人に世界に一つしかないものを作ってもらう

   のもいいんじゃないですか?」

謙造「そうだね。この案は貰っても大丈夫かい?」

オレ「はい。オレと狭山さんは他を考えてみますから大丈夫ですよ。」

謙造「そうか...... やっ、済まないね、案をいただいちゃって。」

オレ「いえいえ、構わないですよ。

   佐橋さんが友人に作ってもらうなら、いいものができそうですからね。」

謙造「うん、友人にいいものを作ってもらう事とするよ。

   信也君の時もいいものを作ってもらうから、楽しみにしていてくれ。

   それじゃぁまたね。 善は急げだ、友人に連絡を取らなくては......」

オレ「へっ? やっ.....あっ......」

......電話は切れていた。


何だか最後は変な話になったが、まぁ、佐橋さんの友人が作ってくれるなら、

きっといいものができるだろうし、これはこれでOKだ。

あとは......オレと狭山さんからは......どうするかなぁ......


オレが携帯を置いて再度悩み始めると、リルがオレの方を見てお座りをし、

オレの膝にお手をするようにして手を置いてオレを見た。

オレ「ん? リル、どうした?」

リルは立ち上がって足をバタバタとさせたので、多分トイレだろう。

オレ「......よし、そんじゃ散歩に行こうか〜」

オレがそう言って立ち上がると、リルは嬉しそうな顔をしてオレより先

に部屋の入り口に立ち、催促するようにオレを見た。

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