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第七八話:妹犬と一緒の写真

第七八話:妹犬と一緒の写真



仕事が終わり、帰宅の途につこうとした時、携帯電話が鳴った。

着信の画面を見ると、「佐伯勇次」と出ていた。

勇次か......何だろうな......

オレ「おう、どうした?」

勇次『おう、久し振り。今大丈夫か?』

オレ「ん? 今帰宅しようとしていた所だから大丈夫だぞ。」

勇次『そうか。んじゃぁ、用件を言うぞ。

   今週末は暇か? ってか、お前は週末は暇だよな?』

オレは勇次の言葉に少しムッとしながら答えた。

オレ「......決め付けるなよ......」

勇次『おっ? もしかして誰かとデートの予定でもあるのか!?』

オレ「......んな訳がないだろ......暇だよ......」

勇次『......お前なぁ.....だったら否定するなよ......』

携帯から勇次の呆れた声が聞こえた。

オレ「んな事言ったって、最初から決め付けられるのは癪だろうに。」

勇次『まぁ、そりゃ分かるけどさぁ......

   そろそろ、誰かを誘ってデートくらいしろよ......』

オレ「決めるとしても、3人とも振る位しか決められないのがオレだよ。」

勇次『......相変わらずだなぁ.....お前は......』

オレ「そんな事はどうでもいいだろ。で、何の用だよ。」

勇次はそこで思い出したかのように答えた。

勇次『あぁ、すまんすまん。用件を忘れてたよ。

   今週末暇なんだよな?』

オレ「あぁ、暇だけど?」

勇次『んじゃぁ、例の写真コンクールがあるんで見に来ないか?』

オレ「あぁ、そういう事ね。了解、行くよ。」

勇次『よしっ! 佐橋先生からも誘うように言われてたんで良かったよ。』

オレ「そうか。コンクールにオレとリルの写真が応募されるのはビックリだが......」

勇次『先生もお前とリルちゃんを写した写真をかなり気に入っててな。

   ホントに嬉しそうにあの写真の事を話してたぜ?』

オレ「そうか......それは何よりだよ。」

勇次『そうそう、あの時来てくれたお前の先輩にも声を掛けておいてくれ。

   美紀にもな。』

オレ「了解。 狭山さんは水沢さんに任せていいんじゃないか?」

勇次『......お前......ホントに.......』

再び勇次の呆れた声が聞こえた。

オレ「それ以前に、オレはまだ狭山さんの携帯の電話番号なんか知らないんだよ。」

そこで勇次が沈黙した。

勇次『......マジで?』

オレ「マジで。」

そこで勇次が電話から口を離して誰かに呼びかける声が聞こえる。

勇次『とりあえず分かったよ。美紀にはこちらから連絡しておくよ。

   お前の携帯番号は教えて構わないか?』

オレ「あぁ、構わんよ。」

勇次『それじゃぁよろしく。』

オレ「おう、よろしくだよ。」

そこで携帯電話を切った。

......そうか......写真コンクールか......

リルとオレの写真がコンクールだもんなぁ......個展に出品された

のもビックリだったが......


帰宅後、法泉さんと佳山さんに写真コンクールのお誘いの電話をし、2人から了解を受けた。

2人とも、コンクールで出品される写真を楽しみにしているようだ。

そう言えば......佐橋さんの写真でも出てるのを言ってなかったな......

まぁいいか......


そこで、リルがオレの部屋に入ってきて、オレの横に座る。

リルは、いつものように「構って〜!」とオレの方を見ながら手を動かして催促してくる。

オレ「よしよし、リル、チョット待ってな〜......」

オレは、佐橋さんが撮った、個展に出品されていたオレとリルの写真を取り出し、

再びリルの横に座った。

オレ「リル、リルとお兄ちゃんはホントの兄妹みたいって写真を見た人

   が言ってくれたよな〜...... リルは嬉しかったか?」

オレはリルの頭を撫でながら写真を見せ、リルに聞いてみた。

リルは、嬉しそうな顔をしてオレの顔を舐めてきた。

オレ「そうか、嬉しいか〜 お兄ちゃんも嬉しいぞ〜」

そう言いながらリルを抱きしめ、リルの頭にキスをした。


再びリルとオレの写った写真をリルと一緒に眺める。

......この写真はオレだけじゃなく、色んな人が見るんだな......

そして......ずっと残るんだな......リルが亡くなっても......

大切な、リルと一緒の写真......

......リルが亡くなった後の事なんか、まだ考えたくは無いよ。

オレ「リル、お兄ちゃんはリルの事が大好きだぞ〜

   ずっとずっと、リルはオレの大切な妹だぞ〜」

そう言いながら、リルを抱きしめ、リルの頭にキスをした。

リルは、オレのそんな行動が嬉しかったのか、耳を畳んで目を細めて、

思いっきりオレの顔を舐めた。

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