第七一話:妹犬達の写真撮影(その2)
第七一話:妹犬達の写真撮影(その2)
......ってな感じで、オレとリルの写真撮影の番になった。
オレ:「リル、おいで〜」
オレがリルに呼びかけると、耳を立てて嬉しそうにオレに向かって走ってくる。
そして、オレの膝の上に乗ると思いっきり顔を舐めてくる。
オレ:「ごめんな〜リル......寂しかったか?」
そう言いながらリルの頭を撫でると、リルは耳を後ろに畳んで目を細め、
嬉しそうにオレの顔を舐めてきた。
勇次:「いいねいいね〜! コッチが指示しなくてもいい写真が撮れそうだ!」
勇次はオレとリルのそんな姿を写真に収めていった。
それを見ていた女性陣はというと、
美紀:「む〜......妬けちゃうなぁ......」
理香:「ホントですわね〜 リルちゃんも嬉しそうですし、
信也さんもとても素敵な笑顔ですわ〜」
由紀:「リルちゃんに......なりたい......」
玲子:「ホント、信也はいい顔してるし、リルちゃんも嬉しそうだし、
勇次も張り切って写真を撮ってるし......
賞が取れそうかもね〜......」
美紀:「えっ? 賞?」
玲子:「うん。あれ? 言ってなかったっけ?
勇次は、今回の写真をコンクールに出す予定なのよ。」
理香:「あら〜 そうでしたの〜」
由紀:「やっぱり......信也さんと......リルちゃんの写真が......一番......有力......」
玲子:「そうかもね〜...... 勇次の写真を撮るペースがさっきとは全然違うもんね〜......」
......という感じの会話をしていた。
そしてオレとリル。
オレ:「リル〜、可愛いよ〜」
オレはそう言いながらリルの頭を撫でた。
リルはオレの膝の上に座り、オレに抱きしめられている。
オレがリルの頭にキスをすると、リルは嬉しそうな顔をしてオレの方を見た。
勇次:「ん〜......いいね〜......!
まるで恋人同士だな〜......!」
オレ:「ん? まぁ......相思相愛である事は確かだが、
兄妹と言って欲しいなぁ......」
勇次:「や、リルちゃんの視線は兄と妹という感じじゃないと思うぞ〜!?」
オレ:「そうかね〜...... まぁ、オレを好きでいる事が感じられるなら、
オレも嬉しいけどな〜」
そう言いながら、リルの頭を撫でて、リルの頭にキスをした。
そして、それを見ていたシェリーちゃんとマユミちゃんが、オレの方に走ってくる。
オレ:「あれ? シェリーちゃんもマユミちゃんもどうした?」
オレがそう聞くと、シェリーちゃんとマユミちゃんもオレの顔を舐めてきた。
オレ:「こらこら、どうした? シェリーちゃんもマユミちゃんも可愛いよ〜」
オレはシェリーちゃんとマユミちゃんの頭を撫でた。
リルはそんなシェリーちゃんとマユミちゃんに向かって、
「ヴゥ.....」と唸り声を上げて威嚇するが、2匹とも離れてくれない。
終いには「クゥンクゥン......」と泣きながら2匹に割ってオレの顔を舐め始めた。
オレ:「大丈夫だよ、リルはオレの大好きな妹なんだからな〜」
オレはリルの頭を撫でてキスした。
そして、シェリーちゃんとマユミちゃんはオレの左右に座ってオレに寄りかかり、
リルはオレの膝の上でオレを見ていた。
勇次:「シェリーちゃんもマユミちゃんもナイスだ!
アクシデントっぽいが、これはこれでいい絵だ!」
再び、それを見ていた女性陣。
由紀:「マユミも......シェリーちゃんも......信也さん......ラブ......です......
でも......みんな......ズルイ......です......」
理香:「あら〜......シェリーもマユミちゃんも、信也さんとリルちゃんに嫉妬したのかしら〜......
素敵ですわ〜信也さん....... 私もああしてもらえたら〜.......
信也さんに今まで以上に〜.......」
美紀:「......そろそろ、我慢の限界かも......
......私......行ってくる......」
玲子:「あっ! 美紀〜?」
狭山さんは、オレとリルのそんな状態に居ても立ってもいられなくなり、
オレ達の方に歩いてきた。
そして、オレの後ろからオレの首に手を回し、オレの頬にキスをした。
美紀:「信也く〜ん? 私も構ってよ〜......」
オレ:「さっ.....狭山さん......」
勇次:「突然の乱入だが、中々にいい絵だから許す!」
リルはオレに抱きつく狭山さんを見て、少しだけ「ヴゥ......」と唸ったが、
狭山さんの逆からオレの顔を舐めてきた。
勇次:「おぉ〜! いいねいいね〜!
美紀〜! もう一回信也にキスしろ〜!」
美紀:「了解ぃ〜!」
オレ:「なっ......」
有無を言わさず狭山さんはオレの頬に再度キスした。
それに対抗するようにリルは更にオレの顔を舐める。
勇次:「いい絵だ〜! これは入賞を狙えるかもしれないな〜!」
......と、ここで終わる訳がなかった。
理香:「信也さん〜 私も混ぜてくださいな〜」
由紀:「構い......ません......よね......」
そう言いながら、法泉さんはシェリーちゃんを抱えて、佳山さんはマユミちゃん
を抱きしめてオレの横に座った。
リルはやはり、「ヴゥ.......」と唸ったが、
理香:「リルちゃん〜 ごめんなさいね〜
私達もリルちゃんと同じで、信也さんが好きなのよ〜」
由紀:「これだけは......リルちゃんにも......譲れない......」
美紀:「信也くんも好きだけど、リルちゃんのことも大好きよ〜」
と言い、リルの頭を撫でた。
リルはそれで少し腑に落ちないながらも、我慢しようとしたらしく、
少しだけ「ヴゥ.......」と唸ってからオレの顔を舐めた。
法泉さんと佳山さんは、リルのそんな姿を見て、「ごめんなさいね」と言った後、
理香:「それでは遠慮なく〜」
由紀:「私達も......」
と言いながら、オレに寄りかかって左右からキスしてきた。
勇次はと言えば、
勇次:「いいねいいね〜!
今日はホントにいい絵が沢山撮れたよ!」
今回の写真撮影で一番喜んでいるのは、やはり勇次か......
まぁ、アイツの用事に付き合って来たんだからしょうがないが......
でも、アクシデントを喜ぶのはどうかと思うのはオレだけだろうか......
玲子:「ホント、信也はモテモテだ〜......」
水沢さんはそんなオレ達の姿を見ながら、ニヤニヤしてそんな事を言った。
......今後が何となく心配になってきたのはオレだけだろうか......
や.....たぶん、リルも心配してると思うが......
リルはオレの顔を見ながら、少しつまらなそうな顔をしていた。