第六九話:妹犬のバカ兄と姉達
第六九話:妹犬のバカ兄と姉達
その後、狭山さん、法泉さん、佳山さんに水沢さんが加わって再度自己紹介をし、
それなりに和やかに話をしていた。
美紀:「えぇ〜! 法泉さんも佳山さんも振られちゃったんですか〜!?」
理香:「えぇ〜...... 実は他に5人が振られました〜......」
由紀:「でも......私と.....理香さんは......諦め.....られません.....でした......」
玲子:「全く......信也ってば昔っから変わってないのね〜......
ホント、あなたのお兄ちゃんは相変わらずの唐変木だわね〜......」
水沢さんはリルの頭を撫でながらリルに向かってそう話した。
ちなみに、リルのリードは狭山さんが持っていて、狭山さんが抱きかかえている。
勿論、シェリーちゃんとマユミちゃんも一緒なのでのんびりしていた。
......ん〜......オレはコッチの会話には参加できそうにないなぁ......
......という事で、勇次の方を見た。
勇次は他のスタッフと一緒にまだ準備作業をしていた。
......コッチも話し掛けたら邪魔になりそうだしなぁ......
そうこうしていると、法泉さんがオレの方に来て、オレに後ろから抱きつき、
理香:「信也さん〜 こんな素敵な人まで待たせて〜 罪作りな方ですわ〜」
と話した。
それを見た佳山さんと狭山さんも、オレの左右の腕に抱きつき、
由紀:「私も......諦め......ません......」
美紀:「信也君〜、これから大変だぞ〜
美女が3人も狙ってるんだからね〜!」
と話した。
それを見ていた水沢さんは、リルを抑えながら、
玲子:「信也はそろそろ自分がどれだけモテるのかを理解しないとね〜
ほ〜ら、リルちゃん、お姉ちゃん達もリルちゃんと同じで、
お兄ちゃんが大好きなんだから、チョットは分かってあげてね〜
お兄ちゃんはモテモテなんだぞ〜!」
などとリルに話した。
リルは、いつもの如く「ヴゥ〜......ヴゥ......ワン!ワン!」と吠えていた。
オレ:「あっ......リルが呼んでるから、ちょっとリルの所に......」
そう言っても、みんな離してくれない。
由紀:「離さ......ない......」
オレ:「やっ.....あの.....リルが.....」
美紀:「信也君......私の事......嫌い?」
オレ:「やっ.....そういう意味じゃなくて......」
理香:「私の思いはもう愛ですわよ〜?」
オレ:「......答えに困ります......」
理香:「それでも〜 律儀に答えてくれるのが信也さんのいい所ですわ〜」
由紀:「信也さんの......笑顔......向けて.....欲しい......です......」
美紀:「私のものになってくれるまで、離さないんだからね!」
ん〜......泥沼なのでしょうか......
と、そこで勇次から声が掛かる。
勇次:「お〜っ、待たせたな〜! 準備できたからよろしく頼むよ!」
それでみんな勇次の方を見る。
助かった〜......と思ったのも束の間、狭山さんも法泉さんも佳山さんも勇次を睨みつける。
勇次はみんなの視線におののいて一歩下がる。
玲子:「勇次〜っ! 空気読め〜!」
水沢さんの言葉に勇次は少々ムッとして、水沢さんの方に向かいながらこう聞いて来た。
勇次:「オレかっ?! オレがわるいのかっ?!」
玲子:「うんや!信也が悪い!」
勇次:「なら何でオレが怒鳴られなきゃいかんのだっ!」
玲子:「だから空気読め〜!」
勇次が水沢さんの前に立つと、水沢さんは勇次の頭を掌でパカンと叩いた。
オレ:「......夫婦漫才はいいから助けて......」
オレの言葉で、法泉さん、佳山さん、狭山さんがオレに
理香:「あらぁ〜...... 私の事はお嫌いですか〜?」
由紀:「嫌われ......ても......諦め.....ない......」
美紀:「そろそろ覚悟を決めてね!」
と言ってきた。
ん〜......何らかの答えを出さないといけないって事ですか? これは......
オレが思案していると、
美紀:「ん〜.....でも、今は久し振りに会ったばかりだし、
それを考えたら法泉さんと佳山さんの方が有利だし......」
理香:「勝負は〜 フェアが一番ですわ〜」
由紀:「ここは......一旦......引きま......しょう......」
......という訳で、3人ともオレからやっと離れてくれた。
......というか、会ったばかりの時はかなり険悪だったのに、随分と仲がいい事で......
オレ:「狭山さんも、法泉さんも、佳山さんも、随分と仲がよくなりましたね......
会ったばかりの時は随分と険悪だったから、失敗したかな.....
って思ったくらいなのに......」
美紀:「だってね〜、3人とも一度振られても諦められなかった人達じゃない?
思いの強さや共通点も多くってね!」
理香:「それに〜 信也さんの高校時代の話も聞けましたし〜」
美紀:「私は大学時代の話も聞けて満足!」
由紀:「信也さん......昔から......モテモテ......」
オレ:「......なるほど......
でも、あれをモテるって言われても困るんだよなぁ......」
勇次:「まぁ〜だそう思ってるのかよ! お前は!
お前は自分がどういう存在かもう少し理解した方がいいぞ?!」
玲子:「そうね〜 私達としては、美紀を応援したいけれども、
基本的には、信也の唐変木をどうにかしないとね〜」
オレ:「......それは悪いのはオレって事ですかい?」
勇次:「あったり前だろ!?」
玲子:「もう少し自分がどれだけモテるかを理解しないと、
もっと罪作りな男になっちゃうわよ〜?」
......そんな事言われてもなぁ......オレはオレだもんなぁ......
どうすればいいか分からんよ......
そんな、途方に暮れているオレの顔をリルが心配そうに見て、
「クゥン......」と泣いた。