第六話:妹犬の居る兄バカの日常(1)
第六話でございまする。
今回は兄バカな主人公の日常を書こうと思ったので、学校での出来事にいたしまする。
何気に長くなりそうなので、「その1」にいたしまする。
第六話:妹犬の居る兄バカの日常(1)
朝の事があり少々眠いながらも、散歩から帰宅後に朝食を摂り、制服に着替えて学校に出発する。
オレの通っている高校は自転車で15分くらいの場所なので、いつも自転車で通っている。
学校に着くと、オレはすぐに自分の教室に向かい、教室へ入る。
オレ:「おはようございま〜す......」
......シ〜ン......と教室は静まりかえっている。
......誰も居ない......
まぁ、朝は早めにいつも出発しているので、オレより早くクラスメイトが到着している事は殆どない。
大体、他のクラスメイトが来るまで30分以上早い。
理由は......まぁ、自転車で結構スッ飛ばして走るので、春でも汗だくになる為、
早めに到着して、涼しい場所で涼んでいるのがオレのいつもの状態だ。
とりあえず、勉強道具の入ったリュックを机に掛けて教室の外に出る。
いつも、涼しい風の流れる渡り廊下の窓を開けて、そこで10分くらい涼むのがオレの登校後の状態だ。
......が、今日はそれだけではない。
朝、散歩の時に公園で撮ったリルの写真が携帯電話の中にある。
携帯電話を開き、リルの写真を見る。
リルの写真を見ただけで、もう顔がデレデレになる。
......オレってこんなキャラだっけ......と思わなくもない。
が、それでも、リルの写真を見るだけで自然とデレデレになるんだからしょうがない。
オレ:「あぁ〜っ、可愛いなぁ......」
......オレってこんなキャラだっけ......と再度思うが、可愛いんだからしょうがない。
朝の出来事を思い出しながら、携帯電話の中のリルの写真を見る。
リルは、写真を撮ろうとして携帯電話を向け、「リル〜」と呼ぶと、こちらを見て止まる。
何枚か写真を撮っていて、「可愛いな〜、リルは」などと言っていると、何気にリルが
可愛い顔をする。
可愛い顔がどんなのかって言うと、上目使いで、小首を傾げる感じ。しかもカメラ目線で。
もう、狙ってるだろ!リル!っていう位に可愛い。
だから、「可愛い顔して〜」と言いながら写真を撮ると、上目使いで、小首を傾げた、
しかもカメラ目線な写真が撮れる。
そんな写真が何枚も携帯電話の中に20枚くらいあるのだ。
もう、オレは顔がデレデレになりながら写真を見ている。
すると、
声:「おい......なに気持ち悪い笑顔浮かべてるんだよ......」
......と、何気に失礼な言葉が右から聞こえる。
オレは、声の聞こえた方向へ、ちょっとばかり目の据わった顔を向ける。
声の主は、佐伯 勇次と言う、オレの友人であり、クラスメイトだった。
オレ:「......ちょ〜っと失礼じゃないかい? 勇次殿......」
勇次:「やぁ......お前、そんな顔するヤツだったっけ......?
何気に初めて見る表情だったんで、一瞬誰なのか分からんかったぞ?」
オレ:「......まぁ、オレも自分で自分がこんなキャラだっけ......とは思うが、
それでも、『気持ち悪い顔』はないべや......」
勇次:「や、実際、気持ち悪いくらいにデレデレな顔してたぞ、お前」
オレ:「......」
......ちきしょう......返す言葉が見つからんじゃないか......
何となく分かってたんだよ、自分でも......なんかオレはいつもと違う気がして......
オレは自分の両頬を両手のひらでこねくり回しながら、表情をいつもに戻そうとした。
勇次はオレのそんな姿を見て苦笑いしながらオレに話しかけた。
勇次:「......で、何見てたんだよ、携帯電話なんか開いてさ。
お前が携帯電話をずっと開いて見てるのなんて珍しいじゃん。」
オレ:「よくぞ聞いてくれた! オレの妹の写真を見てくれ!
もう、可愛くて可愛くて、お前でもデレデレになるぞ!」
勇次:「......なんか、やっぱりお前、いつもとキャラが違うな.......
......って、お前ん家で妹が生まれたんか!?
そりゃめでたいじゃないか!」
オレ:「や、妹が生まれたのとは違うが、妹ができた事には変わりはない!
とりあえず、妹の写真を見てくれ!」
オレは勇次に携帯電話を向けて写真を見せた。
勇次は、写真を見た途端に眉を顰めた。
勇次:「......犬じゃん.......」
オレ:「どうだ!? オレの妹は!可愛いだろ〜!?」
勇次:「......まぁ、確かに可愛いけどさ......犬じゃん......」
オレ:「イヌイヌ言うなっ! オレの可愛い妹だぁ〜!」
勇次:「......なんかキャラ変わったな、お前......」
オレ:「......」
分かってるよ、自分でも何かキャラ違うなって思ってるんだから......
でも、可愛いんだからしょうがないじゃん!
以上、第六話、妹犬の居る兄バカの日常(1)でした。
ここいらはコメディーですな。
まだ主人公の性格があまり分からんかも知れませんが、「その2」でだいぶ主人公の性格
が明らかになると思います。
とりあえず、「その1」でだいぶキャラが違うと言われたり、自分でも違う
と感じたりする位にいつもの主人公とは全然違うキャラになっている状態です。
多分、兄バカの日常が最もコメディーになるでしょうな。
で、リルはホントに、「リル〜」と呼びかけるとこちらを向いて止まったし、
「可愛い顔して〜」と言うと可愛い顔をしたんですよね。
オレ自身、写真を撮りながら、たまらなくデレデレな顔してたと思います。
だから、リルの写真を撮るには特に困った事はないですな。
オレのPCには、そんなリルの写真が数百枚ありますよ
見てみたい方は感想に書いていただければ、そのうち何処かにリルの写真をUPするかもですよ。