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第六八話:妹犬の兄バカが再会する

第六八話:妹犬の兄バカが再会する



2週間後の休日、オレはリルと共に、勇次との待ち合わせの場所に来ていた。

勇次は既に来ており、他のメンバーと一緒に準備を進めていた。

オレ:「おう、お久し振り〜」

勇次:「おぅ!」

勇次は手を上げて答えた。

オレと勇次の挨拶を聞いて、懐かしい声がオレに声を掛けた。

玲子:「あっ! 信也〜! 久し振り〜!」

水沢さんがオレに声を掛けると同時に、もう一人の女性と一緒に、オレの方に歩いてきた。

水沢さんは、オレに近づくと、リルの前にしゃがみ込み、

玲子:「リルちゃん、お久し振り〜! 相変わらず可愛いね〜!」

とリルの頭を撫でながらリルに挨拶をした。

リルは水沢さんの事を覚えていたらしく、思いっきり水沢さんの顔を舐めて挨拶をした。

もう一人の女性は、オレの前に立つと、

女性:「信也君! お久し振りっ!」

とオレに挨拶をした。

......ぬ? ......誰だっけ......

オレが少し戸惑っていると、女性は少し怒った顔をして、

女性:「もう..... 信也君、私のこと忘れちゃったの?」

と話した。

オレ:「やぁ...... なんと言うか......」

女性:「酷いなぁ...... 卒業式の日に告白したのに......」

.....って事は......

オレ:「もしかして......狭山さん?」

美紀:「もしかしなくても美紀ですっ!」

狭山さんは腰に手を当てて前かがみでオレに顔を近付けてそう答えた。

美紀:「もう......完全に忘れられちゃったのかと思ったじゃない......」

オレ:「やっ.....ごめん......

    何ていうか......全然昔の雰囲気が無くって、ホント誰だか分からなかったよ。」

美紀:「......それはどういう意味で?」

オレ:「ん〜......大人っぽくなったな〜......って意味で。」

美紀:「じゃぁ、綺麗になった?」

オレ:「うん、綺麗になったと思うよ。」

美紀:「良かった......」

狭山さんはそこで胸に両手を当てて顔を少し伏せた。


玲子:「あらあら〜..... なんか久し振りだって言うのに見せ付けてくれるじゃないの〜!」

オレ:「ぬ? そりゃどういう......」

そこで、狭山さんがオレに更に一歩近付き、オレに顔を近付けながらこう答えた。

美紀:「私はまだ諦めてないって事よっ!」

......マジですか?

オレが少々唖然としていると、狭山さんは少しムッとしながら、こう話した。

美紀:「信也君......私はそんなに信也君の事を簡単に諦めると思ってた?」

オレ:「や.....諦めるとかじゃなくて......

    綺麗になったから、普通に彼氏も居ると思ってたんだよ。」

美紀:「嬉しいっ!」

狭山さんはオレの言葉に笑顔になって抱きついた。

美紀:「私はね、信也君の事をずっと思い続けてたんだよ?

    短大や会社でも告白された事はあったけれども、

    でも、信也君を諦め切れなくて、自分を磨いて、また信也君にアタックする事

    しか考えてなかったんだよ?」

オレは抱きついている狭山さんに戸惑いながらも、狭山さんの言葉の重さを理解しようとした。

そっか......オレは、オレから狭山さんを解き放ちたくて振ったけれども、

それだけじゃオレから開放はされないんだな......

でも、それだけ狭山さんはオレに真剣だったって事なんだよな......

オレ:「......ありがとう。 今はこれしか言えない。

    まだ自分に自信がないからさ......」

オレがそう言うと、狭山さんはオレから離れ、笑顔で

美紀:「うん、分かってる。 でも、これからはドンドンアタックかけるか、

    覚悟していてねっ!」

とウィンクしてオレに答えた。

ちなみに、リルはと言うと、狭山さんがオレに抱きついた辺りから、

ずっと「ヴゥ......ヴァウヴァゥ......」と吠えていたが、

玲子:「リルちゃん、美紀はリルちゃんのお兄ちゃんと会うのが久し振りなんだから、

    少し我慢しててね〜......」

と水沢さんに言われながら抑えられていた。


そこに、更に女性の声がオレに掛かった。

理香:「信也さん、お久し振りですわ〜 リルちゃんもお久し振り〜」

由紀:「信也さん...... お久し振り......です......」

オレ:「あっ、法泉さん、佳山さん、お久し振りです。

    水沢さん、狭山さん、こちらは大学で知り.....合っ......た.....」

オレが水沢さんと狭山さんに法泉さんと佳山さんを紹介しようとしたら、

何故か、狭山さんと法泉さんと佳山さんが視線をお互いに向け合い、

少々険悪なムードになっている。

......が、そこで、狭山さんが法泉さんと佳山さんに挨拶をした。

美紀:「初めまして、私は狭山美紀って言います。

    信也君とは高校からの付き合いです。」

そう言って法泉さんと佳山さんと握手をする。

理香:「法泉理香ですわ〜 信也さんとは大学からの付き合いですわ〜

    妹犬の名前はシェリーですわ〜」

にこやかに握手を交わすも、放たれるオーラが少々怖い。

由紀:「名前.....佳山由紀..... 信也さん......ラブ......です......

    妹の名前..... マユミ.....」

佳山さんは爆弾発言をし、狭山さんと更にオーラが怖くなる。

オレがどうしたらいいものかと戸惑っていると、

玲子:「信也君......こんな綺麗な人達に告白されてたんだ〜......

    信也君も隅に置けないわね〜」

と、水沢さんい声をかけられた。


3人はと言うと、

美紀:「負けませんから!」

理香:「それはこちらの台詞ですわ〜」

由紀:「信也さんラブ......永遠......です......」

.....と、更に目の間で火花を散らしていた.....

ん〜......失敗したかなぁ......

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