第六十話:妹犬の兄バカ2人目がサークルに参入する
第六十話:妹犬の兄バカ2人目がサークルに参入する
そんな微笑ましい姿を見ていると、他の女性陣も集まってくる。
そして、浅生さんと法泉さんがみんなの一歩前に進み、幸助さんに話しかけた。
弥生:「えっと......幸助さん、ジョセフィーヌちゃんはあなたにとってどんな存在ですか?」
幸助:「勿論〜...... 僕の可愛い可愛い妹さ〜......」
そう言いながら、幸助さんはジョセフィーヌちゃんの頭を撫でてキスをする。
ジョセフィーヌちゃんは、表情は変わらないが尻尾が左右に動いている。
......やっぱりツンデレだ......もっと素直になればいいのに......
理香:「もしも〜、あなたがよろしければ〜......
私達のサークルにメンバーとして参加いたしませんか〜?」
オレ:「あっ、いいですね。 幸助さんは元々リルのファンって言ってくれてた人だし、
ジョセフィーヌちゃんを妹って言ってる事だし、資格充分ですね。」
弥生:「そういう事ね。 ねぇ、どうかしら? 幸助さん?」
オレ達はジョセフィーヌちゃんを抱きしめたりキスしたり撫でたりしている幸助さんを見た。
幸助:「あぁ〜...... ジョセフィーヌ〜...... 僕はキミの事を愛しているよ〜......
ジョセフィーヌも僕の事を愛してくれているかい?」
ジョセフィーヌちゃんは、相変わらず知らん振りだが、嬉しいらしく、先程よりも尻尾が大きく動いていた。
......聞いてなかったな......幸助さん......そして、妹犬はツンデレと......
オレ:「えっと、幸助さん?」
幸助:「あっ、ごめんね〜...... ジョセフィーヌが可愛くて可愛くて、
聞きそびれてしまったよ〜.....」
オレ:「えっと、んじゃまぁ、再度言いますが......」
幸助:「ジョセフィーヌ〜......」
......これが5回程続いたのだった。
何ていうか......幸助さんも変な人だなぁ......
まぁ、楽しい分にはいいけどね。
で、やっと話を聞いてもらえて......
幸助:「勿論OKさ〜...... リルちゃんにも会いたいし、
ジョセフィーヌにも友達ができたら嬉しいからね〜......」
そして、リルの名前が出た途端に離れていくジョセフィーヌちゃん。
幸助:「あぁ〜..... ジョセフィーヌ〜......」
そして、悲しそうな顔をして歩き去るジョセフィーヌちゃんに手を伸ばす幸助さん。
......何気に嫉妬深いのな......ジョセフィーヌちゃんって......
だが、その後、ジョセフィーヌちゃんもみんなと仲良くなって、楽しそうに走り回っていたのだった。
そこでやっと休憩ができたオレと幸助さん。
女性陣はみんなの写真を撮り始め、オレと幸助さんは休憩の為にテーブルのある場所に行き、椅子に座った。
A子:「キャー! 信也くんよ〜!」
B子:「ワンちゃん達と遊んでる姿も良かったけど」
C子:「目の前にいる信也くんはやっぱりカッコイイ〜!」
......何だか居辛いのですが......
オレはとりあえず気にしないようにして幸助さんと話をした。
オレ:「幸助さんはジョセフィーヌちゃんとは何年になるんですか?」
幸助:「そうだね〜......ジョセフィーヌが赤ちゃんの頃からだから、
かれこれ4年になるかな〜......」
オレ:「なるほど...... 昔からああだったんですか?」
幸助:「どうだったかな〜...... 昔はもっと甘えてくれていたとおもうんだけどね〜......」
オレ:「ふむ...... ツンデレになるには何か理由があったんですね〜......」
幸助:「ん〜...... ツンデレ?」
幸助さんはオレの言葉の意味が分からなかったらしく、はてなマークを浮かべていた。
A子:「ツンデレっていうのは、人前ではいつもはツンツンしてるけれども、
2人きりになるとデレデレになる子の事を言うんですよ〜」
B子:「もしくは、好意を持った人物に対してデレッとした態度を取らないように、
ツンツンした態度で天邪鬼に接する子の事をいうのですよ〜」
C子:「幸助さん......とお呼びしてもよろしいですか?
......のワンちゃんはツンデレなのですか?」
オレ:「うん、どう見てもツンデレだよ。」
幸助:「そうだろうか〜...... 僕にはいつもツンツンで、僕に甘えてくれた事なんか、
さっきのが4年振りくらいになるのさ〜......」
オレ:「でも、幸助さんがリルと歩いていった時とか、寂しそうにしてたし、
幸助さんが他の子達に揉みくちゃにされた時とか、真っ先に助けにきましたよね。」
幸助:「そういえばそうだね〜......」
オレ:「あまり気にしてないように見えて、思いっきり気にしているんだから、
ツンデレ以外の何者でもないですよ。」
幸助:「ふむ〜...... なるほど〜...... 言いえて妙だね〜......」
オレと幸助さんはみんなの方を見た。
すると、ジョセフィーヌちゃんはみんなに脚が速い所を見せていた。
沙耶:「スゴイスゴ〜イ!」
奈菜:「流石はハウンド系ですね。」
詩織:「カッ.....カリンちゃんやマユミちゃんやモモよりも速いですっ!」
由紀:「走り方も......綺麗......」
佳苗:「ホントホント! 理香さんが犬だったらあんな感じかも〜!」
理香:「あら〜、ジョセフィーヌちゃんみたいに優美なんて〜」
弥生:「でも嬉しそうね。まぁ、確かに佳苗の意見には賛成だけどね。」
......オレと同じような感想を持った人がいたようだ.......
でも、ツンデレな所を知ると、そうじゃないって思うんだよね〜......
オレ:「みんなもやっぱり同じように思ったみたいですね。」
幸助:「ん〜...... 何がだい〜......?」
オレ:「法泉さんが犬だったらジョセフィーヌちゃんみたいな感じかなって。
オレも最初見た時はそう思いましたよ。」
幸助:「ありがとう〜...... それは嬉しい褒め言葉だよ〜......」
C子:「確かにそんな感じはありますよね。穏やかで清楚!」
A子:「そして優美で華やか!」
B子:「理香先輩に匹敵する美しさですね!」
オレ:「まぁ、それはオレも認めるけれども、でも、その実......を知ってしまうと、
やっぱり法泉さんが犬だったら......とはならないかな......」
幸助:「どうしてだい〜......」
オレ:「法泉さんはツンデレじゃないですからね。」
幸助:「なるほど〜...... 法泉さんとの噂は事実だったんだね〜......」
オレ:「......はっ!」
......もしかして、オレって今、墓穴を掘りましたか?
オレ:「やっ、そういう意味ではなくっ! 普通にツンデレって感じじゃないでしょ、法泉さんって!」
幸助:「でも〜...... キミと法泉さんは付き合っているんだろう〜......?」
オレ:「まだ付き合ってないですって!」
A子:「ほっ......ホントですかっ?!」
B子:「私達にもチャンあり?!」
C子:「これはみんなに知らせるのですっ!」
そこで、後ろから、
理香:「あら〜...... 信也さんは私達のものですわよ〜?」
と法泉さんから声が掛かる。
奈菜:「今付き合っていないだけです。」
沙耶:「いずれ信也君のハートをゲットだせ〜!」
由紀:「みんな......諦めて.....ない......」
佳苗:「ファンクラブよりも私達の方が近いんだから、ファンクラブの子達には無理だよ〜だ!」
詩織:「わっ......私達は負けないのですっ!」
弥生:「そういう事。信也君を狙ってるのは、サークルの女性陣全員なんだからね!」
ファンクラブの女性陣3人は、みんなの告白を唖然として聞いていた。
幸助:「信也君〜...... モテモテだね〜......
まさか〜...... サークルの女性陣全員だったとは〜......」
オレ:「......はっ!」
......これは......今までは浅生さんと白泉さんと法泉さんだけだったのに、
他のメンバーの話までバレてしまったのでは......
......休み明けが怖いなぁ......