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第五八話:妹犬がツンデレる(その1)

第五八話:妹犬がツンデレる(その1)



幸助さんの妹犬であるジョセフィーヌちゃんのリードをオレが持ち、

リルのリードを幸助さんが持って、森中さんの家を目指す。

ジョセフィーヌちゃんはオレの横にピッタリと並んで歩いていた。

リルと幸助さんはオレ達の前を歩いているのだが、リルはしきりにオレの方を見ている。

そして、オレと目が合うと嬉しそうな表情を浮かべて前を見て......を5秒毎に繰り返した。


幸助:「ん〜...... やっぱりリルちゃんは信也君の方がいいのかな〜......

    でも、そんな仕草を見ていてもホントに可愛いね〜......」

オレ:「ありがとうございます。ジョセフィーヌちゃんは堂々としてて優雅ですよね。

    歩き方とか姿勢も優雅に見えますよ。」

幸助:「ありがとう〜...... ジョセフィーヌ〜...... 褒められたな〜......

    僕は嬉しいよ〜...... ジョセフィーヌは嬉しいかい〜......?」

......ん〜......相変わらず優雅に歩いてる。

表情も特に変化なし。

幸助:「あぁ......ジョセフィーヌ...... キミは相変わらずマイペースだね〜......

    でも、僕はそんなキミが大好きだよ〜......」

......オレの方を見てまた前を見て...... 知らん振りですか......

でも、心なしかウキウキな歩き方になった気も......

オレ:「何となくウキウキになった気もするけど、知らん振りですね......」

幸助:「ジョセフィーヌ......お兄ちゃんは少し寂しいよ〜......」


そんなオレ達の前を歩く女性陣はと言えば......

弥生:「ねぇ...... 幸助君って、さっき......」

奈菜:「はい、自己紹介でジョセフィーヌちゃんを『妹』と言いました。」

理香:「そうですね〜 サークルに勧誘してもよいのではないでしょうか〜」

佳苗:「そうそう! 今さっきも、自分を『お兄ちゃん』って言いましたよね?!」

弥生:「うん。私は資格ありかな〜って思うんだけど、みんなはどう思う?」

詩織:「わっ......私はいいと思いますっ!」

由紀:「妹犬ラブな人...... 悪い人...... いない......」

沙耶:「信也君とも仲楽しそうに会話してるし、男性メンバー2人目確定

    でいいんじゃないかな?!」

理香:「みなさんがよろしいならば〜 私がと弥生さんとで勧誘いたしますわ〜」

弥生:「そうね! そんじゃまぁ、後で私と理香から言って見ましょう!」

......というように、幸助さんの勧誘話が持ち上がっていた。


詩織:「こっ......ここが私の家ですっ!

    みっ......みなさん中へお入りくださいっ!」

......という訳で、森中さんの家に到着。

うん、もう何も言わないよ?

だって、家がデカイだろうな〜......とは想像してたからさ。

とりあえず、ここのサークルの人達はみんなお金持ちなのは確かなんだろうな〜......

とか考えていた。


とりあえず庭に行くと、テーブルと椅子が用意されている場所にみんなで向かい、

各々に椅子に座る。

幸助:「リルちゃん〜...... 僕と一緒に遊ばないかい〜?」

そう言いながら、リルを連れて庭を歩く幸助さん。

オレが椅子に座って用意された紅茶を飲もうとすると、ジョセフィーヌちゃんがオレの袖

を噛んで引っ張った。

オレ:「ん? ジョセフィーヌちゃん、どうした?」

オレがジョセフィーヌちゃんを見ると、再びオレの袖を噛んで引っ張るので、

オレは椅子から立ち上がり、ジョセフィーヌちゃんと一緒に歩き出した。

......ん〜......どうしたのかなぁ......

ジョセフィーヌちゃんはオレが立ち上がると歩き出したので、オレも横を一緒に歩いた。

そして......ジョセフィーヌちゃんは幸助さんの方に近づいていた。

......なんだ......幸助さんの事を気にしてるんじゃん......

オレ:「ジョセフィーヌちゃん、幸助さんのトコに行きな?」

オレがしゃがんでそう言うと、ジョセフィーヌちゃんは今度は逆に向かって歩いた。

......ん〜......素直じゃないというか何と言うか......

オレがその場で立ち止まったままでいると戻ってきて再びオレの袖を噛んで引っ張った。

......を、5回ほど繰り返した頃......

幸助:「ジョセフィーヌ〜...... キミもおいで〜......」

という声が幸助さんから掛かる。

嬉しそうな顔をするジョセフィーヌちゃん。

......が、直ぐに何とも思ってないような顔をして、ゆっくり歩き出す。

......ホントは走って行きたい筈なのに......素直じゃないなぁ......

オレはジョセフィーヌちゃんの横を一緒に歩いて幸助さんの方に向かった。

幸助:「信也君〜...... ホントにリルちゃんは可愛いね〜......

    更にファンになってしまったよ〜......」

オレ:「ありがとうございます。 ジョセフィーヌちゃんも可愛い所がありますよ?」

幸助:「本当かい〜......? 僕には可愛い所なんか見せてくれた事なんかないから、

    チョット寂しいな〜......」

そう言いながらオレと幸助さんがジョセフィーヌちゃんを見ると、

ジョセフィーヌちゃんは知らん振りをして女性陣の座る場所を見ていた。

幸助:「リルちゃんみたくジョセフィーヌにも甘えて欲しいなぁ〜......

    ん〜...... リルちゃん、一緒に遊ぼうか〜......」

そう言って、幸助さんはリルを呼びながら走って行った。

ジョセフィーヌちゃんは、そんな幸助さんを見ながら、

「クゥンクゥン......クゥ〜ン......」と泣いた。

ホント、素直じゃないなぁ......

オレ:「ジョセフィーヌちゃん、オレと一緒に遊ぼう!」

そう言いながら、オレは幸助さんの方に向かって走る。

が、ジョセフィーヌちゃんは走ろうとせず、違う方に歩き始めた。

しょうがないので、オレはジョセフィーヌちゃんの方に戻り、再び一緒に歩く。

オレ:「ジョセフィーヌちゃん、幸助さんにもっと甘えていいと思うぞ?」

オレがジョセフィーヌちゃんにそう言っても、ジョセフィーヌちゃんは庭の外周

にある草花の匂いを嗅ぎながら歩くだけだった。


......ん〜......ジョセフィーヌちゃんは幸助さんにホントは甘えたい

んだと思うんだけどなぁ.......

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