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第五六話:妹犬達の姉達が動き出す

第五六話:妹犬達の姉達が動き出す



例の記事でオレの立場は更に悪化してしまった。

あの記事では、オレが浅生さん、白泉さん、法泉さんの3人と付き合っている事

を公言したのと変わらないのだ。

もうオレは男と女の敵になっているだろう。

きっと、オレの味方はこの世に一人も居ないのだ。

......なんでこんな事になってしまったんだろうなぁ......

そんな事を考えながらオレは大学で講義を受ける為、教室に入った。


省吾:「よう! モテ男!」

省吾はニヤニヤしながらオレに話しかけてきた。

オレ:「......これをモテるって言うのはオレは間違いだと思うよ......」

そんな事をオレが呟くと、省吾は少しムッとして

省吾:「おい...... これをモテるって言わずに何て言うんだよ!」

と言ってきた。

だが、オレは納得できず、省吾に

オレ:「なぁ...... 好きになるってさ....... そんなに簡単な事か?」

と聞いてみた。

すると、省吾は少し困り顔でこう聞いてきた。

省吾:「お前、もしかして誰かを好きになった事って無いのか?」

オレ:「や、そんな事は無いとは思うが...... でも、付き合いたいと思った事

    って一度も無いかなぁ......」

省吾:「......それは誰かを本気で好きになった事がないって事じゃんか......」

オレ:「そう......なのかなぁ......」

省吾:「そうだよ。お前、誰かを本気で好きになった事がないんだよ。」

オレ:「そうなのかもなぁ......」

省吾:「ならさ、どうせ告白してくれる人がいるんだから、付き合ってみればいいじゃん。」

オレ:「それは絶対にできない。」

省吾:「何故だよ! 誰もが羨む人に告白されてるのに、その人達と付き合うこと

    は絶対にできないって言うのかよ?!」

オレ:「違うよ...... 彼女等の気持ちは本気だから、中途半端な気持ち

    じゃ付き合えないって言ってるんだよ。」

省吾:「......お前、そういう所はホントに真面目なのな。」

オレ:「相手を傷つける可能性はオレはできる限り排除するさ。

    お前だって、相手が適当な気持ちで付き合ってたら傷つくだろ?」

省吾:「まぁな〜...... でも、今はお試しみたいな感じで付き合うのは普通だぞ?」

オレ:「......オレにはその感覚は肯定できないし理解したくないよ。」

省吾は、オレの返答を聞くと、溜め息を吐いて、

省吾:「真面目なのな、お前......」

と呟いた。



その頃、「愛ラブシスター」大学2年生カルテットの女性陣はこの事態を由々しく受け止めていた。

沙耶:「どうしよう〜...... これは大変な事になっちゃったよぉ......」

佳苗:「だよねぇ...... まさか白泉さん達3人のポスターが貼られて、

    更にあんな記事が新聞部から出ちゃうなんて......」

詩織:「そっ......それにっ! リっ......リルちゃんだけじゃなくっ!

    しっ......信也さんまで人気がでてしまってますっ!」

由紀:「ファンクラブ......を作る.......という話も.......出てる......」

4人は並んで席に座り、どうしたものか......と考えていたが、いい案は全く出なかった。


更にその放課後、「愛ラブシスター」大学3年生トリオの女性陣は事が大きくなり始め

ている事を少々後悔していた。

奈菜:「流石にこんな事になるとは思ってませんでした......」

理香:「予想外でしたわね〜...... 流石は私の選んだ方という所かしら〜......」

弥生:「理香...... あんた何気に余裕あるわね......」

理香:「余裕ありませんわよ〜? だって、慌ててますもの〜......」

奈菜:「理香さん、笑顔で言われても説得力はないですよ。」

そして、3人は目の前にあるポスターを見た。

ポスターには「藤崎信也&リルちゃんファンクラブ メンバー募集!」

と書かれており、写真は例の記事で使われた写真が載せられていた。


そこに、大学2年生カルテットの女性陣がやってくる。

弥生:「あら、みんなお揃いで......」

沙耶:「先輩方、こんにちわです......」

奈菜:「みなさん、元気ないですね。」

詩織:「だっ......だってっ! こっ......このポスターがっ!」

理香:「そうですわね〜...... どうしましょうか〜......」

佳苗:「ファンクラブを私達で潰すってのはどうでしょうか?!」

由紀:「流石に......それは......無理......です......」

理香:「そうですわね〜......」

そこで、浅生さんが手をポンと叩き、閃いた事を言ってみた。

弥生:「いっそのこと、このファンクラブを私達が管理しちゃったらどうかしら?」

奈菜:「何か方法でもあるのでしょうか?」

弥生:「勿論よ! だって、信也君とリルちゃんは愛ラブシスターのメンバーだもの!」

そこで、「あっ!」とみんなが気付いた。

詩織:「そっ......そうなのですっ! もっ......元々あの写真はっ!」

由紀:「私達の.......サークル活動......だから......」

沙耶:「そっか〜! 信也君に会うにしても、リルちゃんに会うにしても......」

佳苗:「うんうん! 私達の了解を得ないと無理なんだよ〜!」

みんながその事に気付き笑顔になる。

みんなの顔を見て、浅生さんはニヤリと笑い、人差し指を立ててウィンクしながら、

弥生:「その通りっ!」

と話した。

理香:「ならば〜 善は急げですわ〜」

ニコニコと笑いながら、法泉さんはファンクラブの問い合わせ先をメモして電話で連絡を取り、

みんなでファンクラブの問い合わ先の人に会いに行く事にした。


ちなみに、男共はと言えば.......

A男:「ちきしょ〜! 藤崎信也めぇ〜.......どうしてくれようか......」

B男:「でもさぁ、藤崎信也ってあれだろ? 例の食堂での一件の......」

C男:「そうそう......オレもあれ見てたけどさぁ...... マジで怖かったぞ?」

D男:「オレなんか、あの目線で睨まれてた一人だったんだぜ?

    怖いなんてモンじゃ済まないよ、あれは......」

......という事で羨ましくてどうにかしようと思いながらも手を出せずにいた。


そして......ファンクラブのポスターを見つめる男が一人......

 男:「ん〜......リルちゃん可愛いねぇ〜...... 会ってみたいなぁ......

    入っちゃおうかな......ファンクラブ......」

そして、男はファンクラブの入会先に電話をした。


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