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第五二話:妹犬と兄バカが大学でも評判になる(その1)

第五二話:妹犬と兄バカが大学でも評判になる(その1)



次の週の火曜日、オレは大学の講義を終え、家に帰ろうとしたのだが.......

......ん〜......何だか視線が痛いというか......何気に注目されてないか?

そんな訳はないとは思うんだが、何故か、前後左右から視線を感じる。

ん〜......何かしたっけ、オレ......

そこで、オレの肩を後ろから叩きながら省吾の声が聞こえた。

省吾:「よっ、有名人!」

オレ:「......は?」

オレは省吾の言葉の意味が分からず、ポカンと口を開けたまま聞いた。

オレがそんな状態でいると、省吾が溜め息を吐きながらこう答えた。

省吾:「お前......ホントに自分が周りからどう見られてるか気にしてないのな。」

オレ:「まぁ......周りがどう見ていようと、どう言おうとオレはオレだからなぁ......」

省吾:「そう言い切れるお前が凄いと思うよ、オレは。」

オレ:「でも、それが事実だろ?」

省吾:「......まぁな......」

オレ:「納得できるならいいじゃん。で? 何でオレが有名人なんだ?」

省吾:「やぁ、だからさぁ...... 何で自分の状態なのに周りからどう見られてるか

    知らないんだよ、お前は!」

オレ:「だから、周りがどう......って、いいから教えろよ。どういう事だよ。」

省吾:「......まぁいいか...... 掲示板見てみろよ。」

オレ:「ふむ......オレ何かしたっけ......」

平静を装ってはいるが、身に覚えが無いのでかなりドキドキだ。

退学とか......じゃないよなぁ.......

そういうのって名前しか張られないし......



......で、掲示板の前。

......なんですか? これは......

写真部......の勧誘ポスターが大きく貼られていたのだが......

その写真にリルがオレの顔を舐めていて、そんなオレに寄り沿って微笑む白泉さんが......

あの〜? 誰か説明してもらえませんか〜?

......と周りを見ていると、少し離れた場所に何人かの人と話す達郎さんが見えた。

オレは達郎さんに事情を聞こうと達郎さんの方に向かった。

オレ:「達郎さん......」

達郎:「やぁ、信也君、こんにちわ。」

オレ:「あっ、こんにちわ...... じゃなくて......あれ......」

そう言いながら、オレは掲示板のポスターを指さした。

達郎:「あぁ、あれね。いい写真だろ?」

オレ:「まぁ、いい写真なのは認めますが......なんであの写真が使われたんでしょ?

    ......ってか、オレは許可した覚えがないんですが......」

そこで「ふむ......」と達郎さんは少し考え、

達郎:「そうだったかな......?

    いやいやすまない! 白泉さんにはOKを貰ってたんだが、白泉さんから、

    自分の勧める写真じゃないと認めないって言われてね。」

と答えた。

オレ:「それで....... オレには許可を取らなかったと......」

達郎:「でも、オレ的にもこの写真はいいなと思っててね。」

オレ:「......せめて確認は取って下さいよ......」

達郎:「嫌だったかい?」

オレ:「ん〜......なんか注目されちゃって......」

そこで、後ろから白泉さんと法泉さんと浅生さんに声をかけられた。

奈菜:「信也さん、達郎さん、こんにちわ。」

理香:「どうしたのですか〜? 少々揉めていらしたようですが〜......」

達郎:「やぁ、みなさんお揃いで。」

オレ:「あっ、こんにちわです。やぁ......掲示板のポスターなんですが......」

オレの答えを聞いて、浅生さんが掲示板の方に向かい、

弥生:「ん〜? ......あぁ〜っ!」

と大きな声を出した。

そして、こちらに戻ってくると、

弥生:「奈菜! 何で信也君とあなたの写真がポスターになってるのよ!」

奈菜:「あら、もうできあがってたのですね。」

そう言いながら、白泉さんと法泉さんと浅生さんは掲示板の方に向かった。

そして、白泉さんに向かって、法泉さんと浅生さんが少々怒り気味の言葉をかけているのが聞こえた。

そして再び3人はオレ達の方に戻ってきて、法泉さんと弥生さんが

理香:「達郎さん〜? これは一体どういう事なのでしょう〜?」

弥生:「きっちり説明していただけますか?」

と達郎さんに聞いてきた。

達郎さんは、少し気圧されながら、

達郎:「やっ......僕は法泉さんと浅生さんにも声を掛けたよね?

    前回の写真部の勧誘ポスターに使いたいって。

    でも......法泉さんも浅生さんも答えはノーだったじゃないか。

    法泉さんも浅生さんも、あまり目立つ事はしたくないって......」

そこで、法泉さんと浅生さんはハッと息を飲んだ。

そして2人の視線が少し軽くなった事でホッとしながら、達郎さんは話を続けた。

達郎:「それで、白泉さんに頼んだらOKをくれてね。

    ただ、その条件に、白泉さんからは自分が選んだもの以外は許可しない

    と言われてね。 それで選ばれた写真があの写真だったんだよ。」

オレ:「オレはついさっき知って、どういう事なのか達郎さんに聞いていた所です。」

その答えを聞いた浅生さんは白泉さんを睨み、法泉さんはニコニコしながら

も何だか怖い雰囲気を漂わせて白泉さんを見た。

弥生:「奈菜! なんであの写真を選んだのよ!」

理香:「奈菜さん〜? 抜け駆けは良くないと思いますわ〜」

そんな雰囲気で2人の言葉を聞きながらも、白泉さんは平然として、

奈菜:「私があの写真を選んだのは、あの写真がとても素敵だと思ったからです。

    何処かいけない所がありましたでしょうか?」

と微笑みながら答えた。

弥生:「奈菜......あの写真を見たら、あなたと信也君が恋人に見えるでしょうが!」

理香:「そうですわよ〜? まだ恋人ではないのに、あのような写真をポスター

    に使用するように推すのはどうかと思いますわ〜」

弥生:「それに、信也君だって戸惑って達郎さんに聞いてたんでしょ?!」

オレ:「やっ、まぁ、何だか注目されちゃって、その原因があの写真だという事になると、

    そりゃ戸惑いますよ。」

そこで、白泉さんは少し悲しそうな顔をしながら、

奈菜:「信也さんは......気に入らなかったでしょうか......?」

と聞いてきた。

オレは少し戸惑いながら、

オレ:「やぁ、あの写真はいいとは思いますが......」

と答えると、白泉さんは微笑みながら、

奈菜:「なら良いではありませんか。」

と、オレの腕に自分の手を回しながら答えた。

オレ:「やっ、白泉さん?」

奈菜:「良いではありませんか。」

そんな白泉さんの姿を見て、浅生さんと法泉さんは

弥生:「奈菜っ! 言った傍からそんな事するんじゃないの!」

理香:「奈菜さん〜? 抜け駆けはよくないとおもいますわ〜」

と言ってきた。

何気に怖いですよ、2人とも.......


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