第五一話:妹犬との約束(その4)
第五一話:妹犬との約束(その4)
次の日の夜、オレがそろそろ眠ろうかと着替えていた所に、リルがオレの部屋に入れてくれ
と催促してきた。
オレ:「リル〜、ちょっと待ってな〜、今着替えてるから......」
オレは着替え終わった後、部屋の扉を開けてリルを部屋の中に入れた。
すると、リルは目の前にあったオレが脱いだ靴下を咥え、いつも寝ているオレのベット
の下の方に行き、ベットの下の方に寝転んでオレの脱いだ靴下を顔の下に置いて目を閉じた。
......やぁ......リル......流石にそれは臭いだろ......
そうなのだ、リルは最近、オレの靴下を顔の下に敷いて眠るようになったのだ。
何が原因かは分からない。が、安心した顔をしてスヤスヤと眠るのでそのままにするしかない。
実際の所、オレ以外の人の靴下は持っていかないし、オレが洗濯場の洗濯籠に入れた後でも、
オレの靴下を選んで自分で持ってきたりする。
やっぱり、オレの匂いで安心するんだろうか......
......でもなぁ......靴下は流石に臭いだろうに......
......今度、サークルの人達にも聞いてみるか......
そう思い、リルは安心した雰囲気なので、オレもそのまま眠る事にした。
そして、その日の夢の中で、オレは久し振りにもう一人の妹犬のリノと会った。
リノ:「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃ〜ん!」
......随分なはしゃぎ様だ......
オレ:「リノ、どうした?」
オレがそうリノに聞くと、リノは少し悲しそうな口調で、
リノ:「お兄ちゃん......私と会いたくなかったの?」
と聞いていた。
あぁ......そうか、リノがオレに会えるのはこういう時だけだもんな......
オレ:「そんな事ないぞ〜、オレだってリノに会いたかったぞ?
リノ、ごめんな。こんなに喜んだ姿を見たのも初めてだったからな。」
リノ:「......そっか...... 私もはしゃぎ過ぎちゃったかな......
ごめんね、お兄ちゃん。」
リノは、少し申し訳なさそうな声で、でも元気にそう答えた。
オレ:「分かってくれればいいよ。
で、何かお兄ちゃんを呼びたかった理由があるのか?」
リノ:「う〜ん......久し振りだから思いっきり甘えたかっただけなの〜」
オレ:「そっか。んじゃぁ、思いっきり甘えていいぞ。」
リノ:「嬉しい! お兄ちゃん大好き!」
そうして、リノはオレが胡坐をかいて座る膝の上に乗り、そしてオレの顔を舐めてきた。
オレは、リノの頭を撫でながら、
オレ:「リノはリルに負けないくらいに可愛いよ。オレの大切な大切な妹だぞ。」
オレはそう言いながらリノの頭にキスをした。
リノはオレの言葉とそんな行動に少し恥ずかしがりながらも、
リノ:「......嬉しい!
私にとってもね、お兄ちゃんは、大切な大切な私のお兄ちゃんだよ。」
オレ:「そうかそうか、オレも嬉しいよ。」
リルもリノと同じようにオレの事を思ってくれてるかな......
そんな事を考えていると、リノは
リノ:「リルちゃんも、きっと私と同じ思いだよ。」
と答えた。
オレ:「リノ、ありがとうな。オレもリルがそう思ってくれてると信じてるよ。」
リノ:「うん! だって、リルちゃんだって私みたくお兄ちゃんに一杯一杯甘えてるもん!
......時々ね、私もリルちゃんみたく毎日甘えたいな......って思うんだよ?」
オレ:「そっか〜......会いたい時に会えないもんな......
でも、リノは、こうしてオレと色んな会話ができるよな。
それは、自分の思いを相手に伝えられるって事だから、
リルだってリノの事を羨ましいって思ってるかもだぞ?」
リノ:「そうかな〜...... そうかも.......」
オレ:「うん、きっとそうだよ。」
そこで、リノはオレの顔を真剣な顔で見て、
リノ:「お兄ちゃん......お願いがあるのあ......」
と話した。
オレ:「ん? なんだい?リノ」
リノ:「あのね......長時間叱ったり罰したりしないで欲しいの。
お兄ちゃんには他にも色々な事があるけれども、私にはお兄ちゃんしかいないから......」
オレ:「ん......分かったよ。約束する。」
オレがそう言ってリノの頭を撫でると、リノはオレに
リノ:「ありがとう、お兄ちゃん!」
と元気に返事をし、オレの顔を思いっきり舐めた。
......という訳で、いつもの如く、リルに顔を舐められて起こされた。