第四五話:妹犬の兄バカの大学生活(その3)
第四五話:妹犬の兄バカの大学生活(その3)
オレは講義を受ける為に教室に入ると、省吾のいる席まで行き、省吾の隣の席に座わり、
オレ:「省吾......さっきは済まなかったな......」
とオレは省吾に謝罪した。
省吾は、オレのそんな姿を見ながら、少しビックリしながら、
省吾:「やぁ......お前が謝る事じゃないよ。
でもさぁ......法泉さん達といつ知り合いになったんだよ?」
オレ:「あぁ......それは先週末に......」
と彼女等との出会いのいきさつを話した。勿論、告白された事は除いて。
省吾は、オレの話を聞きながら、
省吾:「マジかよ?! あのサークルは中々入れなくて有名なんだぞ?!
お前はどういう手を使ったんだよ?! オレにも教えろっ!!」
と驚きの声をあげた。
う〜ん......多分、自分の飼っているメスの犬を妹と認識している者って条件
を言ったら、間違いなくそういう連中が殺到しそうだしなぁ......
オレ:「やぁ......オレは素でそうだったから向こうから強引に誘われた
としか言えないよ......」
と答えた。
省吾:「くぅ〜っ! 羨ましいヤツめ〜!!」
と、オレにヘッドロックを掛けながら、省吾は悔しそうにそう言った。
その日の講義が終わると、
A男:「あっ......ねぇ......ちょっと、そこの君?」
と見知らぬ男が横から声を掛けてきた。
オレが男の方を見ると、少々ナヨナヨしい男がオレの方を見ていた。
オレ:「? なんですか?」
と聞きながら、オレはその男の方に向かって歩き、その男の前で止まった。
達郎:「あぁ、いきなりで済まない。
僕は佳山 達郎って言うんだ。よろしく。」
と、彼はオレにウィンクをしながら握手を求める手をオレに向けた。
......男が男にウィンクって...... チョット気持ち悪いぞ?
......と思いながらも、表情には出さずに彼の手を取って握手を交わした。
オレ:「あぁ、どうも。 オレは......」
達郎:「藤崎 信也君だろ?」
オレ:「.....何故、オレの名前を?」
達郎:「妹がお世話になってる。 佳山 由紀の兄だよ。」
オレ:「あぁ......なるほど......そうでしたか......」
達郎:「さっきの昼休みに食堂前での君を見てね。
何気にいいヤツだなぁ......なんてね。」
オレ:「はぁ......ありがとうございます。」
達郎:「君なら、由紀が惚れたのも頷ける。」
佳山兄はさっきの事を思い浮かべ、目を閉じながら腕を組み、「うんうん」と頷いた。
オレ:「?!」
流石に佳山兄の言葉にオレはビックリして開いた口が塞がらない。
達郎:「あぁ、ごめんごめん! うちの家族は何気にそういった話はオープンなんだ。」
オレ:「そっ......そうですか......」
達郎:「妹は物静かであまり表情を表に出さなくてね......
そんな妹が、いきなり好きな人ができた......って少し頬を赤らめて、
嬉しそうな顔をしたから、オレも家族もビックリでね。
どんなヤツか......と思ってたら今日の昼のあれだろ?
僕も君の事が気に入ったよ。 妹の事、よろしくね。」
オレ:「あっ......こちらこそよろしくです。」
達郎:「それじゃ、またね。オレの事は達郎でいいよ。」
オレ:「はい。それじゃ、オレの事も信也でいいです。」
そうして、達郎さんはオレに背を向け、手を上げながら歩き去った。
へぇ......佳山さんの兄さんか...... 性格は全然違うんだなぁ......
......ってか、佳山さん、家族に話したんだ......
......まぁ、いいか......別に付き合ってる訳じゃないし、
そうそう佳山さんの家族に会う事もないだろうし......
と、オレは軽く考えながら、帰路に着いた。
そんなやり取りをしていた時、その他の「愛ラブシスター」の女性陣は、
大学の庭に集まって芝生の上に座っていた。
そして、昼休み後の食堂前での出来事を浅生さん、白泉さん、法泉さんに話していた。
由紀:「......と......いう事......なのです......」
詩織:「しっ...... 信也さんは...... かっ......カッコ良かったですっ!」
沙耶:「ホント、惚れ惚れしちゃいますよ!」
佳苗:「みんな惚れ直しちゃいました!」
皆川さん、佳山さん、安西さん、森中さんは、その時の事を思い浮かべながら、
うっとりした表情を浮かべている。
そんな4人を見ていた浅生さんは、少しムッとしながら、
弥生:「あ〜っ! もう! 羨ましいったらありゃしない!」
と少し大きめの声で話した。
理香:「ホント...... 私も見たかったですわ〜......」
法泉さんはその時の事を想像しながらうっとりとして微笑んだ。
奈菜:「信也さんは、やはり素敵な方ですね。 私も惚れ直しました。」
そこで、「でも......」と、安西さんが少し気落ちしながら声を上げた。
そこにいた全員が安西さんの方を向く。
安西さんは下を見ながら、
佳苗:「信也君、その他の知らない女性陣にも注目されてて......
これから人気が出そうです......」
と話した。
詩織:「そっ......そうなのですっ! ラッ......ライバルが増えそうなのですっ!」
由紀:「ある意味......緊急事態......」
沙耶:「先輩方.......どうしましょう......」
愛ラブシスターの2年生カルテットは気落ちしながら3年生トリオに相談した。
理香:「流石、信也さんですわ〜...... 私は負けるつもりはありませんわよ?」
法泉さんは、微笑みながらそう話した。
弥生:「理香...... あなたも何気にいい度胸してるわよね......」
少々呆れながら麻生さんは法泉さんにそう話した。
奈菜:「でも、それでいいのではないでしょうか。
知らない人の事などどうでもいいのです。
要は、自分の信也さんへの思いがどれくらい強いかです。」
白泉さんは、笑顔で、おっとりとした口調ではありながらも、自信を持って話した。
理香:「そうですわよ? 信也さんに見合った女性となるならば、
自分に自信を持つ事が一番重要なのではないかしら?」
弥生:「そうね。昼休みの話を聞いて更に私もそう思うわ。
信也君は、自分をしっかりと持ってるもの。
見合う人になろうとするならば、私達も自分に自信を持たないとね。」
法泉さんは笑顔で、浅生さんはウィンクをしながら話した。
3年生トリオの言葉に、2年生カルテットは「はいっ!」と元気に答えた。