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第四二話:妹犬の兄バカの大学生活(その1)

第四二話:妹犬の兄バカの大学生活(その1)



大学生活が始まって2ヶ月。

今日はオレが目的としていた講義がある。

これだけは絶対に外せない。

何故ならば、自身の将来の目的の為だからだ。

将来の目的、それは、オレの夢。

オレは......最先端の技術者になりたい。

その為に、コンピュータ技術者を目指しているのだ。

コンピュータ技術者と言っても色々あるが、オレは、ただのプログラマではなく、

ハードウェアもソフトウェアも設計して、自身の思い描いたものを作れるようになりたい。

その為に今の大学に入って、夢を実現させる為に勉強をする事を選んだ。

そして......オレはロボットや今のパソコンの根幹になるものを作ってみたい。

まぁ......実際の所、最終的に作りたいもの自体はまだ見えてはいないのだが......


最近の技術の進歩はとてもめまぐるしい。

コンピュータ言語だって数多くあり、それぞれが色々な使われ方をしている。

更に言えば、機械の中に組み込まれているICだって、日々進歩している。

しかし、それを使うのは人間であり、それを使用して多種多様なものを創造するのも人間だ。

だから、オレはその根幹となるものを作ってみたいと思ったのだ。

......勇次だって将来の夢を見つけた。オレだって、将来の夢を追って見たい。

......負けていられないって思ったんだよな......実際の所。

夢を追う者が友人に居るという事は、オレにはとても励みになる。

仲間ってのは、色々な意味合いで大切だなって思うよ、ホント。


大学での授業の為、オレは教室に入った。

すると、大学に入ってからの友人となった、神崎(カンザキ) 省吾(ショウゴ)

がオレの前に現れた。

省吾:「よう、信也。」

オレ:「おう、おはよう。」

省吾:「なぁ......お前、法泉理香さんって知ってるか?」

オレ:「ん? あぁ、一応......」

オレの返答が意外だったらしく、少々驚きながら、省吾はオレに

省吾:「ほぉ......お前みたいな唐変木でも知ってたか......」

と答えた。

オレ:「......それはどう意味だよ?」

その返答に少しムッとしながら、省吾にそう聞いてみたが、省吾は、

省吾:「や、まんまだろ? お前を唐変木と言わずに何と言うんだよ?」

と答えた。

省吾の返答にオレは溜め息をつき、そして、

オレ:「......やっぱり、オレって誰からみても唐変木なんだなぁ......」

と答えた。

オレの答えに省吾は、「何を今更!」と言いながら笑ってオレの肩をポンポンと叩いた。

オレ:「で......法泉さんがどうかしたのか?」

省吾:「ん? あぁ...... どうやら、法泉さんに好きな人ができたらしいぞ?」

オレ:「ふ〜ん......」

それってオレの事なんだとは思うが、やはり他人事なオレだった。

省吾:「ふ〜ん......って、法泉さんに好きな人ができたんだぞ?!

    誰だか知りたくないのか?!」

オレ:「別に......」

省吾:「......お前はそういうヤツだよな......」

少々呆れ顔で省吾はそう答えた。

元々、色恋沙汰とか噂に興味はないさね。

オレ:「そういえば......なんで法泉さんって有名なんだ?」

省吾:「......お前なぁ...... 見たことあるんだろ?

    あの容姿! あの立ち振る舞い! 更にお嬢様!

    これで誰も放っておく訳がないだろうに!」

オレ:「あぁ......そういう事ね......」

なんと言うか......外見とかそういうので人気が出るってのは、ある意味可哀想

だとオレは思う。

だって......本人自身を見てもらえない可能性が高いじゃん?

オレ:「何ていうか......いい迷惑だよな......本人としては......」

省吾:「? 何でだよ? モテるのはいい事じゃん!」

少々語気を強くして省吾が反論してきた。

オレ:「外見とか家柄で人気が出ても、実際に付き合って『思ってたのと違う』

    とか言われたら、お前はどう思うよ?」

省吾はオレの言葉に押し黙り、反論ができなくなって、それでも反論しようと

色々考え始めた。

そうこうしているうちに、教授が教室の中に入ってきたので、

オレ達はここで会話を中断し、席に着いて講義を受ける準備を始めた。


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