第三話:妹犬、名前を気に入る。
第三話となりました。
第二話がちょっと重い話になってしまったので、連続投稿いたしまする。
さて、これから妹犬とのエピソードですよ。
まだ、"妹犬"という言葉は、題名にしか出てきませぬよ。
これからはフィクションとファンタジー的な要素も入っていきまするよ。
第三話:妹犬、名前を気に入る。
保健所から犬を連れてきた。真っ白で可愛い犬だ。
名前はこれから決める......という感じかな......
さて......どんな名前がいいだろうか.......
......とか言いながらも、実はオレの中には既に、一つ名前に案がある。
あとは、お袋とあの犬が気に入るかだ。
オレは、お袋と犬の居る庭に行き、お袋に名前についてどう考えているか聞く事にした。
オレ:「なぁ、お袋......その子の名前、どうするか決めてる?」
お袋:「う〜ん......まだちょっと決まってないのよね〜......」
そうか......決まってないならオレの考えた名前が通る可能性もあるな......
オレは、お袋にチョット恥ずかしく思いながら、
オレ:「んじゃぁさ......『リル』ってどうかな......?」
と頬を人差し指で掻きながら、犬とお袋の顔を見ながら聞いた。
すると、その犬は、耳をピクっと立て、嬉しそうな顔をする。
ぬ?もしかして自分の名前だって分かったのかな?
お袋:「リル......いいんじゃない? いい名前じゃないのぉ〜!
この子も気に入ったみたいよ?」
うん、ホントに嬉しそうだ。
リルという名前を気に入ってくれて良かった。
お袋:「今日からお前の名前は『リル』だよ〜、可愛い名前付けてもらえて良かったね〜
......で、その名前の意味?」
オレ:「えっと、Littleから文字って......小さな可愛い子って意味でリル」
お袋:「へぇ〜、ちゃんと考えてるのね。偉い偉い!」
まぁ、こっ恥ずかしいけどなっ!
ちょっと顔を赤くしながらも、オレはそんな事を考えていた。
ともあれ、リルもお袋も、この名前を気に入ってくれてよかった。
リルは、最初からその名前が自分の名前である事を理解して、「リル」と呼ぶとこちらを見た。
結構賢いんだな.......
その日の夜、リルは庭で飼う事を決めていたので、庭に繋いだのだが、
オレ達が居なくなると吠えるわ暴れるわで、どうしても独りにする事ができなかった。
でまぁ、一日目だししょうがないだろう......という事で、今日は家の中に入れる事にしたが、
親父が「部屋の中が犬の毛で汚れるだろ」と部屋の中に入れる事を反対したので、
廊下の階段に繋いで、部屋の中には入れないようにはしていた。
それでも、オレ達の姿が見えないと、リルは吠えるわ暴れるわで、オレ達家族は困り果てながらも、
「どうしたものか......まぁ、躾けはこれからだからなぁ........」とか考えていた。
みんなが眠る為に各々の部屋に入っても、リルは吠えて暴れた。
物凄い寂しがり屋で甘えん坊だなぁ.......
このままじゃ眠れないよ......と思い、オレはリルの傍に行った。
オレ:「こら、リル、静かにしな。みんな眠る時間だぞ。お前も眠れ。」
そうリルに言っても、「キャンキャン」と寂しそうに泣く。鳴くというよりも、
泣くという感じの方が合っている、悲しそうな鳴き方をして、オレに擦り寄る。
この声が、なんともまぁ......ホントに悲しそうで、部屋に戻ろうとするオレ
の後ろ髪を引っ張って、中々部屋に戻る事ができない。
オレ:「しょうがないなぁ......ホントにお前は寂しがり屋で甘えん坊だなぁ......」
オレはリルを抱きしめて頭にを撫でてやった。
それでだいぶ落ち着いたので、オレが部屋に戻ろうとすると、やはりまた吠えて暴れる。
ぬぅ......これじゃぁリルを独りにできんなぁ......庭で飼うのも無理かなぁ......
しょうがないので、オレはリルをオレの部屋に連れて行き、一緒に眠る事にした。
リルは、オレが傍に居る事に安心したのか、オレのベットの足元の方に座り、
オレの顔を見て嬉しそうな顔をした。
これでやっと眠れる.......
以上、第三話、妹犬、名前を気に入るでした。
リルというのは、オレの家で飼っていた妹犬の名前です。
完全に、このお話のモデルはうちで飼っていたリルです。
性格等はそのまんまリルですよ。
3年前に亡くなってしまいましたが、オレにとってリルは、今でも大切な妹です。
こうして、リルの事を思い出しながら小説を書くのも不思議ではありますが、
リルが今でもオレの中に大切な思い出として残っている事は嬉しくもありますな。
次回は、少しファンタジーな内容になります。
楽しみに待っていただけると嬉しく思いまするよ。