第二七話:妹犬との約束(その2)
何とか発疹も治まりました。
GWが明けたので、そろそろ再執筆していきまするよ。
第二七話:妹犬との約束(その2)
その日の夜、別荘の自分が与えられた部屋でオレとリルはいつものように眠っていた。
そして、久し振りに不思議な夢を見た。
真っ白な犬と高原で走り回る。
真っ白な犬は嬉しそうにオレから遠ざかるように走り、
その後、オレに向かって走ってくる。
一通り遊んだ後、真っ白な犬とオレは話をした。
犬:「私は、お兄ちゃんと一緒に遊べて楽しいよ。
お兄ちゃんは楽しい?」
オレ:「うん、勿論楽しいぞ? 昔、こうして一緒に遊んだもんな。」
犬:「うん、楽しかったな〜......」
そこで真っ白な犬は少し目を細めてオレの顔を見た。
犬:「ねぇ、お兄ちゃん......
お兄ちゃんが私に望んでいることを理解できるようになるまで、
もう少し時間をちょうだいね。
もっと色んな遊びができるようになるといいなって私も思ってるけど、
まだまだ私もよく分からないから......」
オレ:「うん、分かったよ。余り気にしなくていいぞ?
のんびり理解していってくれればいいからさ。」
犬:「うん!」
犬は胡坐をかいて座るオレの膝の上に乗り、オレの顔を舐めてきた。
.......という事で、オレはリルに顔を舐められて起こされた。
オレ:「リル......おはよう...... トイレか?」
と言いながら、時計を見る。
5:30、まぁそろそろリルはトイレの時間だろうな。
オレ」「ちょっと待ってな...... 今起きて着替えるからな......」
そして数分後、オレ着替えてリルを連れ、部屋を出た。
リビングの横を通ると、浮島さんがメイドさんに朝食の指示をしている姿が見えた。
オレは、リルと散歩に行く事を浮島さんに伝えようと、リビングへ入った。
オレ:「浮島さん、おはようございます。」
美幸:「あっ......信也様、おはようございます。早いのですね。」
穏やかな笑みを浮かべて浮島さんはオレの顔を見た。
オレ:「やぁ、リルのトイレは必ず散歩時ですからね......
トイレを作った事もあったんですが、結局は外でしたよ。
それで、毎日この時間頃に起こされて散歩とトイレ......
という感じなんです。」
美幸:「そうでしたか...... 眠くはないのですか?」
オレ:「やぁ......眠いですよ......
でも、可愛い妹の為だからしょうがないかな......
それじゃ、いってきます。」
美幸:「あっ、いってらっしゃいませ。」
という訳で、オレはリルを連れて散歩に出た。
そう言えば......今日は久し振りに白い犬との夢を見たな。
リルのようでリルではないんだよな.......やっぱり.......
昔、こうして一緒に遊んだ......か......
あの子とも何処かで会ってた......って事だよな......
......思い出せそうで思い出せない......
あの子の名前は何て言うのかな......
リルが歩いているのを少し離れた所で見ながら、今日の夢の事を思い出す。
リルのようでリルではない真っ白な犬。
あの子の姿を思い浮かべながら、オレはそんな事を考えていた。
すると、何となく「私にも名前を付けてくれたら嬉しいな......」
という声が後ろから聞こえたような気がした。
オレ:「......?」
後ろを振り向いても誰も居ない。
でも、声はあの夢の子の声のような感じがした。
オレ:「......名前......か......
今度、夢で会えたら名前をつけてあげないとな......」
オレがそう呟くと、「うん!」とまた元気な声が聞こえた気がした。
オレも少し嬉しくなりながら、あの子の名前を考え始めた。