第二六話:妹犬と狭山さんと浮島さん
やぁ......
最近飲んでいる薬の影響なのか、全身に発疹が......
痒くてたまらんです......
それと、チョット色々用事がある事も重なり、
GW中は更新しない可能性もありますので、
ご了承くださいませ。
第二六話:妹犬と狭山さんと浮島さん
オレの膝の上に乗るリルを恨めしそうにみやる狭山さんと浮島さん。
......何をそんなに張り合っているのだろうか......
美紀:「う〜っ......リルちゃんばっかりズルイよぉ......」
オレ:「......は?
美幸:「信也さまっ! 私も抱きしめて欲しいですっ!」
オレ:「......へ?」
狭山さんはオレの手を掴み、浮島さんはオレの腕を抱きしめてそんな事を言い出した。
.....やっ......これはどういう意味でしょうか......
玲子:「おっ、浮島さん猛アタックだ〜!
美紀も負けてられないわよっ!」
美紀:「私も撫でてっ!抱きしめてっ!」
狭山さんまで.......
オレ:「あのぉ...... これはどういう状況なのでしょうか......
誰か説明をお願いしたいのですが......」
オレの言葉を聞いて、相沢さんが大きく溜め息を吐き、少々イライラしながら
こう話し始めた。
香織:「本っ当に唐変木な方ですわね......
言葉を聞いて分かりませんのっ!?」
オレ:「やぁ、言葉を聞いてと言われても......
リルみたく抱きしめたり撫でて欲しいって.......
......もしかして......」
と、オレが「もしかして」という言葉を出した途端に、狭山さんと浮島さんが息を飲む。
オレ:「もしかして、オレの妹になりたいって事?」
オレの言葉を聞いてみんながズッコケた。
やぁ......オレも半信半疑なんだから、そこまでズッコケなくても......
その後、狭山さんと浮島さんは双方目線で会話をした後、双方頷き、
美紀&美幸:「信也君のイケズ〜!」
......と言いながらオレの左右の頬に顔を近づけて......
と、そこで、リルが「ウゥ......」とまた唸り出した。
リルを見ると、少し怒っているようだ。狭山さんと浮島さんは、
今度はリルに睨みを入れている。
......何つうか......4角関係?
リルは狭山さんと浮島さんに向かって唸ったまま、狭山さんと浮島さん
はリルを睨み付けたまま......
オレ:「リル〜、どうした〜? 何怒ってるんだ〜?」
オレがリルにそう声をかけると、リルは一度大きく「ワン!」と吠えたあと、
オレの顔を舐め始めた。
オレ:「こらこら、リル、甘えん坊だなぁ〜......」
......と頭を撫でようと思ったが両腕を未だに狭山さんと浮島さんが占拠している。
......オレはこの状況はどうすれば......
ふとリルが顔を舐めるのを止めたので、周りを見ていると、勇次はニヤニヤと、
水沢さんと相沢さんは少々困った顔をしてオレ達の様子を見ていた。
玲子:「とりあえず......リルちゃんをどうにかしないといけないっぽいわね......」
香織:「そうですわね......」
勇次:「とりあえず、誰かが散歩に連れて行けばいいんじゃないか?」
勇次、ナイスタイミング! これでオレが逃げられる。
オレ:「......あっ、そろそろトイレの時間だから、リルを......」
香織:「それでしたら、私と玲子さんで行ってきますわ。」
玲子:「そうね、それがいいわ! ナイス勇次!」
勇次:「まぁ、夜だからオレも一緒について行くよ。」
玲子;「うん、よろしく〜!」
......と阻止された。
勇次は水沢さんに親指を立てて合図を送ってた。
......オレに味方は?
......という訳で、リルは「トイレに行こうか」という言葉に釣られて
出て行ってしまった。
そして、狭山さんと浮島さんとオレの3人は、さっきの体制のままソファーに座っている。
......気まずいというか何と言うか.......
結局、そのままリル達が戻ってくる30分ほどの間、オレ達3人はそのままの体制
でソファーに座ったままだった。
オレはリルが戻ってきたので、リルを連れて部屋にもどったのだが、
その後、狭山さんは水沢さんに怒られていた。
玲子:「せっかくリルちゃんを放してチャンスを作ったのに、何やってるのよ〜!」
美紀:「だってぇ...... 信也君を抱きしめてたら幸せな気分になっちゃってぇ〜......」
「えへへ」と笑う狭山さんに何も言えなくなり、水沢さんは「全くこの子は......」
と言いながら溜め息をついた。
そして、浮島さんも相沢さんに怒られていた。
香織:「浮島さんっ! 折角私がリルちゃんを信也さんから放したのに、
何故何もしなかったんですのっ!?」
美幸:「もっ、申し訳ございません、お嬢様っ!
いざとなったら何も言えなくなってしまいまして......
それに、初めて信也様を抱きしめる事ができて幸せな気分に......」
.....と、何気に機嫌が良さそうな顔をしているので、相沢さんも何も言えなくなった
のだった......
勇次はそんな4人の姿を見ながら、「まぁ、こんなもんだろう......」と
少々呆れながら溜め息を吐き、少し悲しそうな顔をしながら、
勇次:「あいつは.......好かれるのに告白されないヤツだからな......」
と呟いた。