第二五話:妹犬はやっぱりオレの妹
第二五話:妹犬はやっぱりオレの妹
みんなに詰め寄られるオレ......
狭山さんと浮島さんは更にオレに近づく。
もう、抱きつかんとばかりに......
......えっと......オレはどうしたらいいのでしょう.......
困り果てているオレの気持ちを知ってか知らいでか、リルは「ウゥ〜......」
と低く唸り始めた。
リルの方を見ると、何気に怒っているっぽい。チョット歯を剥き出している。
そのリルの姿に少々たじろぐ狭山さんと浮島さん。
オレ:「よしよしいい子だ、リルは困ってるお兄ちゃんを助けてくれるのか?」
そう言いながら、オレはリルを抱きしめ、頭を撫でる。
すると、リルはいつものリルの顔になった。
美紀:「......なんかズルイ......」
美幸:「......信也様のイケズ......」
そして、狭山さんと浮島さんはオレとリルを恨めしそうに見る。
オレ:「まぁまぁ、ここはリルに免じてみなさん落ち着いてくださいな。」
オレはリルの頭を撫でながらみんなに向かってそう言ったのだが、
玲子:「アンタが言うか〜!」
香織:「信也さん? この件は後でしっかりとお話しましょうか?」
美紀:「今日と言う今日は逃がさないんだからね!」
美幸:「信也様っ! 私の思い、感じてくださいませ!」
オレ:「......はぁ......」
一体オレが何をしたのだろうか......
いつも通り、普通に過ごしているだけなんだが......
そんな姿を少し離れていた所から見ていた勇次は、
勇次:「何気にレアな信也の姿ゲット!
こりゃ、後でいいネタになるな!」
......それなりに楽しんでいたようだ。
そして、みんなはリルに向かって
玲子:「リルちゃん、お兄ちゃんいじめてごめんね〜」
香織:「リルちゃんにはやっぱりお兄ちゃんが一番なのね〜......
少し寂しいですわ〜......」
美紀:「でも、お兄ちゃんも悪いんだぞ〜?」
美幸:「私も慰めて欲しいですわ......」
と話しながら、リルを撫でた。
リルはさっきと雰囲気が違う事を理解しているのか、さっきとはうって変わって
嬉しそうな顔をして撫でられていた。
そして、悲しそうな顔をしている狭山さんと浮島さんの顔をペロっと舐めてた。
その表情は、慰めているようだった。
狭山さんと浮島さんは、
美紀:「リルちゃ〜ん! お姉ちゃんは嬉しいよ〜!」
美幸:「リルちゃん...... 慰めてくれるのですね......」
と、少し笑顔になってリルを抱きしめた。
リルはやっぱりみんなをちゃんと見てくれてるんだな......
オレ:「リルはいい子だな。」
と、オレは呟きながらリルの頭を撫でた。
リルはオレに嬉しそうな顔をオレに向けた。
その日の夜の食事の後、リビングでみんなで寛いでいた。
えっ? 食事はどうだったか?
食事はそれなりに普通だったよ。 これはかなり安心した。
だって、テーブルマナーとか言われると大変じゃん?
まぁ、洋食で色々出たのは出たけどね。 でも、畏まって食べる必要のないものを、
相沢さんが気を利かせて用意してくれてたらしい。
とにかく、これはホントに安心したよ。
そんな食事が終わってみんなで寛ぎながら談笑していた中、「そういえば.......」
と相沢さんが横に居るリルを撫でながら声を上げた。
そこで、みんなの視線が相沢さんに向く。
......何だか、いきなり空気が不穏になったんですが......
狭山さん、浮島さんはチョット真剣な顔になり、相沢さんと水沢さん
はチョット楽しそうな顔をしている。
そして......勇次が一番楽しそうにニヤニヤとした顔をしていた。
......この空気は......ほんの少し前に感じた空気だぞ?
......やばいな......これは逃げるべきだ。
オレ:「あ、オレはそろ......」
勇次:「お〜っと、信也ぁ......何処に行こうというのかな?」
......勇次に止められた。
そして、狭山さんが右から、浮島さんが左から、オレの腕を抱きしめ、
美紀:「信也君っ!」
美幸:「信也様っ!」
とオレの顔を見た。
......あの.......もしもし? ......これはどういう状況なのでしょうか......?
......と、そこでリルがオレの方に歩いてきて、「ウゥ......」と低く唸った。
その姿を見た狭山さんと浮島さんはオレの腕を放し、オレの横に座ってリルの方を見た。
リルはそれで満足したのか、オレの膝の上に座りオレの顔を舐め始めた。
オレ:「リル、ありがとうな〜」
オレはリルに声をかけながらリルの頭を撫でた。
狭山さんと浮島さんは、そんなオレとリルの姿を見ながら、
美紀:「やっぱり、リルちゃんが一番のライバルだよぉ......」
美幸:「これは敵いませんわ......」
と呟き、大きく溜め息を着いて肩を落とした。