第二三話:妹犬と旅行に行く(その2)
第二三話:妹犬と旅行に行く(その2)
......という訳で、相沢さんの那須にある別荘に到着。
そして、リムジンから降りて別荘を見る。
......何というか......お金持ちは凄い......
縦長でテーブルやテレビ、冷蔵庫まであるリムジンだけでも物凄いのに、
この別荘って......普通の家よりも大きくて、しかも庭も物凄く広い......
美紀:「うわ〜っ! 凄い凄い凄い凄い凄い〜!」
玲子:「うっわ〜......まさかここまでとは......」
勇次:「何つうか......別世界?」
オレ:「......何気に物凄い人と友達になったな、オレ等......」
狭山さんは飛び跳ねて大喜び、その他のオレを含めた3人は唖然としていた。
やっぱり、狭山さんは度胸があるというか何というか......
あ、天然なだけか......と納得できないな、ここまで来ると......
そんなオレの、狭山さんに向ける視線を水沢さんは気付き、オレのこう話しかけてきた。
玲子:「なになに? 美紀の方をずっと見てどうしたのよ?
もしかして、美紀に惚れた?!」
勇次:「お? いい傾向じゃないか!」
美紀:「えっ、ホント?!」
美幸:「しっ、信也様っ! 信也様は美紀さんを選ぶのですかっ?!」
水沢さんは何気にニヤニヤと、勇次は少し満足そうに、狭山さんは嬉しそうな目線を、
そして浮島さんは少々不安な目線をオレに向けた。
オレ:「や......なんと言うか......」
やぁ......正直に答えたら凹むかなぁ......狭山さん......
何気にみんなの目線が痛い......
香織:「みなさん、何をしていらっしゃいますの?!
そろそろ荷物を別荘に持って行きましょう!」
オレ:「あっ、あぁ、そうだな。 よし、荷物運ぶべし!」
玲子:「逃げた......」
勇次:「逃げたな......」
美紀:「信也君のイケズ〜......」
美幸:「信也様......」
ええい! 聞こえんっ!
とりあえず、相沢さんはリルを連れて歩いてくれているので、オレ達は自分の荷物
を持って別荘の中に入った。
......外から見ても凄かったけど、中も凄いなぁ......
とりあえず、もう驚くのにも疲れたから、『こういうものだ』と認識しよう、うん。
オレ:「とりあえず、オレ達の部屋は何処になるんですか?」
オレが相沢さんに向けて声を掛けると、相沢さんは浮島さんに目配せをして、
浮島さんが頷いてオレの質問に答えてくれた。
美幸:「では、みなさん、こちらへどうぞ。」
......という訳で、オレ達は浮島さんに着いて部屋へ向かった。
とりあえず、部屋は普通だった。実際の所、かなり安心。
部屋が広過ぎたら色々と落ち着かないからなぁ、マジで......
でも、一人一部屋なのは凄いな......オレはてっきり、勇次と相部屋
だとばかり思ってたよ。
荷物を置いて部屋を出ると、浮島さんが部屋の前へ立っていた。
美幸:「みなさんが揃いましたらリビングへ案内いたします。」
オレ:「あっ、よろしくお願いします。」
オレが出てきた後に勇次や水沢さんや狭山さんも出てきて、みんなでリビングへ向かった。
.......うん、もう驚かないぞ。
凄いのは分かってるんだから、その辺りは無視しよう。
とりあえず、オレ達がリビングへ入ると、相沢さんがリルを横に座らせて寛いでいた。
リルは何気に相沢さんに思いっきり懐いている気がする。
チョット悲しいぞ、お兄ちゃんは......
......な〜んて事を考えていたら、リルがオレの方に歩いてきた。
そして、後ろ足で立ってオレの手を軽く噛んできた。
オレ:「リル〜、相沢さんの横で寛いでる姿を見て
ちょ〜っと寂しかったぞ、お兄ちゃんは......」
と言いながら、リルを抱きしめて頭を撫でて、頭にキスする。
すると、リルはそのオレの思いに答えるようにオレの顔を舐めてきた。
オレ:「あ〜っ、やっぱり可愛いな〜、リルはっ」
とりあえず、リルはオレの事を忘れている訳ではないという事を感じられて
安心してしまった。
そんな姿を見ていたみんなは、
玲子:「ほ〜んと、リルちゃんの事となると途端に性格変わるわよね〜......
どっちが地なのかしら......」
勇次:「だな...... 何気にコッチが地なんじゃないか?
家族には甘いんだろ、多分。」
美紀:「ちょっとリルちゃんに嫉妬......」
美幸:「あぁ、信也様っ...... 笑顔が素敵です......」
香織:「リルちゃんもやっぱり信也さんが一番なのですね......」
......と、それぞれの感想を呟いていた。
いいじゃないか! 可愛い可愛い、オレの運命の下で結ばれた、
大切な妹なんだからさっ!
オレ:「......何とでも言ってくれ......」
少し憮然としながらそう呟くと、リルが再びオレの顔を舐めて、
それで結局また笑顔になるオレだった。