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第二一話:妹犬と兄バカの写真のその後

第二一話:妹犬と兄バカの写真のその後



リルが来てから何気に色々と変わってる気もする。

でも、それは決して悪い変化ではない。


前回の相沢さん達が撮った写真はクラスのみんなにも人気があったらしく、

かなりの勢いでクラスの中に浸透し、そのまま同学年にまで行き渡った......

......と、狭山さんから聞いている。

水沢さんの話では、最近は少しづつ別学年にまで渡り始めているのだとか.....


まぁ、リルの写真だけならいいさ......みんな可愛いって言ってくれてるみたいだし。

......と思っていたのだが、最近ちょっと女子の様子がおかしい......というか、

最近は女子から声を掛けられる頻度が多くなってきた気がする。

しかも、別クラスや別学年の全く知らない女子から。

最初は、

女子:「信也く〜ん! リルちゃん可愛いね〜! また写真もらうね〜!」

みたいなのだったので、まぁ、「リルの人気は凄いなぁ......」と思ってたのだが、

少しづつ、かけられる声が変わってきている。

チョット前には、

女子:「信也く〜ん! 信也君と一緒のリルちゃん、物凄く可愛いね〜!

    また写真もらうね〜!」

......と声を掛けられた。

......ちょ〜っと待とうか? 相沢さん? 水沢さん? 狭山さん?

何でオレと一緒の写真が出回ってるのかな?

......と、彼女等に聞いた所、

香織:「だって、信也さんと一緒のリルちゃんが一番可愛いんですのよ?」

玲子:「そうそう、信也が『可愛い顔して〜』って声を掛けた時の写真もいいけれども、

    信也が傍にいる時の写真が一番生き生きしてて可愛いんだもん、ね〜!」

美紀:「うんうん、信也くんに甘えるリルちゃん、もうトロトロになっちゃう位

    に可愛いよ〜!」

......との弁だった。

オレは「オレの顔にモザイク入れるか、オレの部分を消してくれ」と言ったが、

「それじゃぁ雰囲気が台無しでしょ?信也が一緒だからいいのよ」と即断られた。

......という訳で、オレと一緒の写真が出回っているのを黙認するしかないらしい。

......というか、前回オレが写真を自分の写真をバラ撒かれないように言っておくべき

だったのだろうな、やっぱり......


そして最近は、

女子:「信也く〜ん! リルちゃんと一緒の信也くんって凄くいい顔してるよ〜!

    写真撮らせて〜!」

......と声を掛けられる。

......や、ちょ〜っと待とうね?

何で写真のターゲットが、リルからオレになってるのかな?

再び、相沢さん、水沢さん、狭山さんに聞いてみた。

香織:「あぁ、その事ですの...... 貴方も気付くべきですわよ? 自分の魅力に。」

玲子:「実は、何気に美紀が信也君だけの写真を何枚も撮っててね、

    それも最近放出してるみたいよ?」

美紀:「信也くんが怖がられてるのが少し和らげば......って程度のつもりだったのに、

    なんだかホントに信也くんだけでも人気が出てきて、少し後悔してます......」

や、その前に、それは見せるだけで良かったのでは?

オレだけの写真がそんなに出回るって何で?

3人には「国宝級の鈍さね」と言われた。

......何だか納得いかないなぁ......


ついでに勇次にも聞いてみた。

勇次:「......嫌味か?」

と真顔で答えられた。お前は彼女(水沢さん)が居るんだから気にする必要ないじゃん?

と言うと、「モテモテが羨ましいのは変わらんぞ?」と返された。

......あれをモテてるとは言わないと思うのだが......

それよりも、水沢さんに「勇次には浮気癖があるかもよ?」と進言してやろうか......

と少し考えたが、まぁ、その必要は無いだろう。

あの水沢さんに手綱はしっかりと握られてるからね。


リルが来てから、ホントに色々な事が変わったって思う。

でも、それは決して悪い変化ではない......と思いたい。

A子:「キャ〜っ! 信也く〜ん!」(手を振りながら)

......でも、それは決して悪い変化ではない......のだろうか......

B子:「信也く〜ん!」(オレが声の方向に首を向けると、オレに手を振って走り去る。)

......でも、それは決して悪い変化ではない......って考えていいのだろうか......

C子:「信也く〜ん! 信也君は2年生のアイドルだよ〜!」

......最近、どういう反応をすればいいか分からなくなって来た......

......というか何だよ? アイドルって......

......少し、精神的な負担が増えた気がするなぁ......

怖がられていた頃の状態はやはり気楽だったな......

......と、昔を懐かしみながら渡り廊下で涼む。

女子:「キャ〜っ! 信也く〜ん!」(手を振りながら)

......疲れるな、やっぱり.......

これは、絶対にモテてるとは言わないだろ......

それに、マトモに話をしている女子は相沢さんが加わっただけで、

人気が出たとか怖がられなくなったと言われながらも、特に変化無いからなぁ......

......と、何処までも唐変木な信也だった。


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