第一話:妹犬との出会いの前触れ
さて、第一話です。
まだ妹犬は出てきませぬ......
早く妹犬を出さないと......とか思うんだけどね。
第一話:妹犬との出会いの前触れ
高校2年の春の日、もうそろそろ夏も近いな......と思う今日この頃.......
オレ達家族が東北から関東に引っ越して、早くも1年。
関東での暮らしと今の家(新築の一軒家)での暮らしに慣れた頃、
唐突にお袋がオレ達に一つの提案をした。
お袋:「ねぇ......母さんは昔っから犬が好きなのは知ってるわよね?」
オレ:「うん、言ってたね。昔、実家では犬を飼ってたんでしょ?」
お袋:「そうそう、そうなのよ......
でね、今まではアパート住まいだったけれども、今は一軒家でしょ?
犬が飼いたいな〜......なんてね〜......」
.....と、夢見がちながらも、絶対に犬を飼いたい......みたいな強い視線
でオレや親父や兄キを見る。
親父は、お袋の言葉を聞きながら少し眉をへの字に曲げ、「う〜ん.....」と唸った。
親父:「まぁ......母さんが犬好きなのは昔から知ってたし、一軒家に住んだら
飼ってもいい......なんて言った事も昔あったからなぁ.......
でも、父さんは犬はチョット苦手なんだよなぁ......」
と、言いながら頭を掻く。
そんな姿を見た兄キが、お袋の為に助け舟を出した。
兄キ:「や、まぁいいんじゃない?オレも信也もお袋が犬好きなのは知ってたし、
お袋の昔っからの夢だったじゃん?
それが叶えられる場所に住んでるんだし、ちゃんと選んで飼えば、
そうそう変な犬を飼う事にはならんでしょ。」
兄キは、あまり関心の無い顔をしながらも、お袋の気持ちを察して、飼う事に賛成
してくれた。
親父は、お袋の喜々とした顔と兄キのどうでも良さそうな顔を見ながらも、
まだ結論を出せずにいるらしい。
オレ:「なぁ、親父...... 何で犬が苦手なんだよ?」
オレがそう聞くと、腕組をしながら右上を見て、溜め息をつきながらこう話した。
親父:「やぁ......ガキの頃な、近所の犬に、お尻をガブリと......噛まれた事
があってな......嫌いじゃぁないんだが、どうも、犬を見るとあの頃の事
を思い出してしまってなぁ......」
オレ:「あぁ.......なるほどねぇ......」
お袋:「......」
兄キ:「......」
その言葉を聞き、半分トラウマなのか......と考えながらお袋を見た。
お袋は、「夢が叶うかも!」という顔だったのが、一気に「ダメかしら......」
という顔に変化しており、チョット可哀想だ。
これは助け舟を出さねば......と思案しながら、親父を見た。
親父は相変わらず渋い顔をして、まだ「うん」とは言ってくれなさそうな気配。
......と、そこで兄キが声を上げる。
兄キ:「まぁ、そういう事があったのは分かるけどさ、別に嫌いじゃないんなら、
飼ったって問題ない訳でしょ?」
その声を聞き、親父は「まぁな......」と小さく返事をする。
「もしかして、これはもう一押しか?」と思い、今度はオレが親父に声をかける。
オレ:「じゃぁさ、オレとお袋で面倒見るからさ、頼むよ。」
オレの声にお袋が再び嬉しそうな顔をして、
お袋:「私と信也がちゃんと面倒見るから、お願いっ!」
と、両手を合わせて拝むように親父に頼み込んだ。
そこで、親父は少々困った顔をしながらも、
親父:「......オレは何もしないからな。母さんと信也がちゃんと面倒を見るんだぞ?」
と、やっと飼う事を認める返事をしてくれた。
お袋は、親父のその言葉を聞くと、本当に嬉しそうに、
お袋:「ヤッタ〜! お父さん、ありがとうね!」
とお礼の言葉をかけた。
オレは、お袋のそんな姿を見ながらも、「オレも犬好き......というか動物は全般的
に好きだし、楽しみだな......」と考えていた。
以上、第一話、妹犬との出会いの前触れでした。
まぁ、この辺りもオレの家族の実際の事に近いかもですよ。
出会うまでの間とかは、どうしても妹犬との出会いの事が大きくてね〜......
妹犬と出会ってからのエピソードになるまでは、こんな感じだと思うので、
あまり面白くはないかもですが、よろしくお願いいたしまするよ。
とりあえず、この一家の苗字は藤崎家、主人公の高校生の名前は信也といたしまする。
が、主人公の苗字や名前は殆ど出てこないでしょう......
更に、多分、親父、お袋、兄キは名前も出てくる事はないかな......