表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/103

第十七話:妹犬と兄バカの遊んでいる最中の出来事

第十七話:妹犬と兄バカの遊んでいる最中の出来事。



みんなと共にリルを連れて公園に来たオレは、

オレ:「リル、遊ぼっか!」

とリルに声をかけた。

すると、リルは前傾姿勢になって嬉しそうな顔をする。

オレがリルに駆け寄ると一度逃げ、円を描きながら走ってオレの方に向かってくる。

そして、オレの方に来ると、オレの袖や指を噛んで「ガウガウ!」と吠える。

そして、オレが捕まえようとすると逃げる.....の繰り返しだ。

勇次:「......あれって遊んでるのか?」

玲子:「......何気に袖とか指とか噛まれてるんだけど......」

美紀:「......信也君も凄いね......あんな遊び方するんだ......」

香織:「......可愛くてもやっぱり怖い面はありますのね......」

美幸:「......信也様......楽しそうですわ......素敵です.......」

その時、美幸の言葉を聞いた全員が美幸を見た。

美幸は片手を頬に当て、片手の指を唇に当てていた。

そして、それを見ていた他のメンバーは

美紀:「......(もしかして、ホントにライバル発見?)」

玲子:「......(もしかしなくてもそうじゃない?)」

香織:「......(そういえば前回の時も今日来る時もこの方は......)」

勇次:「......(突っ込むべきか?)」

と小声で話した。


美幸はみんなの視線を感じて、自分が心の中で話していたつもりの言葉

を口に出ていた事に気付き、みんなの顔を見ながら、

美幸:「はっ! なっ、何でもありませんっ!

    それより、リルちゃんと信也様が戻って来られますわよ?!」

と、自分に向けられている視線を信也とリルに向けようと話を振った。

が、信也とリルはまだ遊んでいる。

みんな一瞬そっちに目を向けたが、直ぐに美幸に視線を戻した。

香織:「なるほど......やっぱりそういう事でしたの......」

玲子:「美紀っ! 負けちゃダメよ?!」

美紀:「うんっ! 頑張るっ!

    浮島さん、負けないんだからっ!」

美幸:「そっ! そんなっ......わっ......私はっ.......!」

勇次:「バレバレだよ、浮島さん。

    まぁ、信也は年上とか年下には結構普通だから、アドバンテージはあるかもよ?」

美幸:「そっ! それは本当ですのっ?!」

美紀:「そっ! そんな〜っ! もしかして信也君って年上好き?!」

美幸と美紀は勇次の言葉を聞いて勇次に詰め寄る。

勇次は「言わなきゃ良かったかな......」とか思いながらも、言ってしまったのだから

しょうがいなと思いながら答えた。

勇次:「やっ......信也は年上好きとかそういうのじゃなくてな、同年代の女子には

    かなり警戒心が強いんだよ。」

美紀:「......どうして?」

勇次:「アイツが言うには、同年代の女子と話しているのがナンパみたいで嫌なんだとさ。

    歳が離れていれば恋愛感情も何もある訳がないって事なんだろうな。」

美幸:「......それはアドバンテージがあるとは言えないのでは.......」

勇次:「警戒心が薄いから、その分最初から普通だろ?」

美幸:「......そういえばそうですわね......」

勇次:「でもまぁ、その分、美紀はクラスメイトで友人ってアドバンテージもあるし、

    50:50(フィフティー:フィフティー)だろ?」

そんな勇次の言葉を聞いて、美紀と美幸は

美紀:「......強力なライバル出現っ! 絶ぇっ対に負けないんだからっ!」

美幸:「......わっ、私も負けないですわっ!」

......と、オレの居ない所で、視線の間で火花を散らしていた。

そんな美幸の姿を見ていた香織は、

香織:「......仕方がありませんわね......

    今後、私がリルちゃんに会いに来る時、必ず同行なさい。

    私がリルちゃんと遊んでいる間、信也さんを連れまわす事を命じますわ。」

美幸:「......お嬢様っ! ありがとうございますっ!」

美紀:「むぅ〜っ!」

玲子:「ほらほら、美紀っ。美紀の応援は私達がするからっ!

    諦めちゃダメよっ?!」

勇次:「まぁ、友人だしな。」

美紀:「玲子ちゃん、勇次くん、ありがとう〜っ!

    私しゃ、いい友人を持って幸せだよ〜っ!」

その後、改めて美紀と美幸は握手を交わしながらお互いを睨みつけて、

お互いの目線の間に火花を散らしていた。


そんな事があった事など知らないオレは、リルを抱きしめて頭を撫でてから、

みんなの所に戻った。

リルは嬉しそうにオレの方を見ながら、オレの左側を歩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ