第十五話:妹犬、兄のクラスメイトの評判になる(3)
第十五話:妹犬、兄のクラスメイトの評判になる(3)
信也の携帯電話を抱きしめながらモジモジする香織を見ていた勇次が、
勇次:「コッチにも性格変わってるのが居るぞ〜......」
と、玲子と美紀に話しかけた。
玲子:「......相沢さん......なに信也の携帯電話を抱きしめてモジモジしてるの?」
美紀:「......新たなライバル発見!」
美紀は香織を指指した。
香織:「なっ! ちっ......違いますわよっ! そうではなくて......
リルちゃんが可愛くて可愛くて.......私も会ってみたいなって......」
勇次:「なら、今度の日曜日、オレ達と一緒に信也の家に行くか?
その後、オレ達は街に遊びにいくけど。」
香織はオレの携帯電話を抱きしめながら、
香織:「えっ?! よろしいんですの?!」
とオレに聞いてきた。
オレ:「ん? いいけど? リルを可愛いさを分かってくれるのはオレも嬉しいからな。」
香織:「それでは是非っ!
カメラマンを連れて参りますわっ!」
玲子:「......カメラマンって......」
美紀:「あっ、撮った写真は私にも頂戴ぁ〜ぃ?!」
香織:「勿論、宜しいですわよ?
とびっきり可愛いリルちゃんの写真を撮らせてみせますわっ!」
何気に燃えている香織だった。
美紀:「あっ、この携帯電話の写真、私にもらえる?」
オレ:「あぁ、いいぞ。ちょっと待ってな.......
......あっ、相沢さん、携帯電話返してもらますかい?」
香織:「......えっ? えぇ......」
少し躊躇いながら、相沢さんはオレに携帯電話を返してくれた。
そして、オレは鞄からPDAを取り出し、携帯電話からmicroSDカードを取り出して、
PDAにリルの写真をコピーした。
オレ:「狭山さん、ちょっと携帯電話貸してもらえる?」
美紀:「えっ? どうするの?」
オレ:「写真欲しいんでしょ?」
美紀:「うん......でも何で携帯電話出すの?」
オレ:「データをコピーするからさ。」
美紀:「えっ?写メじゃないんだ?」
オレ:「面倒臭いだろ、それだと......」
そう言いながら、オレは美紀から携帯電話を受け取った。
携帯電話にはmicroSDカードが入れられるタイプだったので、そのままmicroSDカード
を入れてコピーすればいいものだった。
......PDA使わなくて良かったんじゃん......
オレはリルの写真をコピーして狭山さんに携帯電話を返した。
オレ:「はいっ、写真コピーしたよ。」
美紀:「ありがとう〜! う〜ん! リルちゃん可愛いっ!」
美紀は自分の携帯電話に表示されるリルの写真を見てから携帯電話を抱きしめ、そう話した。
リルが可愛いって言われるのはやっぱり嬉しいな......
そんなやり取りを見ていた相沢さんがオレに話しかけてきた。
香織:「あっ、あのっ! 私もリルちゃんの写真を貰ってよろしいでしょうかっ?!」
オレ:「いいよ? 携帯電話貸してもらえる?」
相沢さんの携帯電話はminiSDカード式の少し古いタイプだった。
オレは、持ち歩きのminiSDカードをPDAに取り付けてコピーし、miniSDカード
を相沢さんの携帯電話にセットしてリルの写真をコピーした。
オレ:「はい、どうぞ〜」
香織:「あっ、ありがとうございますっ!」
香織は美紀のように早速自分の携帯電話に表示されるリルの写真を眺めた。
香織:「かっ、可愛いですわっ! 何て可愛いのかしら......
あぁ......リルちゃんに会う日が待ち遠しいですわ......」
狭山さんは何気に夢見心地だ。
リルが気に入られるのはやっぱり嬉しい。 何て言ったって、自慢の妹だからな。
そんなオレ達を見ていたクラスメイト(女子)
A子:「ねぇねぇ...... 藤崎君......さっき笑ってなかった?」
B子:「まっさかぁ〜!」
C子:「だよね〜...... 何かのみ間違いだよね〜.....」
A子:「でも、相沢さんとも何気に楽しそうに話してるよ?」
B子:「それもそうね......」
C子:「後で相沢さんに聞いてみましょっか。」
A子:「そうね、それがいいわね。」
B子:「うんうん! それがいいわね!」
その後、オレが相沢さんにあげた写真がクラスの女子の中で評判になり、
いつの間にかクラスの女子全員がリルの写真を持っているようになっていた。