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第百話:妹犬達との最後の挨拶

すいません、最終話の更新を間違えてしまいました。


第九九話とエピローグの間にもう一話追加になりまする。

第百話:妹犬達との最後の挨拶



火葬が終わった後、リルの遺骨は骨壷に入れ、みんなと別れて自宅に持って帰った。

お袋が、

母親「リルは寂しがり屋さんで甘えん坊だから、みんなの見える場所においておきましょう?」

と言ったのだ。

勿論、みんなその事に対して反対はしなかった。むしろ、みんな大賛成だった。

家に持ち帰った後、リルの遺骨を家の居間に置き、その前にはリルの写真を飾った。

オレ「リル、ここならみんなが見えるから寂しくないよな?」

そう言い、リルの写真を見ながらリルの遺骨の入った骨壷を撫でた。



その日の夜、リノと......リルの......夢を見た。

リノ「お兄ちゃん!」

リル「お兄ちゃ〜ん!」

リノとリルは嬉しそうにオレに駆け寄ってきて、オレに飛びついた。

オレ「リノ......リル......」

オレはリノとリルを思いっきり抱きしめ、頭を撫でて頭にキスをした。

リノ「お兄ちゃん、私との約束を守ってくれて、ありがとう......」

リル「お兄ちゃん、私はお兄ちゃんの出会えて幸せだったよ?」

オレ「リノ......リル......

   お兄ちゃんもお前達と出会えて幸せだったよ。

   ホントはもっともっと、お前達と一緒に居たかったよ。」

オレはそう言いながら、再びリノとリルの頭を撫でてキスをした。

リノ「お兄ちゃん! 大好き!」

リル「お兄ちゃ〜ん! だいだいだ〜い好き!」

オレ「お兄ちゃんもお前達のことが大好きだよ。

   大切な大切な妹だ。それはこれからも変わらない。

   ずっとずっと、お前達の事はわすれないからな。」

リノ「うん! 私もお兄ちゃんの事を忘れないよ?

   だって、お兄ちゃんと出会えて幸せだったもの!」

リル「私も、お兄ちゃんと出会えて幸せだったもん!

   だから、ずっとずっと、お兄ちゃんの事を忘れないからね!」

オレ「うん、大好きだよ。」


そこでリノとリルは少しオレから離れた。

リノ「そろそろ......行かないと......」

リル「うん......寂しいけど......ね......」

オレ「......そうか......そうだよな.....」

オレは、少し震えながらリノとリルに聞いてみた。

オレ「なぁ、リノ......リル......

   また、会えるよな? オレはまたお前達に会いたいって思ってるよ。」

すると、リノもリルも、嬉しそうに答えた。

リノ「うん! 私もお兄ちゃんと会いたい!

   だから、またいつか会おうね!」

リル「私もまたお兄ちゃんと会いたいっ!

   お兄ちゃんも忘れないで待っててね!」

オレはその答えが嬉しくて再度抱きしめた。

オレ「あぁ、絶対に忘れないよ!

   約束だからな! また会おうな!」

リノ「うん! お兄ちゃん大好き!」

リル「お兄ちゃ〜ん! だいだいだ〜い好きっ!」

そして、オレはリノとリルの頭を撫で、口にキスをした。

リノとリルは、オレの思いに答えるように、思いっきりオレの顔を舐めた。


そして、リノとリルはオレの前から去って行ったが、去り際、リノがこんな言葉を残して行った。

リノ「ねぇ、お兄ちゃん......

   私はお兄ちゃんと会って遊んだ事があるんだよ。

   お兄ちゃんは忘れちゃっているのかな.......

   思い出してくれたら......嬉しいな......」



目が覚めると、もう外は明るくなっていた。

時計を見ると、時間は7:00。そろそろ会社に行く支度をしないと......

そう考えながら、オレはベットから起き上がり、壁に掛けてあるリルの写真を見て、

オレ「おはよう、リル。」

と呟いた。


オレ「おはよう〜......」

母親「あら、おはよう、信也」

オレは居間に入って朝の挨拶をした後、真っ先にリルの遺骨の入った骨壷の前に立った。

そして、骨壷を撫で、その前に飾ってあるリルの写真を見ながら、

オレ「リル〜、おはよう〜」

と話した。



そんな事が続いたある日、オレはふと昔の事を思い出した。

......あれは......オレが小学校低学年の頃.......だったかなぁ......

冬だよなぁ......可愛くて真っ白な犬に出会って、毎日遊んだんだよな......

そうか......あれがリノだったんだな......

リノは、オレの事をずっと覚えていてくれて、オレの傍に来てくれてたんだな......


オレは空を見上げながら、

オレ「リノ......リル......

   また会おうな.......お兄ちゃんは待ってるからな......」

と呟いた。

きっと会える、オレにはそんな確信があった。

約束した事だけが理由じゃない。

きっと、オレとリノ、リルとの絆はこれだけで終わるものじゃないから。

どんな形になるかは分からない。

でも、また会える時の事をオレは信じられる。

だから、オレはその時を楽しみに待ってるよ。

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