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1学期中間試験開始

説明回&ギャグ回

7日間かけて行われる中間試験テストの内訳は、筆記試験2日間と対人戦闘試験が5日間だ。

初日の今日は1回目の筆記試験なのだが、ここ_私立東雲高校しりつしののめこうこうの筆記試験は、一般的な筆記試験とは一線を画している。


普通、中・高で行う試験の範囲といえば、最近授業で習ったところか、もしくは3年になると1・2年の復習も入ってくるぐらいの物であろう。

しかし、名門 私立東雲高校は違う。



個人の5教科に関する知識量=個人の魔力量、この図式が成り立つということはつまり、5教科に関する広く浅い知識を持とうが、深く狭い知識を持とうが、知識の総量が同じなら魔力の総量も同じなのだ。

人間、広く浅い知識と深く狭い知識ではどちらの方が身に着けやすいかと言えば、前者であろう。

世に出て役に立ちやすいのも前者であることが多い。



私立東雲高校はこの理論に従って試験を行う。

つまり、試験の出題範囲が異常に広い。

2日間に渡って行われる試験の内訳は

1日目…国・社・数・理・英の5教科 出題範囲…中学校3年間の全範囲

2日目…国・社・数・理・英の5教科 出題範囲…高校3年間の全範囲

となっている。

たった2日間の試験で6年分の全範囲の試験を行うのだ。

しかも2日目に行う試験の範囲は高校で学ぶもの。

3年はともかく1年は授業を1ヶ月ほどしか受けずに試験に望むのだ。

3年と同じ試験に。


1教科100点満点×5教科×2日間=1000点満点なのだが、1年で満点を取るような怪物(天才)は_1人しかいない。

まぁ察してくれ。ウチのチートである。爆散しろ。

1年は平均350点くらいで400いけば良い方である。


だがしかし。

チートに勝つには、400点などぬるいことを言っている余裕はない。

最低でも800点は取らねば。





謎の使命感に燃えながら私は今、初日1時間目の国語科の試験…+αと戦っている。


私は基本的には万能手型オールラウンダータイプであり、若干理系に寄っている。

1に数学、2に物理、3に国語に4に英語。…社会_特に地理は壊滅している(主観的に見て)

つまり国語は可も不可もなく、趣味が読書なので読み取り問題はちょっと得意、ぐらいである。


だから国語科、しかも中学校で習った範囲ならば問題は無いだろうと思っていた_ついさっきまでは。




試験が始まる直前。

水を打ったように静まり返っている教室。

1ーAの担任である小宮碧こみやみどりが問題用紙と回答用紙を粛々と配る。

黙々と後ろの席まで用紙を回し、チャイムが鳴るのを待つ。

そこまでは良かった、普通だった。

だがこの普通さは嵐の前の静けさだったと後に思い知る事となる。



試験開始(試合開始)チャイム(ゴング)が鳴るや一斉にペンを持ち、問題用紙の表紙をめくった。

その瞬間。

ピキッ

空気が、空間が、時が止まった。

そのまた一瞬後に無理やり我に返る。

(…これ(・・)は、何だ……?)

たかが15年しか生きてきていないが、こんな物は初めて見た。









問題用紙の表紙をめくり、目に飛び込んでくる問題達。

それらが印刷されていたのは、…ショッキングピンク(ラメ入り)の紙だったのだ。









自分だけかと思い、こっそり周囲を見回すと皆一様に愕然としていた。

そうか、これは局所爆撃いじめではなく無差別攻撃いやがらせだったのか。

…駄目だ、精神的なダメージが大きすぎる。



今は何とか立ち直り、問題達と戦っている。

が、1つ問題が発生する。

目が痛い。

もはやチカチカするとかそういうレベルでは無い。

脳裏にショッキングピンク(ラメ入り)が焼付く勢いだ。





だが、解かねばなるまい。

私はチートを超える!

その一念で解き進めた。







「…はいっ!そこまで。ペンを置いて下さい。」

試験官の言葉で机に突っ伏す。

(…つ、疲れた。)

地獄のような時間だった。

問題自体はそう難しくはなく順調に解き終えることが出来、見直す余裕もあった。

だが、問題はそこではない。




私は勉強はもちろん沢山してきた。

それに加えて、文武両道、才色兼備なチートに近づくために、あらゆるスポーツから俗に『自分磨き』と呼ばれる類のものまでこなしてきた。

だから、同年代の女子に比べて体力に自信はあった。



なのに何だこの試験は!

日帰りで富士山登山した時より疲れる試験って…。

多分この試験で使ったのは『体力』より『気力』だ。



「…滝行でもしようかな。」



精神修行をしようと誓った午前9時40分。

作者が実際に富士山登山をした時は一泊コースでしたが、高山病でダウンしました。

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