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短編つめあわせ

まるでヘドロのような暗黒の飲み物

掲載日:2015/06/27

 恋愛に挑戦してみました。限界でした。

 インスタントコーヒーをマグカップに入れます。

 耐熱グラスでも可。

 お好みで砂糖を入れます。


 レンジで1分から2分。


 牛乳を入れます。豆乳は筆舌しがたい味になります。

 低脂肪牛乳はちょっと負けますので、牛乳がベター。

 熱いのが好きなら、もう一度レンジへどうぞ。


 簡単ですね。カップしか汚れませんね。

 これが『まるでヘドロのような暗黒の飲み物』のレシピです。


 牛乳入れないと飲めたものじゃないんですけどね。

 お砂糖入れたほうが飲み物に近づきます。

 ストレート派の人は素直に普通に入れて下さい。


 インスタントコーヒーで作ってるんでコーヒーだと思うでしょ?

 でもこれコーヒーに似たなにかなんですよね。不思議。

 お湯でちゃんと作れば、インスタントコーヒーの味になるのにな。


 人に勧められる飲み物でもないです。

 妹や友人に作り方を教えたら、ありえないと言われたので。

 女子である事を否定されたので。

 人様には普通に作ります。


 ミルクティに挑戦すると、これもいまいちです。

 でもインスタントコーヒーのが酷い。


 きちんとコーヒーが飲みたいときは、楽してもドリップ。

 気持ちに余裕があれば豆から挽く。


 まあ、でも一番飲むのは『まるでヘドロのような暗黒の飲み物』だね。

 らくちんなのがいけない。

 これは魔の飲み物だ。




「あんたねぇ。それだからお嫁にいけないのよ」

「けーご君には言われたくない」

「本名で呼ぶのヤメテ」

「だって、けーご君はけーご君だし」

「ああもう!このがさつ女っ」


 コーヒーもどきを『まるでヘドロのような暗黒の飲み物』と称したのは、

 隣にすわるこの男。橋爪敬吾26歳。独身。大学からの友達だ。

 女装モードのときはケイナと呼べとうるさい。


 こういう人をなんて呼ぶのかな?

 休日、プライベートの時間だけ女装する人。

 おねえでいいの?でも他の時は男の人なんだよ。


 女装モードで女の人を演じている男なのか。

 普段は男の人を演じている女なのか。

 はっきりしてほしいなぁ。


「ミィは料理もそれじゃない。外面は女の子らしいのに中身がそれだから、友人どまりで終わっちゃうのよ。分かってる?」

「けーご君や妹以外の前ではちゃんとしてるよ」

「普段からしてないから、ストレス溜めたりボロが出たりして上手く行かなくなるって話しよ」


 大きなお世話だと、こっそり思う。


「本当にねー。甘やかしすぎちゃったかしらねぇ」

「けーご君ナポリタンが食べたい。切実に。カフェオレ飲みたい。甘くておいしいの」

「はぁ。言った傍から……」


 溜め息ひとつ吐いて、けーご君はハンドバッグを手に取る。

 やった。お昼ごはんゲットー。


「うひひひ。嬉しいな。けーご君のご飯~」

「笑い方!女の子らしさの欠片もないわ」


 軽く非難されながら家をでて電車に乗った。めざすはけーご宅。

 大体いつも私達はこんな感じです。




 けーご君の手料理を食べるために彼の部屋までお邪魔するのは、

 ウチには一口ガスコンロしかないから。

 食器もまちまちで二人分ない。料理とか頑張るつもり無かったからね。


 電車で一駅、駅から徒歩8分のとこに、けーご君のマンションはあって。

 ナチュラルスタイルの内装でキッチン広め。2DKだし居心地いいし。食器とか小物とかインテリアとか、いちいち趣味がいい。


 なんだろう?女としてのことごとくが、けーご君には適わないなー。うん。全然、悔しく無い。衣食住の優先順位みたいなのが違うんだよね。



「ふふふ。ホラー系のDVDいっぱい持ってきたよ」

「げ。どうせならコメディか恋愛ものにしなさいよ」

「新作にいいの無かった。後、初期ペルレイザーが見たくなった。ヘルピンヘッドさんがイケメンだった気がする」


 そんな私達の共通の趣味はDVD鑑賞。

 それも二人で見るのが一番好き。大好き。


 美味しいご飯を食べて、二人でDVDやブルーレイ見れたら。

 どっちのけーご君でも構わないんだけどな。


 うん。本当は少しだけ。いやいやだいぶ。

 男の人の方のけーご君と見てみたい。


 だけど、その一言がなかなか言えない。


「たまには、仕事モードのけーご君と遊んでみたいんだけど」

「え、いやよ。休日くらい好きな格好したいじゃない」


 『まるでヘドロのような暗黒の飲み物』は、がさつでずぼらな私の代名詞みたいに言われているけれど。私にとっては、けーご君がそれ。

 君こそが暗黒の飲み物だ。


 コーヒーのようなコーヒーもどき。けして美味しくない。でも一番飲みます。毎日飲んでます。多分、けっこうかなりお気に入り。きっと好き。

 これが女装モードのけーご君。


 君のお嫁になりたいです。って言えるのはどのくらい先なのかな?せめて、時々は男性モードで接してもらえないと脈は無いよね。


 今でもぬるま湯みたいに幸せだけど。

 うん。もうちょっとこのままで。でもやっぱり少し物足りない。

 幸せになりたいな。無理かな?壊れちゃうかな?

 だったら変わらなくてもいいかな。どっちだろう?

 残酷だよねけーご君。


 けーご君にとって私は異性?女友達?ただの友達?

 親友とか言われたら立ち直れないね。


 どちらも好きなんだから、仕方ないね。




 『まるでヘドロのような暗黒の飲み物』のレシピはお勧めしません。

 私ひとりが魅力を知っていればいいのです。


 レンジでインスタントコーヒーはあまり美味しくないのでお勧めしません。

 ヘル○レイザー、子どもの頃のトラウマなんですが、今だと普通に見れますでしょか?ピ○ヘッドさんのキャラデザって素晴らしいですよね。

 ここまでおよみ戴きましてありがとうございます。

 改行をいじりました。いつもすみません。

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