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現世の書
【序章:第一節】
神が世界を創造し、世界の様子を眺める事に飽きた頃…
神は人間という生物を生み出した
彼らは道具を使い出した
火を使い、言葉を生み出し、文字を書き出す
彼らは長き時から文明を得た
しかし彼らの文明は信仰というモノを忘却へと追いやった。
瞬く間に人間の数は増え、繁栄し巨大な街を作り、多くの人間がそこに暮らした
次第に人間は争い合う
奪い、憎み、殺し合う
その営みの中に突如それは現れた
現れたその"モノ"は人間の全てを奪い去った
街を、自然を、人間の命も
人間は全てを奪い、壊し、殺したそれを"魔王"と呼んだ
生き残った人間達は集い魔王に抵抗を始めた
争いのあったことなど無かったかのように彼らはまとまりを見せた
それでも魔王の軍勢との戦いの度人間の数は減っていった