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ヴァリアーレの問い  作者: 大原秋菜
プロローグ
1/2

はじまりのうた

「人間は夢を見、そして忘れてしまう。」

その常識、『ある条件』があれば、ぶち壊せると思うの。

まぁ、あなたが純粋な子供であることが第一の条件だけど。

♪ もしも ねがいが かなうのなら


まっさらな草原の上に、たくさんのシャボン玉。

青い空を写して、虹色にキラキラ輝いている。


♪ ぼくの りょうてに ゆうきをください


その上には、小さな女の子が一人。歌っているのは、いつかどこかで聞いた歌。でも、なんて名前かは覚えていない。シャボン玉の下で和かに、楽しそうにくるくると回りながら歌っていた。


♪ あめに うたれて しおれてる


遠くの方に、小さな男の子を見つけた。よく見えないけど、下を向いてうずくまっているから、きっと悲しいことがあったのかもしれない。


じゃあ、この歌で、元気づけてあげよう!


♪ あのつぼみを あたためるために


女の子は、男の子に駆け寄って、「おーい!」と手を振った。返事がなかったので、もっと近づいてみた。


♪やわらかなひざし あいにあふれて


「………うるさいよ。静かにして」


男の子はこちらを向いて、素っ気なく言い放った。


「えっ………どうして?」


女の子はキョトンとした。今まで「うるさい」とは言われたことがあったが、それはお家の中や幼稚園での話。広い草原の上で、どうしてうるさいのだろう?

それに……


「ねぇ、キミも一緒に歌おうよ!すっごく楽しいよ。イヤな気持ち、吹っ飛んじゃうんだから!」


♪ すべてが かがやき


そう言って、歌いながら軽やかにターンしてみせた。

男の子は、なんだか新しい世界を見るような目でそれを眺めた。

そして立ち上がって言った。


「その歌………知ってる」


♪ いきてる


「知ってるの?じゃあ、歌お!」


女の子は、男の子の手を強引に引っ張り、両手をつないだ。男の子は動揺したけれど、すぐに女の子のペースに合わせていった。2人で、メリーゴーランドのようにぐるぐると回りながら、声を通わせた。


♪ きせつは めぐって

だいちを かざってゆく


「ちょっと………もう無理だよ………」


目を回してしまった男の子は、もう限界がきてしまった。


「……でも、すごく楽しいね」


男の子は立ち止まり、微笑んだ。


「でしょでしょ!」


砂の数のような、シャボン玉たちは見守っていた。

幻想の中の2人だけの世界で、顔を見合せて最後まで歌った。


♪ ひかりと かぜと そらの

あおさを うつして

今回登場した「歌」は、実在するものです。

作者が小さな頃に歌って、お気に入りだったものが大半。

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