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夢見る執事(軍人)とお姫様 ~イパーチェフを越えて~  作者: 七月 七日(なつきネコ)
5/11

授与式 1

長い間、投稿をサボってしまって、申し訳ありません。


こちらのほうも復活させて、なんとか、完結させたいと思っていますので、是非ともこれからも、よろしくお願いします。

 ふと、懐かしい夢をみた気がする。

 目元をぬぐうと涙がポトリと落ちた。


「なんで、あんな夢を」


 いくら記憶を探ろうと、てがかりもない不思議な夢。

 見渡せば、木の香り溢れる優しい少女の部屋ではない。

 なにもない無味無臭な病室。

 そのことが俺を寂しくさせていく。


 こんなにも何もなかったのか。


 夢の内容を思い返すも、彼女にたどりつくことはない。

 とりあえず、夢の彼女の輪郭を追っていく。

 彼女はひくい小柄の体に白いドレス……それと、亜麻色の髪、色白の肌にかわいらしい笑顔。

 何より印象にのこるのは、青い瞳。


 その目が笑うたびに俺はなんともいえない気持ちになる。


「あの夢は」


 思案の合間に、俺はカーテンを開けた。

 外は曇り、雪が敷き詰められた景色はただ白い。


そうしたよいんは、妹の来ることで終わった。


「兄さん。準備を手伝いに来たよ」


 開いた扉の向こうにいるのはレジーナ。

 彼女は所属している紺色軍服姿、軍でなにかあるのだろうか?


「それはなんだ」


「何をいっているの。兄さん」


 レジーナのいう準備という単語に首をかしげた。

 そんな俺に大荷物をレジーナは差しだしてくる。


 昔着ていた儀式用の軍服。

 紺色地に金のボタンに房というシックながらも豪奢な三月(マル―ト)帝国(イムイムビェリヤ)|の第一種軍服。


「なんで、これを?」


「あきれた。兄さん。これから勲章授与式でしょ」


 などと、突然開示された予定に俺は目を丸くしてしまった。

 いきなりそんな大事なことを今更。


 まだ心の準備自体整っていないというのに。

 

 あわてる俺にレジーナが手を伸ばしてくる。

 体が密着するほどの近くでレジーナは入院着の端を持つ。

 ドキンとしてしまうミントの甘い香り、大きく形のいい胸がムニュと俺の胸で潰れた。

 そんな姿に俺は、顔を真っ赤にしてジタバタとあがく。


「ちょ、ちょっと待て」


「待っている時間はありません」


 抵抗むなしく、俺は服を剥ぎ取とられてしまう。

 そうして下着ひとつの情けない姿にむしり取られた俺。


「えーと。まずはズボンから」


 こんどは着せ替えようとする妹の行動をおさえるために、彼女の肩に俺は手を置く。


「自分で着替えるから、待っていてくれないか」


 そこでやっと、レジーナはハッとしたように止まり、頬を赤くそめた。

 この状況は兄弟でなっていい雰囲気ではないはず。


「う、うん。わかった。後ろ向いているね」


 レジーナは唐突に後ろを向いた。

 やっと安泰に着替えることができる。


「まったく、他人に着替えさせるなんて、賊帝時代のナスターシャ皇女みたいだよ」


「ああ。晩餐会で毎回、高級グラスを後ろに投げて割るような贅沢をしていたお姫様のことか。たかが、自分で着替えないぐらいで」


 着替えをおつきのメイドにやらせていた昔の贅沢皇女の話と今の状況にたとえたのだろうが、そこまで俺は道楽者じゃない。


 そんなことなど、口にする必要などないのに、口先だけで誤魔化そうにも誤魔化しきれるはずはない。

 先ほどの色気のフラッシュバックは激しく襲う。


 あれほど成長していたとは三年の月日は長い……

 彼女は成長しているのに、俺は記憶の姿から成長も何もしていないことに気づいた。


「俺は体を治してもらった後は冷凍(コールド)睡眠(スリーピング)していたのか?」


「うん。意識がなかなか戻らないので、費用節約に入れてたよ」


 なんとなく、その言葉に俺は納得してしまう。

 たしかに、なんだか違和感が漂っているのはそのせいか?


「兄さん。そういえば、演習は覚えていますか」


「え、演習って、なんだ」


 俺がいうと、耳の端末に情報がとどいた。


 レジーナの署名から彼女が送ったものらしい。

 かなりわかりやすくまとめてあって助かるが、いきなり言われても困ってしまうことばかり。


 これから一週間後に貴人警護の演習を行う。

 それが俺の復帰後の初任務。

 場所は元ヴィクトリア宮殿。


 参加人数は五千人ほど。

 なかなか大規模だ。

 しかし、それよりも一番に驚きためらわせたのはただひとつ。


「お、俺が貴人護衛役なのか、いきなり大抜擢だな」


 最近まで意識不明の軍人に間違っているとおもう。

 目をぱちくりさせていた。

 そんな俺を面倒くさい兄だとレジーナがため息をつく。


「まったく演習の前日は退院となっていますからね」


 そんな過密スケジュールを今頃きかされて、俺はあきらめたように遠くをみた。

 まったくバカバカしいことばかり。

 俺はあきれ果ててしまう。


 着替えた軍服にベルトにサーベルを下げて着替えを整えることができた。


「できたぞ」


 レジーナに伝える。

 俺の姿を見たレジーナは歩み寄り、襟元を直してくれた。


「はいこれで、バッチリだね」


 やっと、俺の衣装に満足したみたいだ。

 これから移動し、俺の授与式が始まるというわけか。

 本当にやっかいだ。

 怪しからん描写がありますが、ラノベってそんなものですよね……いまでも、ふつうに全年齢の色気ぐらいだけど……


 とりあえず、これからもよろしくお願いします!! あと見てくれるだけでもとてもうれしいですので、

 琴線にふれたらナイスやコメントよろしくお願いします

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