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突然! 私が目を覚ますと? “子宝製造マシーン1号になっていました。”

作者: 七瀬








私は仕事で、毎日毎日繰り返される残業で疲労が溜まっていました。

上司からは毎日のように怒られ、後輩は仕事で失敗ばかりで私は後輩の

尻ぬぐいばかりさせられていました。

後輩に嫌われたくない私は、後輩に嫌われないような言い方で間違いを

指摘しても、私をなめきっている後輩は私の話など聞いていないのです。

“ストレスと疲労”ばかりが溜まっていきます。





・・・そんなある日、仕事の残業終わりに車で家に帰っていると?

疲れが溜まっていてウトウトと居眠り運転になってしまいました。

私はそのまま対向車から来たトラックと正面衝突!

事故を起こしてしましました。

トラック運転手は、私の運転する車がふらふらと反対側の方へ寄って

きていて、避けきれなかったと証言しました。

トラックの運転手は、足を骨折して全治3ヶ月で命には別条がないと

の事でした。

トラックは、前が少しへこんだ程度だったそうです。






私は? どうなったかと言えば、、、。

昏睡状態になりそのまま“冷凍保存”されてしまったのです。

私の家族が、“娘を死なせるぐらいなら冷凍保存してほしいと!”

強く医師に伝え、私は意識のないまま冷凍保存となったのです。








 *





・・・そしてあれから20XX年。

私はゆっくりと目を覚ました。



でも? 私の体がここにはない!



『おっ! やっと目を覚ましたのかい?』

『えぇ!? “あなたは誰ですか?”』

『ワタシは博士じゃあ!』

『・・・博士?』

『“君の体は他の場所に置いてある!』

『・・・じゃあ、今話している“この私は誰なんですか?”』

『君はAIに吸収されて、“人類最初の意識を持ったAIになったのじゃあ!”』

『・・・でも、私の体は何処にあるんですか?』

『あそこじゃ!』

『あれは?』

『君は本当に凄い女性ひとじゃあよ! 君の体はこれまた人類最初の

“子宝製造マシーン1号になるのじゃあ!”』

『・・・子宝製造マシーン?』

『この時代、20XX年では? 何故か女性が子供を産めない体になってしまい

それに代わるモノが必要じゃった! しかも? 訳の分からない病気に何故か?

女性だけがかかり、ほとんどの女性が亡くなっていく。ワタシはこれでも科学者

の端くれじゃあ! どうにかせなにゃーイカンと埃をかぶった君を見つけ出した

のじゃあ!』

『・・・でも、それならどうして私はこんな姿に?』

『君の体の一部はもう使い物にならない体じゃあった! 君の脳は正常でAIに

君の意識を取り込んだのじゃあ! そして君のお腹も無事じゃった。』

『・・・それとどうして、“子宝製造マシーン”になるのよ!』

『先も言ったじゃろうが! 子供が産まれないからじゃあ!』

『・・・だから、私の体を使って子供を産むって事?』

『そうじゃあ! 凄いじゃろう!』

『・・・でも? どうやって?』

『精子バンクじゃあ! 保管されている精子を使って子供を産む。』

『お腹しかない私の体でそんな事が本当にできるの?』

『今の医学は凄いんじゃあよ! お腹だけあれば可能じゃあ!』










・・・確かに博士は凄い人でした。

私のお腹で赤ちゃんがスクスクと育っていく。

何処の誰かも知らない男性ひとの精子バンクから次々と、、、。

10か月間、私のお腹の中で大きくなって育って産まれてくる赤ちゃん。

産まれた後は直ぐに違う精子バンクから精子を使いまた妊娠。

私は複雑な眼で見ていたのです。

体を持たない今の私にはどうする事もできませんでした。




ただ、事故に会う前は好きな男性ひとも結婚も考えていなかった私が

今こうして! 【子宝製造マシーン1号】になり私のDNAを持った子供達が

産まれてくる。

命の誕生と産まれてくる子供への母性。

“私というモノが、この世の中で役になっている証を見つけたんです。”



最後までお読みいただきありがとうございます。

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