プロローグ
まだ桜が咲いている四月の初週。中学三年へと進級した俺はある問題を抱えてしまった。
猛烈に俺の頭を悩ませてしまう、そんな問題だ。
俺は今まさに、特大の爆弾を抱えてしまっていた。
そして、俺は家で過ごす時間が一日で一番疲れるようになってしまった。
そもそも、この気持ちに気づいてしまったのが原因。いや、間違いだったのだ。
この時すでに、この先望んでいた普通の青春は手に入らなくなってしまった。
しかし、俺はこれからの波乱の青春を後悔はしないだろう。きっとである。
おっと、自己紹介をするのを忘れていた。俺の名前は、神野真。他人と比べて基本スペックが高いという点を除けば、俺はふつうだったのだ。
大事なことだからもう一度言おう。「俺は、他人と比べて基本スペックが高いという点を除けば、いたって“ふつう”だったのだ。」
だが・・・、
だが、俺は二人いる姉の・・、それも、好きになってはいけない方の姉を好きになってしまったのだ!
しかし、聞いてほしい。ちゃんと聞いてもらえればわかってもらえると思う。
俺の姉は二人ともとんでもなくかわいいのだ。
顔やスタイルはもちろんのこと、性格までいいときてる。
そして、俺が姉を好きになってしまった最大の要因は、俺が大の姉好き、いや姉バカであるということだろう。
ラノベやマンガ、アニメに出てくる女性キャラの中で、俺が好きになるのは決まって姉キャラだった。実の姉、義理の姉、姉妹の姉など、基本的に姉であればすきになっていた。
さて、俺が自分の姉を好きになって何がまずいのか。
言うまでもない。実の姉だからだ。
義理の姉である長女ではなく、実の姉である次女の星華を好きになってしまった。
好きだと自覚してしまうと、何気ないことでも意識してしまう。
しかし、家族で、しかも実の姉なので、それをバレないようにしなければならない。家でも、外でもだ。
まったく本当に大変なことになってしまった。
こんなこと誰かに相談できるはずもない。自分でどうにかするしかないのだ。
ただ、俺が星華を好きでなくなればいい。星華を諦めれば全てが解決する。
そんなことは俺だってわかっている。
だが、もうすでに何度も諦めようとした。本当に何度も何度も試みた。
しかし無理だった。
手遅れだったのだ。
俺は、星華のことをどうしようもないくらい好きになってしまっていたのだ。
故に、この事実を受け入れた俺は決心したのだ。
何としても星華を彼女にし、最高の青春を送ってみせると。
これは、どうしようもないくらい姉を好きになってしまった俺が、姉を自らが主人公である物語のヒロインにする話である。
読んでくださってありがとうございます。