4/11
みっつめの夜
いつも通りに身支度を整えてから小さな玄関で靴を履いていると
ちょうどお腹の音が鳴った。
「おっと。まずはコンビニで朝ごはんを買うか。喉も乾いたからジュースもほしいな。」
ドアを閉めて、また外へと繰り出した。
「さぁ今日も仕事しなければ…。」
歩く道、たくさんの人々が行き交う交差点。高層ビルの立ち並ぶ不機嫌な空の下でただ信号が青になるのを俺は待つ。
空を見上げる。
自分はこの場所に確かに立っているけれど、この交差点で行き交う人々の中には俺を知る者はいない。
当たり前だ。赤の他人なのだから、それでもみんなの役に立ちたいと思うのだ。どんな仕事でもそれが人のためになる。自分が仕事した分は誰かの役に立つことだと俺は思っている。
なのにどんなに頑張っても歯をくいしばってもいつも怒られてばかり。
皿が綺麗に洗えてないとか、在庫数を数えた数字が少し間違えていたり…
仕事をミスして謝りにいったり…。
ぽつりと呟く。
「俺は役立たずだな…。」