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第25話 殺人鬼と冒険者と邪魔者1人

どうも、二日連続で休んだ私です。

諸事情によりお休みしました、ごめんなさい。


土日にお休みが多くなるかもなので予め謝っておきます。

本当に申し訳ない<(_ _)>






「改めて名乗ろう。我が名はラッセント。この身は我らが信じる神のため、神を信じる信者のため。貴様の血は神も飲み水に過ぎない。我らの使命は、のどの乾いた神へ飲み水をお送りすることのみ。さぁ、貴様の生き血を大地へと垂れ流せ!!」


 刀を十字に組み、ラッセントはそう豪語して見せた。

 言っていることは滅茶苦茶だが、決意と覚悟をした目をしている。


 狂った男と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。


 ここは俺も乗っておこうか。


「俺はソウマ。Aランク冒険者にして、お前をこれから殺す者だ。お前がこれまで何人殺して来たかは知らないが、その全員に詫びて死んでいけるよう俺が介錯してやる。だから、ここで大人しく死んでおけ!!」


 恨み辛みの籠った醜い言葉をラッセントに浴びせた。

 相手が殺人鬼であると知ってこうも易々と「殺す」なんて言える自分を蔑んだ。


 けれど、今言ったことは全て事実であり俺の決意だ。


 今、ここでこの男を亡き者にしなければこの先どうなるか分からない。

 もしかしたら、あいつらまでもがラッセントの手に掛かるかもしれない。


 そうなったら後悔してもしきれないんだ。


 絶対に、ここで、殺す!


「身体強化! ドーピング!」


 視界が微かに赤くなったのを確認した後、剣をラッセントへ向け振りかぶり突っ込んだ。


 対してラッセントも構えを崩し、腰を落とすと一気に間合いを詰めて――



 スパリ



 何かが切れる音がしたかと思えば、自分の腹から血が滝のように流れているのが目に入った。


 その瞬間、強烈な痛みが俺へ襲い掛かり、思わず膝を付いた。


 空いていた左手で腹を抑えつつ前を見るが、そこにラッセントの姿はない。


「痛づ……な、なにが」


 訳も分からず辺りを見渡すが、どこにはヤツの姿は見当たらなかった。


 ラッセントは今の一瞬で目の前から消え、俺の腹を掻っ捌くなんて芸当をした。

 そんな恐ろしい人間がこの世にいるなんてと、恐怖を感じてしまう。


「弱いな」


「後ろ!」


 振り返りながら剣を振るうが、そこにもラッセントは居なかった。



「弱すぎる」



 スパリ



 またあの音が聞こえると同時に、今度は背中に激しい痛みを感じた。

 どうやら背中を斬られたようだ。


 剣を地面へ突き立て痛みに悶え苦しんでいると、再び声がした。


「貴様は本当に冒険者か?」


「ッ! また後ろ――ガハッ」


 声に反射的に反応した俺だったが、振り返り様に胸を刺された。

 心臓からは多少ズレてはいたが、肺は完全に傷付いているはずだ。


 口から血を吐き出す。


 この量は、マズイ……!


「貴様は弱い。たった数撃食らわせただけで、いとも容易く血反吐まみれになる。なんともか弱い冒険者よ」


「チッ……余計な、お世話だ!」


 剣を振りラッセントを引き剥がす。

 しかし、そのせいで胸からも多量に血が噴き出した。

 左手で抑えるが、離した腹からも血が溢れ出す。


「もう助からないだろう。そのまま地に伏せ、眠るがいい」


「ふざ……けるなぁ!!」


 大量の火の玉を作り出し、四方八方に放った。

 火の玉はそこら中で爆発四散し辺り一面火の海となった。


「弱い、弱すぎるのだ貴様は!」


 今度は正面から声がした。


 ハッとなり顔を上げると、目の前にラッセントの持つ刀が目に入った。


 いや、実際に刀が目に入った(・・・・・)



 サクッ



「うぐうあぁあああ!」


 イタイタイタイタイ!


 やられた、左目をやられたッ。


 視界が真っ赤に染まる。

 どうしようもない痛みと、それでも尚立ち上がらなければならないという意識が葛藤する。


 体はボロボロ、血を流し過ぎている、もう死に体だ。

 けど、ここで諦めたら二度はない。

 これが過去になってしまったら、過去にIFはないんだ。


 立ち上がって、剣を握って、目の前の敵を屠るんだソウマ・ゼキエーレ!


 意思を強く持ち立ち上がった俺だったが、ラッセントはそんなのお構いなしに攻撃を加えてくる。


「まず左目、次は肩!」


 右肩を刀が切り裂き通り抜ける。


「次は右足!」


 ラッセントの宣言通り、右足に刀が刺さりそのまま地面とドッキングした。


 足を動かせなくなった俺は身動き一つできなくなってしまった。


「これくらいで十分だろう。さぁ、血を垂れ流せ!」


 あぁ、刀が俺の首へと近付いて来る。


 あっさりとやられてしまった。


 なんてあっさりとやられてしまったんだ俺は。


 こんな簡単に、それもこんな穏やかな気持ちで。


 何故だろう、怒りが収まっているじゃないか。


 一体……何故……



『殺せよ』


 誰だ


『殺すんだ』


 誰なんだよお前は


『力なき者は死に、強者が生き残るんだ』


 そう、だな


『お前はどこかでこう思ってないか? 誰かが助けてくれるんじゃないか、と』


 思っていたかもしれない。


 こんな経験、日本じゃ中々できない、とか。

 ましてや、社畜として生きていた俺だったら……いや、過労死の時って血を吐くのか? とか。


 そんなどうしようもなく呑気なことを考えてしまっていた。

 危機的状況にもかかわらず、どうにかなるんじゃないかと楽観視してしまっているからかもしれない。


 また、ゼキエーレが助けてくれるんじゃないかなんて考えている自分がいた。


『さぁ、殺せ』


 その声が脳内に響いた時、体中に黒いモノが渦巻いた。


「うがぁああああああ!!」


「な、なんだ!?」


 力がみなぎるとはこういう事を言うんだな。

 凄い、自分のパワーが数倍に跳ね上がるのをひしひしと感じる。


『それがお前の本当の力だ』


 これが俺の、本当の力……。


『殺すんだ。お前の仇だろ?』


 声に呼応して黒い影が指差す。

 その先には俺の姿を見て怯えながらも刀を構える愚か者がいた。


 そうだ、こいつはガワンを殺した殺人鬼であり、俺をこんなにも痛めつけてくれたくそ野郎だった。


 俺はゆっくりと立ち上がり剣先をラッセントを向ける。


「貴様……なんだ、その左目は! いや、それよりもその黒いオーラはなんだ!? まさか、貴様が悪m――」


「黙れ」


 ラッセントの口目掛けて剣を振り抜く。

 しかし、あと一歩のところで避けられてしまった。


 それにしても、確かに言われてみれば左目の視界が良好だ。

 もしかして、復活でもしたかな。


「そうか……貴様は人間じゃないんだな? 人間の形をした、ただの悪魔か」


 そう言うラッセントの目は怯えており、持っている刀をガチャガチャ言わせていた。

 こんなに惨めな奴に負けたと思うと、心底自分が嫌になる。


「ソウマとか言ったな。その名、死ぬその時まで覚えておこう!」


「なんだ、首を差し出す気になったか」


「今の貴様に我は勝てない。それを直感してしまった。もう、戦う気はない」


 両手の刀を地面へと落し、ラッセントはその場に膝から崩れ落ちた。


「我は神の加護を受けし代行者。たとえ悪魔の手に堕ちようとも、創造主たる神の手によって救われる身。貴様如きにどうこうできるものではない!」


「なら、試してみようか。お前がどこまで醜く野垂れ死ぬかを」


 まずは腹を刺し、次に胸を斬りつけ、その次に背中に十字の傷を刻み、今度は足を切り裂き、最後に肩に深い切れ込みを入れた。


 ラッセントの体のそこかしこから血が噴き出し、辺り一面を真っ赤に染め上げてた。


 俺はそれを見て満足はしなかった。

 何故なら、ラッセントという男がまだ生きているからだ。


 この世界、この場所、俺の目の前で息をしている、目を開けている、物事を考え感情を持ちそれでいて尚、立とうとしている。


 それが許せない。

 そんな光景を見せつけらているようで苦しい。

 この男が、とても憎い。


「わがみは……カミの、みココロのまま、に……」


 ラッセントは死に際までも神に祈り続けていた。


 その姿が、何故か眩しく見えた。

 同時に今の自分が醜く見えた。


 けれど、それでこの男を許すことにはならない。


「じゃあな、司祭様」


 剣を振りかぶり、ラッセントの首元目掛けて思いっきり振り下ろした。



 ガキィンッ



 しかし剣は目標の首へと届く前に白銀に光る剣によって妨げられ、目的を果たせぬまま俺の腕ごと弾きあげられてしまった。


「はぁ、どうやらそう簡単に人殺しはさせてもらえないらしい。だろ、リエル?」


 ラッセントと俺の間に入り、険しい表情で睨みつけてくるリエルに問いかけた。


 リエルは右手の剣を俺に向け、左手の盾を構えた。

 彼女は俺の言葉に対しての返答を態度で示して見せたのだ。


 加えて、こう叫んだ。


「とうとう正体を現したな闇の者よ! 私が光の代表として討ち滅びてくれよう!!」


「何の話かは知らないけど、邪魔するならお前も殺すぞリエル」


 リエルと対峙しながらも、俺は心の中でこう思った。


 ままならないな、やっぱり……と。

(#^ω^)<おいおい急展開過ぎて訳が分からん!


↑の人、大丈夫です。次回はリエル視点ですので(謎)

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