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第9話 魔王降臨にて犠牲者1匹

魔王☆降臨!

ただし、ちょっとだけ。

「よぉ、ホブゴブリン。死ぬ準備はできたか?」


 女性が近くに、それも俺の後ろに隠れているのでちょこっとカッコつけてみた。

 正直言って、恥ずかしい。止めとけばよかったと、速攻で後悔しました。


 いやいや、今はそんなこと関係ないんだよ。

 今考えないといけないことは、俺よりも圧倒的に強いホブゴブリンに勝つ方法だ。


 まだホブゴブリンは襲ってこないな。現状把握で精一杯と言ったところか?


「丁度いいや。ステータスを確認しよう」



―――――――――


 ソウマ・ゼキエーレ

 状態:火傷


 LV2


 HP 136/136

 MP 10/77

 STR 17(+2)

 DEX 13(+1)

 VIT 7(+2)

 INT 22(+2)

 AGI 9(+1)

 MND 7(+2)


 スキル

 【異空間倉庫】【神の加護】【転生】

 【片手剣使いLV2】【盾使いLV1】【身体強化・弱】【観察眼】【良目】【火魔法LV1】【水魔法LV1】【ドーピングLV1】


 スキルポイント

 残り:19


―――――――――



「レベルが上がってる!」


 俺は自分のステタースを見て、感動のあまりつい叫んでしまった。

 多分、後ろに隠れている方達に変な目で見られた。いや、絶対に見られたね。

 でも、構わない。

 初めてのレベルアップはとっても嬉しいものなのだから。


 あれ、よく見たらスキルポイントが1しか増えていない。

 レベルが1つ上がると、ポイントも1つ増える。

 かなりしょっぱいな。スキルポイントはかなり貴重だと、これを見て分かった。


 それは取り敢えず置いておいて、俺が一番気になるのはMP残量だ。

 魔法を使いまくったからなぁ。

 このMP量だとホブゴブリンとの戦いでは簡単に魔法は使えなさそうだ。


 魔法を使うのは後5回が限度か……いや、MPが0になった時どうなるか分からない。

 つまり2、3回くらいが丁度いい。


 さぁ、状況確認も済んだことだし、戦闘準備を開始しよう。


「身体強化・弱、ドーピング・小」


 スキルを使ってみると、右目の視界が少し赤くなった。気がするというだけだが、暗くて確認する術がない。

 視界が赤くなるのと同時に、右腕の痛みがなくなった。それはもう、腕をグルグルしても痛くも痒くもない。

 これが魔法の効果なのか?

 こんな効果があるなら、最初から使えばよかった。

 失敗したかな。


 しかし、そんな時間を与えてくれないのが魔物だ。というか、何故今まで襲わなったのか。

 俺の目には、この場所に足を踏み入れるのを躊躇っていたように見えた。


「戦いはやっぱり、先手必勝だろ! ファイアーボール!!」


 ホブゴブリンが戦闘態勢に入ったのを見計らい、火の玉を2つ作りだし顔を狙って打ち出す。

 暗闇で火の玉……つまりは光源が急に顔面を狙って飛んできたことにより、ホブゴブリンは避けずに左手でガードした。


 ホブゴブリンの手に当たり火の玉は爆発、ダメージは期待できないがこれはチャンスだ。


 俺は一気にホブゴブリンとの間合いを詰めた。

 そして、火の玉を咄嗟にガードしたため、がら空きとなった胴を思いっきり斬りつけた。

 火傷で力が入らないかと思ったが、結果は予想の斜め上をいった。


 剣はホブゴブリンの腹の辺りを深く斬りつけた。肉を抉り、横一文字に切り傷を付ける。


 傷口から血が噴き出し、その血を俺は全身に被ってしまった。

 体中が血生臭くなり、温かくなった。気持ちが悪い。


 そんなことよりも、俺は今の攻撃に自分で驚いている。


「力が上がった……? いや、体中の力を集めたかのような感覚だった。今のは……」


 スキルの効果を実感し、戦闘中だと言うのに感動してしまった。

 ここまでハッキリとスキル効果を実感できたのが初めてだったから、ある意味では仕方がない。


 ここで俺は、あろうことか調子に乗ってしまった。

 今なら勝てる、この化け物を肉塊に出来る、と。

 強い魔物と渡り合えるとな。


「グラァアア!!」


「初めて鳴いたな、化け物がァ!!」


 ホブゴブリンが俺の命を奪おうと剣を振るってくる。

 剣の軌道に合わせ、俺も全力で剣を振るった。

 俺の剣とホブゴブリンの剣は互いにぶつかり合い、激しい金属音を巣穴に響かせた。


 そして、俺の剣が折れた。


 剣と剣がぶつかり、俺の持っていた剣が折れた。いや、斬られたと言ってもいい。

 ただ、ホブゴブリンの剣が俺の剣よりも強かったとは思えない。

 俺の持っていた剣も、ゼキエーレから貰ったものだ。安物でもないだろう。


 可能性があるとしたら……俺が力任せに振ったから。

 技ではなく、力で使ったから、魔物相手でも剣をダメにしてしまったのかもしれない。


 あぁ、剣が近い。

 この速度だと、魔法で防御するのも間に合わないな。


「ふんっ、邪魔するぞ」


 突然の声、続いて突風。

 次に現れるのは、怪しく光る魔法陣。

 あまりの出来事にホブゴブリンの手が止まる。九死に一生を得た。


 と、思ったら予想以上に風が強い。

 しかも、魔法陣が現れたのは俺とホブゴブリンの丁度中間のあたり。

 そこから風が出ているようで、強化された俺の体でも踏ん張り切れなさそうだ。


「我の登場だ。頭を垂れろ」


 まただ。また、声が聞こえる。

 風に乗って、魔法陣から聞こえるようだ。


 姿の見えない相手の声は、不思議と重みがあり、体を抑え付けるようなプレッシャーを感じさせる。

 男の声だが、人間の声じゃない。人間がこんな禍々しい声を出せるとは思えない。


「登☆場」


 ドカァァァアン


 たった一言なのに、その言葉と言葉の間に☆が入っているのではないかと錯覚するくらい、弾んだ言い方だった。

 そんな弾んだ声と同時に、先程とは比べ物にならないくらい強力な風が舞う。


 俺はその爆風とも呼べる風で壁際にある檻の位置まで吹き飛ばされた。

 檻に背中と後頭部を打ち付け、視界が揺らぎ意識が飛びかける。

 何とか気合で意識を保ってみたものの、目は半開きだし体は動かない。


 ダメだ……意識が……と、ぶ。


「その気配は……久しいな、ゼキエーレ」


「あぁ、久しぶりだな。ルシファー」


 俺が最後に聞いた、ゼキエーレと謎の声の会話だ。

 これだけ聞いて、俺は強制的に眠りについた。



 ◆



「久しいな、ゼキエーレ」


 まさか、こんな所でコイツに会うなんてな。

 ソウマは……眠っているか、丁度いい。


「あぁ、久しぶりだな。ルシファー」


 ソウマから出て話すのはかなり厳しいものがあるが、今はコイツに弱みを見せるわけにはいかない。

 もし私の力が弱まっているのが知られれば、ソウマが殺される。


「ふんっ、その忌々しい姿は変わっていないな」


「そう言うお前も、真っ黒な翼をまだ生やしているのか。趣味が悪いと言っただろ」


「貴様に我の趣味をどうこう言われる筋合いはない! それに、貴様も無駄に若い体でいようとするのが気持ち悪いぞ。何故、幼子の容姿でいる。ガキは好かんぞ」


「子供は素晴らしい。可愛らしく、護ってやりたくなる」


「……それも、護ってやりたくなるのか? 器にしては、貧弱過ぎるな」


 くっ、目をつけられた。

 器にしていると勘違いされているのが不幸中の幸いか。

 変に言い訳しても首を絞めるだけだが、私がどうしてここに居るのかはできるだけぼかそう。


「器が弱くとも、私が死ぬことはない。お前と一緒にするな」


「減らず口も相変わらずか。まぁ、良い。貴様といがみ合うために来たわけではない」


「なら、何しに来た。言え」


「強力な力を感じ取ったのでな。我の配下にしようと思ったが……死んでいるな」


 何を他人ごとのように言っているのか。

 お前が転移魔法で派手に出て来たせいで、吹き飛ばされ壁に突き刺さり死んだんだろ。

 そこの、哀れなホブゴブリンは。


「ホブゴブリンだったのか。ゴブリン達の隊長としては有力だったが、私の登場程度で死んでしまうとは情けない。ハズレだな」


「隊長だと? お前、今何をしている!」


 嫌な予感がする。

 もしも、今私が想い描いている想像が正しければ、この世界で戦争が起こる。


 人類VS魔族


 過去に起こった、あの戦争の再来になってしまう。


「くっくっく、貴様の想像している通りさ。あの時代を、再び取り戻す」


「馬鹿げたことを考えるな! そんなことすれば、我々が黙っていないぞ!」


「何を焦っている。貴様は最高神。本来の力を使えばいいだろ? 今、ここで、我を殺せば万事解決だ。ん?」


 コイツ……私を試している。

 私が力を使えるのか、現世で力を行使できるのかを確認しに来ている。


「ぐ……」


「しないのか? なるほど、ココでは使えないんだな。良いことを知った。情報は大切だ。特に、戦争ではな」


「ルシファー……!」


「怖い顔をするな。可愛い顔が台無しだぞ。くっくっく」


 今の私には何の力もない。

 それが、ルシファーに知れてしまった。

 このままだと、他の奴らにも……チクショウ。


「改めて名乗ろう。我が名は魔王ルシファー! 魔界を7つに分ける魔族の1人! 神を貶め、天使を食らう。下等な人族を殺しつくし、我らの領土を広げてくれるわ!」


 魔界を7つに分ける魔族の1人、か。

 つまり、他の魔族も動き出している、ということだな。

 これは、早めにソウマへ話をしておく必要がありそうだ。


 いや……魔王討伐なんて他の人に任せればいい。

 現在はあの時とは違って、しっかりと選ばれた勇者がいるんだから。

 ソウマが危険に晒される必要はないか。


「登場しつつも力を与え、ルシファー様カッケエエ……という計画は、力を授かる側の死亡で失敗してしまった。が、今日は素晴らしい情報を手に入れた。我は満足し、素敵な夜を迎えられるだろう。安眠確定! 最高だ! くっくっく」


 そこまで言うと、ルシファーは魔法陣の中へと帰って行った。

 残ったのは、気絶したソウマだけ。

 助けた女の子たちは……ソウマと同様に眠っているな。魔法陣から離れた位置にいたし、ダメージも少なそうだ。


 ルシファーめ。まさか、あんなに恐ろしい計画を立てていたとは。

 登場ついでに力を与えるなど、ふざけた事を考えていたクセに戦争を起こそうなど……ん?


 登場と同時に力を与えるだって?

 そうなると力を与えられたのは、ホブゴブリンだけでは、ないのか?


「まさか……はぁ、ソウマよ。お前が穢された気分だよ」


―――――――――


 ソウマ・ゼキエーレ

 状態:火傷、気絶


 LV3


 HP 171/171

 MP 6/104

 STR 19(+2)

 DEX 15(+2)

 VIT 9(+2)

 INT 23(+1)

 AGI 10(+1)

 MND 9(+2)


 スキル

 【異空間倉庫】【神の加護】【転生】

 【片手剣使いLV2】【盾使いLV1】【身体強化・弱】【観察眼】【良目】【火魔法LV1】【水魔法LV1】【ドーピングLV1】【邪気(new!)】【暗黒魔法(new!)】


 スキルポイント

 残り:20


―――――――――


魔王の名前がルシファー、そして魔界を七つに分ける…( ゜д゜)ハッ!


↑みたいな勘のいい奴は嫌いじゃない。

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