闇からの声…
ホラーではないが、最初はお家見学、あとはお食事、そのあとは…。
モルバーは屋敷の隅々まで、バーノに教えて回った…、二人は広い屋敷を歩きに歩いたので、
休憩をしていた…。
モルバー「…とまぁ、こんな感じです、調理場も
本格的ですし、お風呂も広々、またベッドはダブル! 書斎付きで…ですからね。」
バーノ「ほぅほぅ…まぁ、冒険者年金と老後に貯めていた2000万ポスがあるからのぅ…まぁ…
冥土までの仮住まいじゃ、のんびりさせてもらうよ…。」
ポスとはこの国で使われている通貨で、1ポスが
100円、10ポスが1000円というような感じで、バーノは2000万ポスを持っているが、日本円に換算すると、2000万円程になる…。
因みに細かい小銭の場合はニポスという風に呼ばれる。
モルバー「あ、もうこんな時間…そろそろお店を閉めなきゃ…それじゃあね!」
バーノ「お、おぉ…後なぁ…晩飯はどうしたら良いんじゃ?」
モルバー「調理場に置いてあるから!明日からは近くの村の人達が作って持ってきてくれるから心配しないでねー!」
バーノ「ふむ…さぁて…と飯を食べるかのぅ…」
調理場にはカボチャのサラダと近隣の畑で採れた
トウモロコシを細かくし、パンの生地と混ぜて焼いたコーンパンと様々な種類の豆と豚肉を炒ったものが置いてあった…。
バーノ「いただきます… モグモグ…ん!こりゃいけるわい…パクパク、モシャモシャ…ゴクン…」
バーノ「あぁ…腹一杯じゃな…さぁて後は湯船に
入って疲れを流すかねぇ…。」
カポーン…
バーノ「ふぅ…いい湯じゃなぁ…そういえば…二階で見たあの別嬪さんは…お手伝いさんかのぅ…?」
とバーノは独り言を言いながら寝所に入っていった…。
バーノ「ふうっ…今日はどうなるか、と思ったが…
ここが儂の家かぁ…夢が一つ叶ったわい…ふわあああっ…さあてと早めに休むか…」
バーノが惰眠を貪ってから1~2時間たった時…
妙な気配と声がボソボソと聞こえた…
???「……」
バーノ「ふぁぁぁ…ん…何じゃな、全く…誰ぞおるのか?女だったらこっちへ来い!男は見張っておくれ!…ふわあああっ…」
ペタペタ…とバーノのベッドまで近づいてくる音が…バーノの年老いた心臓の鼓動を早めていった…。
闇に響く足音…夏も終わりなのに!?