道中談話 ゴブリンと一緒
同行人 ゴブリン
魔王の世話をしていた魔物、だが、ゴブリンの 中でも長生きしているらしく、また苦労人でも
ある、妻は5年前に亡くなり息子夫婦から同居を
勧められてはいるが迷惑を掛けたくないのと、
孫達に少しでもお小遣いをあげるために老人ホームに居ながら働くという風に決めたのである。
それからバーノとゴブリンは道中で互いの苦労話
をし合った…
バーノ「うむ…お前さんも苦労したんだなぁ…身重の妻や子供達を養うために人間に化けて働いたのか…」
ゴブリン「あぁ、儂はゴブリンの中でも頭が良かったらしく、算術やら歴史書の編纂もしたしな、
またその知能を買われて先生もしたよ。」
バーノ「モンスター達からの批判や文句は無かったのか?」
ゴブリン「いや、特に無かったのぅ、皆あの頃は
他人を罵ったり、虐めたり出来るような時代じゃ
無かったじゃろうが…魔物も人間も同じさ…」
バーノ「儂はお前さんと比べて誇れる経歴は何もないわい…75年間魔王を追い続けて、クエストで
無理難題を押し付けられて半分切れそうになりながらも敵を倒したり、色々したなぁ…」
ゴブリン「…魔王様は…女じゃった…それでな、人間の男と恋に落ちて女の子を出産なされた、それ故
に逃げなければならなかった、ずっと留まれば
子供に危害が及ぶ、人間も魔物も同じじゃ、
…勇者さん誠に申し訳なかった…。」
バーノ「…なぁに…人間も歳をとれば丸くなるものでな、魔王の子供かぁ…で、その子供はどうしたのじゃな?」
ゴブリン「たしか…人間の男と恋に落ちてどこかに
行かれたというのは聞いたが…それ以上は知らないな…。」
バーノ「…そうか、ん…そろそろお前さんが目指す
場所につくんじゃないのか?」
ゴブリン「おぅここまで付いてきてくれて有り難う、これは礼と言っちゃあ何だが…受け取ってくれ…。」
バーノ「これは…お守りかの?随分と細やかな装飾じゃな。」
ゴブリン「うむ、これはの、儂らゴブリンに伝わるお守りでな持ち主の命を守るとても強いお守りじゃ、だから安心して持っているがいい…。」
バーノ「こりゃあ有難いのぅ…有り難く受け取らせてもらうよ。」
ゴブリン「それじゃあな、お前さんにぴったりの老人ホームが見つかるよう祈っておるよ!」
バーノ「あぁ、有り難う!お前さんも元気でな!」
それからバーノはゴブリンと別れひたすら
王国まで歩きに歩いたのだった…
バーノ「ふぅ…ふぅ…漸く着いたか…。」
バーノは50年ぶりにモルタ王国の土を踏むのであった…。
モルタ王国 人口7万8000人の小国だが、流通の要を担っているのでいつも賑わっている。




