冒険者になろう
王宮での出来事出てて来た
死亡者カードですが、
テンテスでは、人の魂が肉体から離れると、
自動的にその人の個人情報がのったプレートが
できます。
なお、寿命ではでてこないようです。
出てきて一週間がたてば消滅します。
「あの、助けてくださり、
ありがとうございました。」
この店の看板娘のミーナが礼を言う。
俺とジグルバの戦いをみていた冒険者たちは、
ミーナの礼に続いて、
ありがとよー、だの、つえぇー!すげー!だの
いっている。
「構わないよ。マモンもお疲れさま」
【当然の事をしたまでです】
といいつつ、俺に頭を撫でろと、
押し付けてくる。愛いやつよのぉ。
俺はジグルバの死亡者プレートを回収する。
それからは、特に何も起きず、
次の日になると、ミーナが無料で
弁当を作ってくれていた。
「あの、ま、またここに
泊まってくれますか?」
「?、あぁ。いちいち他の宿を
探すのは面倒だしな」
すると、ミーナの表情がパァっと明るくなる。
「そういえば、つい最近、聖国ナージェスで
勇者召喚が行われたそうですよ?
なんでも、今回の勇者様は女性
なんだそうです。」
「へぇ、そんなことがあるのか。」
「驚きですよねぇ。
なんでも勇者様、召喚されてすぐに
男の子と思わしき名前を呟いたらしいです。」
へぇ、ずいぶん変なことも
あるんだな。
「それじゃあ、いってくるけど、へや1つ
空けといてくれ?俺が泊まれねぇから」
「はい!」
いってきますといったら、
すぐにマモンにまたがり走り始めた。
冒険者ギルドには、1分ほどでついた。
そこにいたのは、
どう見ても変装したリリーナだった。
「リリーナ。
こんなところでなにやってるんだ?」
「あ、ユギト様!」
おはようございますと頭を下げ合うと、
再びなんでここにいるのかを聞き出した。
「それはですね、ユギト様が
ここに来ることを想定したからですよ。
でも、今日は登録だけです。
これから逆賊をうちにいくので、
また、別の日にパーティー。
是非組んでくださいね?」
良いだろうと、言ったら
もう彼女は登録を済ましていたらしく、
そそくさとでていった。
因みに、リリーナは戦いに自ら出向くような
あぶなさである。
全く何考えてんだと思っていると、
順番がまわってきた。
「よくぞお越しになりました。
冒険者ギルドへようこそ。私は受付嬢のアーク
ともうします。
はじめてのかたですと、新規登録ですね?」
こくっとうなずくと、
記入してくださいと紙を渡された。
その紙に色々記入する。
最後に、カードに血を流すと冒険者カードが
かんせいした。
「はいっ、これで登録完了です!
お疲れさまでした。」
「あ、それと、こっちの買い取りと、
この死亡者カードの確認をお願いします。」
「あ、これはジグルバさんの死亡者カード
ですか?いったいどうし、あっ強盗殺人!?
どうして、20件も!?お待ちください!
いま、ギルドマスターを呼んできます!!」
「いやまて、そこまで大事にするきはない。
それに、こちらの買い取りもお願いしたい。」
アークは半分たった状態で
硬直していた。だが、すぐに冷静を取り戻した
らしく、改めて座り直した。
「申し訳ありません。
取り乱してしまいました。
ですが、このスライムの核を買い取ったあと
改めてギルドマスターと
お話ししていただきます。ギルドとして、
見逃すことはできないことなので。」
たぶん何度いっても同じだろう。
と諦め、スライムの核を売却する。
「えっと、スライムの核が5つですから、
金貨五枚ですね。はい、どうぞ。」
「では、さっさとギルドマスターを
呼んできてくれ。手短に頼むぞ。」
というと、アークは微笑み、
席をたった。
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暫くしたらスタイルの良い
女性が現れた。
「すまない、待たせたな。
ユギトくん。ではさっそく、少し
話を聞かせてもらえるかな?」
「あんたがギルドマスターか?」
「おお、すまないな。ワタシとしたことが、
自己紹介を怠っていたね。
ワタシは王都レイゼル冒険者ギルド、
ギルドマスター。マカセイ・ギルマスだ。」
このために生まれてきた
ような名前だな
「柊ユギト。こっちは従獣のマモンだ。」
「おお、ずいぶん毛並みの良い魔獣だね。」
マカセイがマモンにむかって手を伸ばす。
すると、マモンは後ろにジャンプし、接触を
避けた。
【我に無許可で触ってよいのは王のみだ!】
「無許可で触っていいの俺だけだってさ。
すまんギルマスさん。」
「いやいや、構わないさ。本題に入ろう。
まず、どうやって彼を殺した?」
そっちかよ、
なんで殺したとか、いわれると
思ってたら、まずそっちかよ。まぁいい。
実力でねじ伏せたとでもいっておこう。
「実力でねじ伏せた。」
「ほう!あのジグルバを実力で
ねじ伏せるかね!」
「実はね、彼の実力はS級はあるんだ。
だが、彼には沢山の疑いが
かかっていたからね。だからワタシは
彼をSにはせず、ずっとAで
まってもらっていたのさ。もっとも、
必要がなくなったがね」
どうやらこちらでも、彼には手を
焼いていたようだ。まぁ、あの高慢な態度だと
当然か。
「して、君はことの重大さにまだ
気づいていないようだね。」
ん?犯罪者を殺すなにが
いけないことなんだろう。
「F級の冒険者が、実力でA級をねじ伏せる
んだ。そんなの、あり得ないに決まっている
だろう。どうやって、事を終息に導くか、
なやみどころだね。」
そうだ。
あれでもあいつはA級だったな。
まぁいい。俺には関係ない話だ。
「そちらに俺は任せるよ。俺は能力は
隠させてもらうが、力量は隠そうと思わん。」
そして、隠蔽をしていて名前とレベルしか
わからないステータスを見せた。
「隠蔽で隠しているが、レベル6かね。
それはもうおかしいね。
どうやったらそんなレベルで93の彼を倒せる
っていうのかね。」
それはもう。答えようがなかったので、
怠惰の力で見失わせ、テレポートで
そそくさと逃げた。
マモンをおいていってしまったので、
一度戻ってきたときに、報酬をもらい
どんな手段で逃げたのか聞かれたのは
いうまでもない。教えなかったけど。