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航空部隊の猛攻

 蒼空を瞬く間に埋め尽くしたのは、数多の白い”線”だった。まるで大空を切り裂くかのように駆け抜けていくそれらは、後端部から轟音と炎を噴き出し、これでもかというほど白煙を空に刻み付けていく。


 彼らを放ったパイロットたちに命じられた通りに、ミサイルたちはこれから自分が突っ込むことになる哀れな獲物に狙いを定めていた。彼らに狙われている獲物たちは、両翼に対艦ミサイルを搭載し、これから大規模な艦隊に攻撃を仕掛けようとしているF/A-18ホーネットの群れ。100機以上の艦載機が飛ぶ真っ只中に、僅か35機のステルス機から放たれた空対空ミサイルが襲い掛かっていく。


 ミサイルが発射されたことに気付いたホーネットのパイロットたちは、それらを回避するために散開し始めた。中には確実に回避できるように、対艦戦闘を断念して対艦ミサイルを機体から投棄し、身軽になった状態で迎え撃とうとしている猛者もいる。いくら高性能な空対空ミサイルとはいえ、ロックオンした後に放てば確実に命中するわけではない。戦闘機に急旋回で振り切られてしまう事もあるし、場合やタイミングによっては命中しないこともある。


 機体を少しでも身軽にし、大物を撃沈できる対艦戦闘を断念した判断力の持ち主たちは完全に被害を受けなかったわけではないものの、辛うじてステルス機部隊の先制攻撃から逃れることができた。しかし対艦ミサイルの投棄を惜しみ、敵艦隊を攻撃することに取りつかれた者たちは片っ端から空対空ミサイルの餌食となった。


 中にはフレアを使ってまでミサイルを回避した者もいる。しかしミサイルを投棄しなかった大半のパイロットは、対艦ミサイルの重さのせいで機動性を殺され、急旋回で回避することすらできずにミサイルに追いつかれてしまう。空対空ミサイルに搭載された近接信管が作動してミサイルが自爆し、爆炎に呑み込まれるホーネット。その反対側から姿を現したのは、ミサイルの爆風で木っ端微塵にされた艦載機の残骸であった。


『な、なんだ!? 敵は艦載機なんて飛ばしてない筈だぞ!?』


 何の前触れもなくミサイルにロックオンされ、いきなり飛来したミサイルに先制攻撃を受けたのである。さすがに100機以上のホーネットを殲滅できるほどの数ではなかったものの、今の攻撃で艦載機部隊は多くの味方を失う羽目になった。


 レーダーには敵は映っていない筈だと思いつつ、もう一度レーダーを確認しようとしたベテランのパイロットの顔が強張る。


 レーダーに映ったのは、再び自分たちに飛来するミサイルの群れ。それと同時にミサイルにロックオンされていることを告げる電子音がコクピットの中を満たし、彼らに焦燥を与えていく。


『ミサイル接近!』


『ブレイク! くそ、何なんだ!?』


 目の前で仲間が餌食になったのを目の当たりにしたからなのか、今度はロックオンされた機体のパイロットたちは大人しくミサイルを捨て、接近してくるミサイルの回避を始める。仲間と衝突しないように位置を確認しつつ操縦桿を倒して回避する艦載機部隊のうち何機かがミサイルを振り切ることができず、大空の中で炎に包まれる。


 まだ艦載機部隊は半数ほどが残っており、対艦ミサイルも投棄していない。対艦戦闘を続行できそうなホーネットは5割か4割と言ったところだ。


『さらにミサイル!』


『何だよ!? 敵艦か!?』


『いや…………』


 ミサイルが飛来する場所は、明らかに敵艦隊が展開している海域ではない。全く関係のない方向から、自分たちとほぼ同じ高度にいる何かが放っているに違いない。


 1度目のミサイル攻撃を回避し、今しがた2回目のミサイルも躱したホーネットのパイロットは、はっとしながらもう一度自分の愛機のレーダーを確認する。飛来してくるミサイルの反応の後方に、いつの間にかそこにはいなかったはずの新しい反応が現れていることに気付いた彼は、先ほどから3回もミサイル攻撃を仕掛けてきた敵の正体を見破った。


 そう、ステルス機である。


 ステルス戦闘機だけで構成された航空部隊が、敵艦隊へと飛行する艦載機部隊から見て10時の方向から忍び寄り、レーダーに反応が映るほどの距離までひたすらミサイル攻撃を続けていたのだ。


 第一次世界大戦や第二次世界大戦の空戦は、レーダーを搭載していなかったことや誘導ミサイルがなかったため、基本的に搭載している機銃を至近距離で撃ち合う”ドッグファイト”と呼ばれる戦い方が主流だった。しかし最新鋭のレーダーやセンサーを備え、ロックオンした敵に突っ込んでいく”賢い兵器”を装備した戦闘機が飛び交う事が当たり前となった現代戦では、もうそのような戦い方は時代遅れである。ライフルを撃ち尽くした歩兵が白兵戦を開始するように、ミサイルを撃ち尽くしても敵機が残っているような状況でしか発生することはまずあり得ない。


 だから、先制攻撃はかなり重要な要素なのである。


 飛来した連合軍の航空部隊に先制攻撃を許してしまった艦載機部隊は、もう既に大きな損害を出していた。3回のミサイル攻撃で5分の1の機体が撃墜され、残ったホーネットのうち何機かは確実にミサイルを回避するため、ハープーンを投棄してしまっている。対空戦闘のために空対空ミサイルを搭載している機体もあるが、あくまでもそれは敵の艦載機部隊に攻撃を加えて数を減らし、確実に対艦攻撃を成功させるためのものだ。それに対してステルス機の部隊は航空部隊の撃滅を最優先にしているため、対艦ミサイルも装備しているものの、あくまで主眼は空戦である。


 仲間たちを散々叩き落したステルス部隊はすぐに散開すると、生き残ったホーネットを叩き落すために戦闘を開始した。


 操縦桿を倒し、正面から機関砲を連射しながら突っ込んできたF-22を回避するパイロット。減速しつつ急旋回して背後を取ろうとした彼は、一瞬だけだが、愛機のキャノピーのすぐ外を上昇していったPAK-FAに描かれているエンブレムと、その機体のコクピットに乗るパイロットをはっきりと目にした。


 2枚の深紅の羽根のエンブレムが主翼と垂直尾翼に描かれたPAK-FAの機首には、これでもかというほど撃墜マークが描かれていた。見えやすいように紅いマークで描かれているが、機首の左側がそれで真っ赤になってしまうのではないかと思えるほどの数の撃墜マークがついている機体に乗っていたのは―――――――特注品なのか、長い耳を外に出すための穴がついたヘルメットを装着した、エルフかハーフエルフと思われる女性のパイロットだったのである。


 深紅の羽根が2枚描かれているエンブレムは、最強の傭兵ギルドであるモリガンのエンブレムである。そして女性のパイロットが乗っていたという事を確かに目にした彼は、14年も昔に勃発したある戦いで、奴隷にした転生者から壮絶な戦いを繰り広げた1人のエースパイロットの話を聞いたことを思い出した。

 

 撃墜されてもおかしくない損傷を受けながら、たった1機で無数の新型ステルス機の部隊を返り討ちにしたエースパイロットの物語。ウェポン・ベイのハッチが外れ、2基のエンジンのうち片方が完全に機能を停止した状態で、火達磨になった戦闘機を操って奮戦した、モリガンに所属するハーフエルフのエースパイロットの物語である。


 そのコールサインは―――――――”ヴェールヌイ1”。


(まさか…………!)


 敵はモリガン・カンパニーと殲虎公司ジェンフーコンスーとテンプル騎士団の連合軍。中にはモリガンの傭兵たちもいるという。だからこの航空部隊の中に、その伝説のパイロットがいてもおかしくはない。


 その瞬間、キャノピーの中へと入り込んでいた日光が、消えた。


 はっとして旋回しながら左側に広がる天空を見つめた彼は、絶句する。


 今しがた旋回するホーネットのすぐ近くを急上昇していった撃墜マークだらけのPAK-FAが、太陽を背にしながら失速し、機首をまだ旋回している途中の彼の機体へと向けていたのだ。


 天空へと急上昇した状態でのクルビット。しかもそのまま失速を維持し、バランスを取りながら、重力を利用して一気に距離を詰めてくる。


 彼は慌てて回避しようとしたが―――――――まるで両腕に重い鉄球を落とされたかのような猛烈な衝撃を感じた次の瞬間には、機体もろとも炎に包まれていた。


 ヴェールヌイ1というコールサインを与えられたミラ・ハヤカワが操るPAK-FAが、ホーネットが回避するよりも先に機関砲を一瞬だけ発射し、正確にキャノピーとコクピットを吹き飛ばしていたのだ。操縦桿を倒そうとするパイロットの両腕を食い破った機関砲はホーネットのコクピットをあっという間にズタズタにすると、すさまじい運動エネルギーでパイロットの人間を吹き飛ばしてしまう。


 主を失ったホーネットは機首を燃え上がらせながら回転を始め、まるで大気圏へと突入する隕石のように燃え盛りながら、海面へと消えていった。












「敵艦隊よりミサイル飛来! ハープーンです!」


 CICに設置されているモニターを見つめながら、俺は息を吐いた。いくら近代化改修で強化されているとはいえ、あくまでもジャック・ド・モレーは第二次世界大戦で活躍する筈だった戦艦だ。後続のキーロフ級やソヴレメンヌイ級のように、ミサイルで攻撃するような現代の回線を想定して設計された艦ではないため、敵のレーダーにははっきりと映ってしまう。


 それゆえに隠密行動は全く期待できない。むしろ、隠れることを考慮していない。


 ステルス性を駆使して敵のレーダーに映らないようにしつつ敵艦の位置を探り、先にミサイルを叩き込んだ方が勝者となる現代戦では、はっきり言うと何の役にも立たないような存在だ。ステルス性が全くないからすぐに敵艦に発見され、先制攻撃を許してしまうのは当たり前。しかも動きが鈍重だし、装甲が分厚いとはいえ対艦ミサイルが立て続けに命中すればあっさりと轟沈してしまう。


 しかし―――――――船体が大きいおかげで、この艦にはこれでもかというほど迎撃用の兵器が搭載できた。3M47グブカに加え、機関砲と対空ミサイルを併せ持つ『コールチク』と呼ばれる装備も搭載している。下手をしたら敵艦との戦闘よりも接近してくる航空機を撃墜するような戦闘の方が得意なのではないかと思えるほどの分厚い弾幕を張ることができるのである。


 やはり、戦艦の利点はこれでもかというほど武装を搭載できる点だろう。ちょっとした要塞である。


 更に副砲の代わりに搭載した、ロシア製速射砲のAK-130も搭載されている。砲弾と対空ミサイルと無数の機関砲の弾幕を掻い潜れる航空機など存在しないと断言できるほどの装備だ。


「全艦、対空戦闘!」


「グブカ、コールチク、迎撃準備完了。AK-130も準備よし!」


「いいか? 目的はあくまでも敵艦隊を突破し、あの兵器を破壊することだ。最大戦速を維持しつつ敵艦隊を突破し、可能な限り早く敵の兵器を撃破する。敵艦隊にはまだ攻撃するなよ? 無駄弾の消費に貢献してやるなら構わんぞ」


了解ダー


「ついでに、敵艦隊の位置を味方艦隊に送信してやれ」


 俺たちが引き返してくるころには、敵艦隊は海の藻屑になっているだろうか? 


 テンプル騎士団艦隊の先頭を進むジャック・ド・モレーの巨体が、32ノットの速度で航行していく。近代化改修のおかげで機関部を強化されたこの戦艦は、分厚い装甲と凄まじい数の武装を持つ巨体には全く似合わない速度で海を進んでいく。


「艦長、アドミラル・クズネツォフより艦載機が出撃しました」


「Su-33か?」


「いえ、Su-34FNのようです」


Su-34(フルバック)か」


 Su-34は、ロシアで開発された複座型の『戦闘爆撃機』と呼ばれる機体だ。敵の機体を撃ち落とすことが目的の戦闘機と比べると小回りは効かないとはいえ、重武装の機体とは思えないほどの機動性を持つ上に、対地攻撃用のミサイルや爆弾を数多く搭載することのできる機体である。2人乗りの機体で、操縦するパイロットは前後に並んで乗るのではなく、左右に並んで操縦する。


 今しがた親父の乗るアドミラル・クズネツォフから飛び立ったと報告されたのは、それを海軍用に改良したSu-34FNと呼ばれる機体である。機動性よりも火力を重視した機体を出撃させたという事は、おそらく対艦ミサイルを装備させて敵艦隊の攻撃に投入するのだろう。現在、敵の艦載機部隊はいきなり襲来したステルス機部隊によって攻撃を受けており、足止めされている。


 しかし敵艦隊もノーガードというわけではない。当たり前だが迎撃用のミサイルや機関砲があるし、空母も艦隊を防衛するための艦載機をまだ残している筈だ。そのまま正面からミサイルを撃てば迎撃されるのが目に見えているし、艦載機に潰される可能性もある。


 親父はあの転生者戦争の生き残りの1人である。現代兵器同士が激突した激戦の生き残りならば、そういう事を理解している筈だ。あの男はいったい何を考えているのだろうか?


「…………?」


「ラウラ?」


 突然、CICのモニターを見つめていたラウラがぴくりと動いた。少しだけ目を開きながら足元を見つめ、首を傾げ始める。


「どうした?」


「何か聞こえた」


「え?」


 機関室の音じゃないのか?


 ラウラが最も優れているのは視覚だけど、聴覚もそれに匹敵するほど鋭い。はっきり言うと、視力と聴覚では完全に俺どころか親父や母さんまで上回っている。簡単に言うならばラウラは”センサーの塊”だ。だから遠くにいる敵の足音も察知できるし、CICからでも機関室の音を察知できる。


 けれど、最大戦速で航行中とはいえ、機関室の音はさっきからずっと響いている筈だ。ならば彼女が聞き取った音は別の音という事になる。


「スクリュー音…………?」


「スクリュー…………? おい、敵の―――――――」


 レーダーを担当する乗組員に尋ねようとした次の瞬間だった。敵の反応が映し出されるモニターを覗き込んでいた乗組員がこちらを振り向くと、嬉しそうに笑いながら報告する。


「敵艦に魚雷が命中! 味方の潜水艦です!」


「せっ、潜水艦!?」


 ちょっと待て、作戦説明の時は潜水艦が配備されているなんて説明されなかったぞ!? まさか、味方にまで潜水艦の存在を隠していたのか!?


 とはいえ、敵の潜水艦ではなく味方の潜水艦ならば心強い。


「ミサイル接近!」


「迎撃開始!」


斉射サルヴォー!!」


 魚雷攻撃を受けている敵艦隊から放たれたハープーンが、次々にジャック・ド・モレーや後続の艦隊に飛来する。けれど、このジャック・ド・モレーには迎撃用の装備が山ほど装備されているし、シュタージのメンバーが乗るキーロフ級の『ビスマルク』にも、同じようにコールチクが装備されている。


 ハープーンが飛来するが、グブカやコールチクから放たれるミサイルに迎撃され、ジャック・ド・モレーの装甲を食い破ることができずに砕け散っていく。それを振り切って接近するミサイルもあるが、更にそれをコールチクに搭載されている機関砲と、何基も搭載されているAK-130の対空砲火が阻む。


 モニターに表示されるミサイルの反応が凄まじい勢いで減っていき、やがて完全に消え去る。もちろん突破を許したミサイルは1発もないし、こっちの艦隊は未だに無傷だ。


 先ほど連合艦隊が大打撃を受けた攻撃では、テンプル騎士団艦隊は親父から別行動をするように命令されており、艦隊から離れるように舵を切っていたため、幸い損害を受けることはなかった。


 しかし、あの攻撃で散っていった仲間たちのためにも、必ず攻撃を成功させる必要がある。


「追尾してくる敵艦は?」


「ありません。敵はどうやら忙しいようです」


 それはそうだろうな。潜水艦と対艦ミサイルを積んだ艦載機に狙われてるんだから。


 モニターを見ると、敵艦隊の輪形陣の側面をもう既に突破していた。このまま突き進めばあの攻撃を放った敵の正体があらわになるんじゃないだろうかと思っていると―――――――やはり、魔力の反応を感知する魔力レーダーに、強烈な反応が現れた。


 レーダーを使わなくても感じられるほどの強烈な魔力の反応。全方向から圧力をかけられているため、束縛されている魔力の塊が高圧縮され、それに抗うかのように膨張を続けていく。


 やはりあれは、ゲイボルグか。威力が全然違うという事は、改良型か発展型の可能性がある。


「敵の兵器を確認!」


『タクヤ君、聞こえる?』


「はい、カレンさん」


『やっぱりゲイボルグね。この感じ、あの時と同じですもの』


「ええ」


 21年前のナバウレアで感じたあの魔力の反応よりも強烈だけど、雰囲気は本当にそっくりだ。


 確かあの時は、ゲイボルグに先制攻撃されたんだ。けれどもフィオナちゃんが警告してくれたおかげで回避することができたし、砲撃してきた地点にカレンさんが正確に砲弾を叩き込んでくれたおかげで、ゲイボルグは呆気なく消滅した。


 あの時の砲手が、今度は超弩級戦艦の主砲を担当する。


 しかし、まだ主砲の射程距離ではない。対艦ミサイルの方が射程距離が長いので、まず最初に対艦ミサイルで攻撃する。もしそれで仕留められないのならば距離を詰め、また砲撃される前に艦砲射撃で止めを刺す!


「ゲイボルグ、対艦ミサイルの射程距離に入ります!」


「よし、まずは対艦ミサイルでの攻撃を行う。モスキート、発射用意」


了解ダー、モスキート用意」


 ジャック・ド・モレーの艦橋の両脇には、ソ連で設計された『P-270モスキート』と呼ばれる対艦ミサイルが装填されたキャニスターが、片側に5基ずつずらりと搭載されている。キャニスターは4連装であるため、片側だけでも20発のミサイルが発射可能なのだ。


 つまり、両側で合計40発。敵の空母どころか戦艦大和ですら呆気なくスクラップにできるほどの火力である。


 しかもこのモスキートは、敵との距離が近くなるといきなり軌道を変えて回避運動を始めるミサイルだ。やや旧式の対艦ミサイルだが、破壊力は圧倒的である。


『こちらビスマルク。こっちも準備できたわ』


『外すなよ、坊や(ブービ)!』


『ミサイルを外すわけないだろ、バカ!』


「よし。…………全艦、ミサイル攻撃開始! 撃て(アゴーニ)!!」


「第一波、発射アゴーニ!」


 俺が命令を発した直後、後続の艦隊から立て続けにミサイルが放たれた。


 目の前にあるモニターに投影されたミサイルの反応が、一番奥にあるゲイボルグへと突っ込んでいくのを見守りながら、俺たちは息を呑んだ。



 


 

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