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三つ巴と共闘


「お前たち、次はヴリシア帝国に行くつもりだろ?」


 次の目的地を言い当てられた俺とラウラは、炎天下の真下にいるというのにぞくりとしてしまった。まあ、親父なら俺たちの目的地を把握していてもおかしくはないんだが、こんなふうに目的地や考えていることを言い当てられると、まるで真冬の雪山の中に放り込まれたかのようにぞくりとしてしまう。


 そう、俺たちの次の目的地はヴリシア帝国だ。オルトバルカ王国から見れば西側に位置する大きな島国で、大昔から吸血鬼にまつわる伝説が多く語り継がれている国でもある。それに、産業革命が起きた後はオルトバルカ王国に出遅れたものの、近年は急激な発展を続けており、オルトバルカに追いつきつつあるライバルのような国である。実際、今のオルトバルカ王国とまともな戦争ができるのはヴリシア帝国だけだと言われており、もしこの両国で戦争が始まれば、瞬く間に世界大戦が始まってしまうレベルだという。


 今は列強国同士で睨み合っている状態だ。そのライバルの国へと、俺たちはこれから旅立つ予定だったのである。


 目的は、そこに保管されているという最後の1つの鍵。手に入れた者の願いを叶える力を持つというメサイアの天秤を手に入れるために必要な、重要な鍵なのだ。虐げられている人々の救済のためにも、俺たちはその鍵を手に入れなければならない。


 多くの演劇やマンガの題材になる有名な伝説の天秤だが、実在するか否かは大昔から不明のままで、メサイアの天秤の話はまさにおとぎ話でしかなかった。しかし、メウンサルバ遺跡で発掘された資料に『実在する』と明記されていた事から、天秤が存在するという事が明らかになったのだ。


 そのことを知っている冒険者はまだほとんどいないだろう。だが――――――――狙っているのは、俺たちだけというわけではない。


 この目の前にいる俺の〝新しい父親”も、どうやらその鍵を狙っているようなのだ。実際、倭国では2つ目の鍵を巡って一戦交えている。


 まさか、鍵をここで渡せと言い出すんじゃないだろうな? こんなところで親父と戦うつもりはないが、もし俺から鍵を奪うつもりならば…………戦うしかない。左手を腰のホルスターへと伸ばし、中に納まっているPL-14のグリップを掴もうとする。


「やめとけ。俺は子供たちと喧嘩しに来たわけじゃねえ」


「じゃあ、何でその話を?」


「ああ、ちょっと今のヴリシアは危険だ。忠告だよ」


 息を吐き、肩をすくめながら親父は言った。その気になれば丸腰でも戦車をぶっ壊しそうな男ならば、もし仮に完全武装したテンプル騎士団を相手にしても単独で壊滅させることはできるだろう。しかし、この男に育てられたからなのか、本当に親父が俺たちから鍵を奪うつもりではないというのは理解できた。本当に奪うつもりならば、この男はもっと俺たちを威圧する。警告と言わんばかりに、鍵を渡さなければ命はない、と威嚇するのだ。その威嚇のフェンスを乗り越えて進撃してくるようならば、親父はやっと火を噴く。


 敵となる相手が目の前にいるというのに、その威嚇がないのだから、本当に戦うつもりはないのだろう。


 まあ、もし実際に戦う羽目になったら壊滅は確定だな。何しろここにいる相手は、あの伝説の吸血鬼を単独で討伐した最強の転生者なのだから。


 今の俺たちでは――――――――絶対に勝てない。


「ヴリシア帝国が危険ってどういうことだ?」


「確か、あそこは治安が良い筈だよ?」


「ああ、そうだな。治安の良い国だ。旅行にはもってこいだが……………お前たち、あそこが何の国って言われてるか、知ってるか?」


 ヴリシア帝国は、オルトバルカ王国よりも歴史のある国だ。俺たちの仲間であるステラが生まれるよりもずっと昔からある西の島国で、大昔は信じがたい事に人間と吸血鬼が共存していた時期もあったという。


 身体能力の高い吸血鬼が人間を守る代わりに、その吸血鬼に人間の血をささげる。そのような仕組みを作り、島の中で共存していたというのだ。今ではプライドの高い吸血鬼が他の種族を見下し、レリエル・クロフォードの元に集って世界を征服した吸血鬼を危険な種族だとみなした人類により、絶滅寸前に追い込まれている。だから、今ではそんな関係だったというのは信じがたい。


 ヴリシア帝国には、その吸血鬼の伝説も多い。レリエル・クロフォードが封印されていたというダンジョンに指定された洋館も、そのヴリシア帝国の森の中にあるという説があるほどだし、レリエルが世界を征服した際に本拠としたのがヴリシア帝国なのである。


 それに、親父たちがレリエルと初めて戦ったのもそこだ。


 それゆえに、ヴリシア帝国にはちょっとした通称がある。


「――――――――吸血鬼の国?」


 俺が答える前に、ラウラが小声で答えた。答えが合っているかどうか不安だから小声になったのだろう。外れているかもしれない、というラウラの不安が、幼少の頃から一緒にいる俺の心の中にも伝播する。


 もし今すぐに「大丈夫だよ」と心の中で言えば、彼女にも伝播するだろうか。なんとなくとはいえ、彼女の思考を仕草や行動を介して受信し、そしてこちらも仕草や行動を介して送信しているのだから、出来ないことはないだろう。


「正解。そう、あそこは吸血鬼の国だ。元々あの国は、奴らの総本山だった」


「だが、今はもう人間の国だ。吸血鬼なんてどこにもいない」


「何故そう思う?」


「奴らのキングは、死んだ」


 あんたが殺したんだ。今から11年前に、数多の騎士団を返り討ちにしてきたこの世界で最も恐ろしい怪物をたった1人の怪物が葬った。そう、目の前にいるこの男がその時の怪物だ。怪物の王を王座から蹴落とし、王座に腰を下ろして王冠を手に入れる。そしてそれをかぶり、数多の怪物たちから畏怖される。怪物の王の称号を手に入れたのはレリエルではなく、お前だ。


 レリエル・クロフォードの死により、ただでさえ瓦解する寸前だった吸血鬼たちが本格的に衰退したのは言うまでもない。各地で人間に狩られ、生け捕りにされて珍しい奴隷として商品にされる。プライドの高い彼らからすれば、発狂してしまってもおかしくない扱いだろう。かつては最も優れた種族だと自負し、人間たちを食料や奴隷とみなしていた吸血鬼が今ではこの有様だ。男の奴隷は過酷な労働で潰されていき、女の奴隷は問答無用で犯される。けれども、再生能力に目を付けられて魔術師たちに人体実験の日検体にされた哀れな奴らよりはまだマシだろう。今頃、どこかで手足を切断されたり、身体中を燃やされて絶叫している吸血鬼がいるかもしれない。


 人間にとって、没落した吸血鬼はそのようなものだ。人間はいくら麻酔で痛覚を奪ったり、止血しても痛みを与え過ぎれば死ぬ。だけど吸血鬼は、弱点で攻撃しない限り再生し続ける。はっきり言えば〝決して壊れない、便利な実験材料”なのだ。そういう用途もあるからこそ、奴隷売り場では高い値が付く。


 まあ、もしそんな奴らがいたら助けてやりたいところだ。俺だって虐げられる辛さは知っている。彼らの同胞をラトーニウスと雪山で葬っているけど、助けることはできるだろう。


 しかし、父親が彼らを絶滅という崖下へと突き落としかけたのだ。俺たちも、きっと恨まれているに違いない。


「ああ、そうだ。レリエルは俺が殺した」


「相手の大将はもういないんだ。まだ吸血鬼は残ってるみたいだが、もう戦う力は―――――――」


「―――――――だが、まだ女王クイーンがいる」


 親父の言葉を聞いた瞬間、呼吸が止まったような気がした。


 レリエル・クロフォードは11年前に死んだ。そのレリエルこそが、吸血鬼の王。奴がいなければ数の少ない吸血鬼はただの烏合の衆だ。プライドが高い彼らを統率できるカリスマ性を持つのは、レリエルしかいなかったという事だ。


 だが…………女王クイーンがいるというのは、どういうことなのか。


「レリエル・クロフォードの後継者…………?」


「そう。…………王を失った国では、新しい王が必要になる。その王座にいるのが女王だ。……………お前たちも、吸血鬼と交戦したことはあるだろう?」


「ああ。雪山でキモいやつと戦ったし、ラトーニウスではあんたを恨んでるやつと戦ったよ」


「フランシスカか……………。エミリアから聞いた。まさか吸血鬼になってるとはな…………」


「それで、その女王ってのは何者なの? レリエルの後継者になる吸血鬼という事は…………」


 親父は静かにシルクハットを目深にかぶると、天空へと向けて伸びるタンプル塔の一番巨大な大砲に触れた。灼熱の太陽に毎日晒されている土台は、間近で見るとただの城壁にしか見えない。大地から天空へと伸びた柱の表面に触れながら、親父はぽつりと答えてくれた。


「―――――――アリア・カーミラ・クロフォード」


「え?」


 アリア? それがその女王の名前なのか?


「かつて、レリエルの側近だった少女だ。今頃は立派なレディになってると思うが…………吸血鬼は老い難いらしくてな。きっとまだ可愛らしいお嬢さんのままだろう」


「そいつと戦ったことは?」


「ある。…………元々生命力が強い吸血鬼だったのか、銀で攻撃してもなかなか死なない奴だったよ」


 銀で攻撃されても、死なない。中には聖水をかけられても死なないし、日光を浴びても平然と生活する吸血鬼もいるという。そのような種族の弱点を無視したかのような吸血鬼は、ごくまれに姿を現す。そのような吸血鬼は、大概大昔から生き続けている吸血鬼か、その血縁者なのだ。


 おそらくアリアもその1人なのだろう。


「しかも奴は、何度もレリエルの血を吸っている」


「おいおい……………」


 それって、レリエル並みの力を手に入れてるって事か?


「おそらく、現時点で最もあの男(レリエル)に近いのはあの小娘だろう。―――――――そのアリアが、ヴリシア帝国に潜伏している」


「……………!」


 お前たちに勝ち目はあるのかと問われているような気がした。現時点で俺たちは2人の吸血鬼と戦った経験があるが、雪山で戦ったあの吸血鬼はなかなか手強かった。自分の弱点では死なない、強力な吸血鬼。あらゆる吸血鬼の上に立った男が、ごく普通の吸血鬼である筈がない。


 そして戦闘力も、間違いなくあの吸血鬼よりも高い筈だ。もし仮にあの雪山で戦った吸血鬼が下っ端だったとしたら、アリアと言う吸血鬼の戦闘力は計り知れない。


 ああ、確かに全滅するかもしれない。いきなりラスボスに挑むようなものだ。


「奴らも鍵を狙っているようでな。おそらく、3つ目の鍵は既に奴らの手中にあるだろう」


「くそったれ」


 つまり、鍵のためにラスボスに戦いを挑むって事か!


 親父の時みたいに鍵だけ奪って逃げる事ができれば良いんだが、今度は1人1人がキメラ並みの戦闘力を持つ吸血鬼たちの総本山に攻め込むことになる。倭国の時のように、見張りを排除しながら進むという作戦は使えない。


「そこでだ。俺たちと協力しないか?」


「なに?」


 モリガン・カンパニーと強力だと?


 あんたらも鍵を狙ってるんだろ? 競争相手と共闘したとしても、鍵は1つだけだ。その共闘の後でどちらが鍵を手にするのか、そこで仲間割れが起こる可能性があるだろ?


 親父は何を考えてんだ?


「近々、ヴリシア帝国の吸血鬼に襲撃を仕掛けることになっててな。モリガン・カンパニーと、李風リーフェンの率いる『殲虎公司ジェンフーコンスー』との共同作戦だ」


「李風さん?」


「ああ、覚えてるだろ?」


 幼少の時に何度か会ったことのある、中国出身の転生者の名前だった。


 フルネームは『張李風チャン・リーフェン』。かつてはネイリンゲンを壊滅させた〝勇者”と呼ばれた転生者の部下だった男らしいけど、親父たちとの戦いを経験して勇者に反旗を翻し、共に勇者の撃破に成功している。


 数多の転生者同士がぶつかり合った、『転生者戦争』の英雄でもある。現在は当時の作戦で生き残った仲間を率いて、異世界初の大規模PMC(民間軍事会社)となる『殲虎公司ジェンフーコンスー』を設立し、世界中に現代兵器で武装した傭兵を派遣しているという。


 その殲虎公司ジェンフーコンスーとモリガン・カンパニーが、共同で吸血鬼を殲滅するのだという。テンプル騎士団も加えてくれるのはありがたいが、俺たちが出る幕は果たして残っているのだろうか?


 転生者戦争を経験した熟練の兵士たちが戦場へと向かうのだ。彼らから見れば俺たちは新兵のようなものである。


「李風のPMCは兵士の人数が多い。だが、吸血鬼を相手にするにはもう少し兵力が欲しい」


 なるほどね。その「もう少し」が俺たちって事か。


「どうだ? お前らだけで突っ込んで全滅するより、みんなで派手にやった方が良いだろ? パーティーみたいなもんさ」


 単独で突っ込めば、巧く行けば親父たちを出し抜いて3つ目の鍵を手に入れる事ができる。だが、そうすれば難易度は上がるし、何より吸血鬼以外にも親父たちとも争奪戦を繰り広げる羽目になる。しかも親父たちは、李風さんのPMCと共に攻め込んでくるという。


 兵力を敢えて教えておくことで、俺たちを釘付けにする作戦か。出し抜こうとすればこうなるぞと結果を見せ、俺たちが出し抜けられないようにしたつもりなのだろう。


 確かに、吸血鬼の下っ端に苦戦している俺たちでは奴らの親玉を倒すのは不可能だ。しかも、後方からは大兵力を引き連れた最強の怪物が攻め込んでくる。その真っ只中で鍵を見つけ、無事に離脱するのはどう考えても無理だ。


 こいつは、俺が賭け(ギャンブル)を嫌うという事を知っている……………!


「……………タクヤ、パパの言うとおりにしよう」


「そうした方が良さそうだ」


 前門の虎と後門の狼を同時に相手にするよりも、後門の狼の群れに紛れ込んで一緒に虎を襲った方がいい。そっちの方が生存率も上がるし、確実だ。


「賢くなったな。それでこそだ」


「ああ、だが鍵は俺らが貰うぜ?」


「ご自由に」


 あれ? 譲ってくれるの?


 親父も何か願いがある筈だ。だから海底神殿にリディアとエリスさんを差し向け、倭国では水から俺たちの目の前に立ち塞がった。天秤は目前という状況で最後の1つを譲るなど、考えられない。


「もし仮に、俺たちが本当に手に入れたら?」


「その時は、お前たちが鍵を渡したくなるような話をしてやる」


「……………なんだそりゃ」


 鍵を渡したくなる話? 言っておくが、鍵を手に入れた暁にはそのまま天秤を手に入れるつもりだ。そんな話を聞くつもりはないし、天秤ならば俺たちの願いを叶える事ができるのだから。


 鍵を譲りたくなる可能性なんて、0%から変動することはないだろう。


「まあいい。とりあえず、襲撃作戦は後で連絡する。それまでに兵力を集め、訓練させておけ」


 大砲の土台を触るのを止め、踵を返す親父。砂を孕んだ熱風と共に俺たちに届いた親父の言葉が、心の中で少しずつ冷えていく。


 襲撃作戦の実行がいつなのかは分からないが、はっきりと言わなかったという事は襲撃する日時も協議中という事なのだろう。とりあえず、俺たちはその襲撃作戦までに人員を集め、テンプル騎士団を大きくする必要があるようだ。

 

 それまでにどんな兵器が必要なのか、前世からミリオタだった俺の頭が早くも計算を始める。でも、その前に心の中で冷えていった親父の言葉が再び燃え上がったような気がして、俺は去っていく親父に問い掛けていた。


「親父、その鍵を渡したくなる話って何だ?」


 なぜ、問い掛けようと思ったのかは分からない。もしかしたらちょっとした好奇心が原動力になったのかもしれない。マンガの続きが早く読みたいから、すぐにページを捲る。リラックスした時間の中で感じる好奇心にも似た奇妙な感情だ。


 親父はその奇妙な感情に、更に好奇心を刺激するような答えを返してくれた。


「―――――――メサイアの天秤の………正体だ」


「「!?」」


 メサイアの天秤の、正体。


 願いを叶える魔法の天秤。ヴィクター・フランケンシュタインが作り上げた神秘の天秤の正体を、親父は知っているのか?


 嘘だ、と言いたくなったが、それを口にすることはできなかった。親父にそう言うよりも先に、ステラから前に聞いた話を思い出したのである。


 かつて、サキュバスたちは絶滅寸前の自分たちを救済するため、種族の中でも強かった戦士たちにメサイアの天秤の入手を命じて旅に出した。4人の最強のサキュバスたちは天秤を見つけたというが、最終的に帰ってきたのは、片腕を失うという重傷を負ったサキュバスの1人の戦士だけ。しかも天秤を手に入れることは出来ず、その戦士もすぐに死んでしまったという。


 そのサキュバスのパーティーに、一体何があったというのか。天秤を見つけた筈なのに、どうして持って帰ってこなかったのか?


 そして、なぜガルゴニスは天秤を手に入れようとする俺たちを止めた?


 もしかすると、俺たちが手に入れようとしている天秤は――――――――危険な代物なのか?


「待ってくれ、親父。天秤の正体は――――――――」


「―――――――兄さん、そろそろ戻らないと。会議あるんでしょ?」


「ああ、そうだな。……………すまんな、2人とも。またあとで」


 今ここで天秤の正体を聞こうと思ったんだがシンヤ叔父さんに会議があると告げられた親父は、俺の問いを聞くよりも先に手を振ると、そそくさとスーパーハインドの兵員室に乗り込んでしまう。


「悪いが、ノエルを頼んだぞ」


「おい、待て―――――」


 ヘリのメインローターが回転を始め、俺の声を飲み込んでしまう。手を伸ばしながらヘリに向かって走るが、親父とシンヤ叔父さんを乗せた黒いスーパーハインドはゆっくりと浮き上がると、砂を巻き上げながら高度を上げていき、メインローターの轟音を響かせながら王都へと機首を向けて飛び立っていく。


 残念ながら、キメラに空を飛ぶ能力はない。撃墜しない限り、親父から話を聞くのは無理そうだ。


 俺はため息をつきながら、「パパ、バイバーイ!」と大きな声で父親に別れを告げるノエルを見つめた。


 まず、彼女も訓練した方が良いだろう。それに、配属先も決めておかないと。


 親父が残した不安は、早くも俺の心の中で芽を出していた。


 




 おまけ


 ナタリアが探偵をやるとこうなる


ステラ(警部)「ナタリア、こちらです」


ジョシュア(死体)「……………」


ナタリア(探偵)「この人が被害者?」


ステラ「はい。名前はジョシュア・マクドゥーガル。ラトーニウス王国の貴族です。死因は身体中を斬りつけられたり、焼かれてます。あと銃で撃たれた痕も」


ナタリア「……………か、かなり恨まれてたみたいね」


ナタリア(と、とりあえず頑張らないと。私探偵なんだし)


ステラ「それで、容疑者はこちらのみなさんです」


力也(17)「……………」


エミリア(17)「……………」


エリス(18)「……………」


タクヤ「……………」


ラウラ「……………」


ナタリア(くっ…………犯人はいったい誰なの…………!?)


タクヤ(全員じゃねえか)


 完


※ジョシュアの死因

魔剣で再生できる事をいい事に、殺されまくりました。

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