表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

見知らぬ廃村

二話です。この小説、書き換え前提です

 どんよりと曇った空。じめじめと湿気た空気。そして、雑多に並ぶ廃屋の群れ。この風景……廃村か何か、なのだろうか? しかし、これは何というか……。


「如何にも、って雰囲気……」


 そんな曖昧な形容が不思議としっくりくる。


 そこは瓦礫の山も多かったのだが、そのゴミ山と廃屋との違いなど、微々たる物のように思えた。少なくとも、ここはとても人が住むような場所とは思えない。そんな場所へ自分を拉致した黒幕とは……そして、その目的は一体……。


 右から左へ。ゆっくりと視線を動かしていると、左奥に何やら大きく開けた場所があった。

 見た所、瓦礫の山も、朽ちかけたボロ屋もない。代わりに枯れ木が数本立っている。広場のような場所、なのだろうか。


「……ん」


 近づきつつ目を凝らしていると……。


「人影……?」


 それも一つではない。何やら大勢の人間が広場のあちこちに立っていた。

 ホッとした安堵感と、警戒心が同時に押し寄せた。すぐに駆け寄りたい気分を抑え、まずは状況をよく整理する事にする。


 彼らは黒幕側の人間ではないだろうか。だとすればここで迂闊に出て行くのは危険な訳だが……。まあ、恐らくその線は薄い。

 もし、奴らが黒幕で、尚且つ私に危害を与える意思のある人間たちなら、わざわざあのような「オモテヘデロ」などという怪文書を書き置きしたりはしないだろう。


 では、もしやこの場所の村人……か? いや、それも違うか。まあ大方察しはつく。恐らくは彼らも私と『同類』だ。


 反射的にゴミ山に隠れて目を凝らしてみたが、全員の服装にはまるで一貫性がない。スーツに学生服、軍服のような姿の人間までいる。そしてそのどれもが少なくともこの見窄らしい風景に似つかわしくない程には子綺麗な格好……この村に住まう住民と考えるのは自然ではない。


 やはり自分と同じように連れ去られてきて、右往左往している、といったところか。



 …………格好と言えば……。そういえば私の格好は……。

 

 まあ、いいか。

 自分は広場へ向かって歩きだした。


自分の事自分って言うヤツ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ