十二官仕神の会談 前編
一方所変わって、“白き神殿”
今日は、十二官仕神達による会談の日。
「……あれ?おい、クロスフォル。ゼウスの奴はどうした?」
「んぁ、確か…風邪引いたから今日の会談は休むって言ってたな。……」
破壊神ルドラが運命神クロスフォル(クロト)と軽い会話をしていると、
「ヤッホー!!遅くなってごめん、待たせたね!!」
軽い会話は何処へ行ったのやら、創造女神ブルーフレアが大きな音を立ててやってきた。
「……ブルーフレア、少しは静かに来ることは出来ないのか?」
「……あ、すいませんでしたアルカディアさん。」
邪神アルカディアはクロスフォルの父親であり、彼の妻は治癒神として彼をサポートしている。そして、クロスフォルとブルーフレアは義姉妹の関係にいたる。
「……では、ゼウス殿が居ないので今回の進行役は私が行います。」
自ら今回の進行役にかって出た希望女神アグライア。彼女は実は、ゼウスの許嫁、即ち婚約者である。二人の結婚式は今年の初夏に行う予定だ。
「それでは、今回の議題は………」
「クロスフォルが地上界で活動している消去部についてだろ?」
今まで黙っていた海神ポセイドンが、重々しく言い放った。他の皆は少し驚いた顔をしている。
「おや、珍しいねぇ。ポセイドン君が会談で口を開くなんて。」
「うるせっ、ただ知っていただけだ。」