AP0.6年経ちました。
そうか、あれからもう6年経ったのか。
俺もちょっとは大人っぽくなったっていうのか。
左手の煙草がやけに似合う歳にも近づいてくるのか。
そういえば体力もちょっと落ちた。
こうやって俺も親方みたいに年齢に負けてお腹がぷっくらしてくるのか。
腹を摩る。腹筋に力を入れて気合い注入。
仕事の休憩中、なんとなく思った。
この仕事になってから使い続けてる、道具入れの袋の汚さが俺の努力と思い出をよみがえらせる。
油やほこりで黒ずんでいる、穴も少しあいてる。
「楽!はじめるぞ!」
親方からお呼び出しがかかった。
とりあえず返事してまた仕事が始まる。
高2からの大工の仕事ももう6年経つ。
俺も少しは頼られるようになった気がする。
でもそんなに頼りにされても、重い気もするけど。
仕事以外でも少し環境は変わった。
あれから彼女もちゃんとできた。結婚も視野に入れなければいけない。
ツレはほとんどデキ婚した。だから、少しプレッシャー。
じゃあ俺も作ればいい、作ろうと思えば多分出来る。
けど、嫌なんだ。はっきり言って、今の彼女と結婚したくない。
理由は彼女にない、ただ、俺は結婚するなら元彼女じゃなきゃ嫌だから。