行こう
プチ遠足では、色々あったがあれはあれで青春だ。
キラキラ青春を謳歌したオレたちは、遠足から帰ると、また退屈な授業に早戻りだ。
決まった席で、決まった時間座りっぱなし。
これは…まぁ、仕方ないね。
だから、たまにご褒美タイムってことでプチ遠足があるのかもしれない。
よいですよ。
うんうん。
そんな平穏な日常にのめり込むはずだったのに…
またまた事件勃発です。
女刑事は密かに潜む日常で微笑むとかでは、なく…
てか、なんだよ…女刑事とかどうでもいいので、闇に葬ります。
あ、てか…更年期の母ちゃんをプチ遠足からずっと脳みそに置きっぱだった。
まぁ、まだおいておこう。
脳内で熟成したら、更年期も治るかもしれないし。
それよりも…
最近、よく侑実が学校を休みがちになった。
先生いわく、体調不良らしい。
桜乃さんは、もちろんだけど…どうやら里香と由華も心配しているっぽい。
この前の休み時間に、里香たちが桜乃さんに、侑実からなんか聞いてる?とか言ってたもんな。
前は、あんなにプリプリ怒っていたくせに、やっぱり心配なんだな。
稜も、心配しているみたいだ。
侑実は、学校にいる時はそんなにしんどそうではないから、だからなおさら皆心配なのだろう。
それが事件か?って?
まぁ、それが引き金ってところでしょうか。
休みがちだった侑実が、今度はいきなり数ヶ月の休みとなったらしい。
なんか…手術?するとかしないとか。
検査入院ってことも囁かれている。
ちゃんとしたことは、わからない。
でも、なにかしらの病気らしいってことは、オレもわかる。
侑実が学校に来なくなってから、最近桜乃さんが里香と由華の三人で行動するようになった。
だから、自動的にオレたちの仲間が侑実から桜乃さんになったってわけだ。
侑実は、とにかく元気だったから桜乃さんがオレたちのグループに入ったことで、少し雰囲気が変わったように思う。
侑実が学校を休んでから、数週間が経った。
休み時間、みんなでくだらないおふざけをしていると、里香が急に
「明日って、みんなあいてる?」
と、珍しく土曜日みんなで集まろうよって提案してきた。
いち早くその言葉に反応したのは、稜だった。
「うん、行く!オレ暇ー」
って。
そして、篤人と由華も顔を見合わせて頷いた。
桜乃さんも。
それにつられてオレも、
「オレもいけるー」
と、返した。
土曜日の一時に、カフェ集合となった。
みんな集まり、テラスでのんびりカフェタイムを堪能していた。
ポカポカ陽気で、なんとも心地いい。
さっき起きたばかりなのに、また寝てしまいそうだ。
いや、せっかく桜乃さんもいるんだから、ウトウトしている場合じゃない。
アイスカフェラテの氷をストローでカラカラとまわして、グビッと流し込んだ。
うめぇ。
カフェラテを堪能していると、里香が
「もう…はじまってるね」
って、つぶやいた。
「え、始まっちゃったの?映画?今からだと次のじゃないと、もう間に合わなくない?」
稜の言葉に里香は、
「違うの。今日…侑実手術なの」
と、教えてくれた。
「「「「「えっ」」」」」
一同驚愕だった。
手術?
「侑実ちゃん…手術なんだ?」
桜乃さんも知らなかったみたいだ。
「うん、先週かな。侑実からいきなり連絡きてさ。今までごめん…勝手なことばっかりごめんって。由華にもごめんって言ったんでしょ?」
「うん。でも手術は、聞いてなかった」
「そうなんだ。やっぱり言いたくなかったのかもしれないね。でもわたしは…気になって聞いちゃったんだよね。で、色々久々に話して…桜乃のことお願いねとかさっ…そんなこと言われなくても仲良くしてるってのにさっ…侑実のやつ…っ」
里香がぼろぼろ涙を流しながら、一生懸命話してくれた。
稜は、里香にティッシュを差し出そうとして、なかったから背中をぽんぽんしていた。
結局、ティッシュは由華がウルウルしながら渡していた。
「行こう!」
オレの言葉に里香がパッと顔をあげた。
「行くって…」
「もちろん病院に」
「だな」
稜も賛成してくれた。
そもそも稜は、好きな人が手術なんだから、心配で仕方ないだろう。
それなのに、里香を気遣って優しく背中ポンポンしたりして、すごいな。
そして、皆も頷いて病院へと向かうことが決定した。
病院へと向かう途中、ふと思った。
ところで…なんの手術なん?って。
で…
手術室の前までくると、青白い男性と女性が椅子に落ち着きなく腰をかけているのがみえた。
そしてオレたちに気づいて、パッと立ち上がり
「もしかして侑実のお友達?」
と、侑実のお母さんらしき方が話しかけてきた。
「はい」
里香がそうこたえると、侑実のご両親が頬を緩めた。
「ありがとう。侑実も喜ぶわ」
お母さんが涙を流し、お父さんが目を潤ませながら、オレたちにお辞儀をした。
大変な手術なのだろうということが、ご両親から感じ取れる。
侑実…
大丈夫なのかよ⁉︎
続く。




