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平行世界〜魔空世界の戦い〜  作者: 雷神テンペスタ
魔空世界へのご招待

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第5話〜少女の過去〜

 俺達が家に入った瞬間だった。黒い影に俺は押しのけられていた。咄嗟に踏みとどまって倒れはしなかったけど、その影の正体である佳奈が俺の後ろにいた。千春に抱きついていた。いや、昨日の話を聞いていれば佳奈がこうなる事ってわかってたはずなんだ。


「……あ、あの〜?」


「……ッ!!ごめんね!ち、千春さん!いきなり抱きついちゃって〜!」


千春が声をかけると佳奈は咄嗟に離れいつもの調子で言っていた。心無しか目が赤い気がする。いや間違いなく泣いてたなあれは…


「はじめまして!!わ、私は遠藤佳奈!よろしくね!」


「あっ、こちらこそよろしく!」


「ごめん!えっちゃん!ちょっと私部屋に行ってるね〜!ばいちゃ!」


「あっ、おい!佳奈!」


 佳奈は、この場から逃げ出すように小走りでこの場から去って行った。思ってた以上に心の方は重症みたいだなぁ。


「……うち来ちゃいけなかったかな?」


「そんな事ないよ。大丈夫、ただちょっと、佳奈は衝動的に動いちゃったんだと思うの。」


千春が少し落ち込んだように言ったが絵里がそう言ってやっていた。うーん…


「絵里…俺ちょっと行ってくる。」


「…余計なお世話ってことは知ってる?」


「お前の行動はあいつとっては…」


 絵里に言ったら、少し呆れたような口調で言ってきた。大和も同様に。余計なお世話って事はわかってはいるが、俺はさっきの佳奈の姿を思い出しながら言った。


「だとしても、今の佳奈はほっとけない。」


 俺が本気なのを大和と絵里に真剣な目でそう言った。


「……はぁ…昔のあいつを思い出すよ。わかった、佳奈はお前に任す。」


「助かる。みんな俺ちょっと行ってくるな!自己紹介しててくれ!」


俺はみんなにそう言ってから佳奈の部屋に向かおうとした。


「はっちゃん!」


 千春に呼び止められる…何言われるかはわかってる。


「どうした?」


「うち、初めて会ったけど、救ってあげて。うちらの時みたいに!」


 その言葉を聞いて俺は昔を思い出した。…少しハードな気がするけど、千春もあいつみたいな時があったなぁ…


「やんちゃなお前の時よりかはハードな気がするけど。」


「それは言わない!はよいけ」


 俺はそう言って、今度こそ佳奈の部屋に向かって行った。




 -----------


 俺は今佳奈の部屋の前に居た。しかしなんて声をかければいいのかわからず、ずっと前にいた…ってここにいつまでもいても埒が明かないから意を決して、部屋のドアを叩いた。


とんとん!


『だれ?』


「俺だ!」


『え?オレオレ詐欺?』


「こんな至近距離でオレオレ詐欺するかあほ。」


『俺っちゃ詐欺?』


「まず詐欺から離れて!おれっちゃとか言ってねェ!!というか入れて!わかってるんやろ!!」


『ごめんごめん!入っていいよ!』


 最初に会った時のような漫才をした後に、俺は佳奈の部屋に入った。佳奈の部屋は可愛い感じの部屋だった。ピンク1色ってわけじゃないけど所々にピンクの家具があった、ベッドにはくまやシマウマの人形がありそこ佳奈は座っていた。


「で…何のようなのだね!」


 いつもの調子で俺に聞いてきた。無理してるってわかるっての。


「…その調子辛くないか?」


 俺がそう言うと、佳奈は途端に顔を変えた。


『なに?』


ほんとに…昔の千春そっくりだこいつは…


「…はぁ…せっかく落ち込む様子を見せないようにしてたのに」


「…出会って数日やけど、だいたいお前のことはわかってるつもりだ。」


「あら、それは嬉しいね〜!…それで?何しに来たの?」


「あっ…うん、ちょっとな」


 察しのいい人はここで俺が若干のコミュ障って気づくだろうな。俺は昔から大和や絵里達幼馴染がいない時は、いたって無口で何か話しかけられると、『あ…えっと』とコミュ障特有の話し方になってしまう。だから大和達がいない時は普通にぼっちだ。くそ、昨日ボッチじゃねぇって言ったのに認めちまった。


「…気になってな。お前の事が。」


「え?告白?」


「ちゃうわ!…こっちの千春の事でだよ。」


「…まぁ、あんなあからさまに動揺して逃げればそうだよね〜…」


 佳奈は、空元気にそう答える。


「ちょっと昔の話していい?私が小学5年の時の話…」


 佳奈は語り始めた。昔の話を…千春がまだ生存していた時の話だ…




 ーーーーーーーー



 それは、まだ私小学5年の時の話、この頃は兄さんもまだ魔王や悪魔に魅了されておらず、兄妹中も良好であった。この頃の私には問題があった。それは…


「邪魔ブス」


「さっさと大和さん達から離れな!」


「この劣等生が!」


 いじめ、1部の女子グループが靴や物を隠したり、今みたいに暴言を吐かれたりしていた、暴力はさすがになかったけどね。女子だし。ヤマ兄さんやあいつと一緒に居るからという馬鹿らしい理由、この頃にはあいつも悪魔殺しデーモンスレイヤーの資格を最年少で取得して、最年少取得者として注目を浴びていた。ヤマ兄さんはイケメンで成績優秀、魔力も高いそんな2人の隣にいる私はいじめを受けていた。でも屈してはなかった。だってこいつらの理由が理由だし。こんなもの無視すればいいと思っていた。


「はぁ…あんたも強情ね。さっと大和さん達から離れれば、こんな事しないのに。」


「そうよ!」


「劣等生のくせにそんなの事もわからないの?」


 私が通っていた小学校には、普通の小学校には無いはずのクラスカーストが存在していた。魔力で優劣を決めている感じ。このグループは、そのクラスカーストの上に位置する女子グループ。このクラスで1番威張り倒している。まぁ、あいつやヤマ兄が来るとその威張りも大人しくなるんだけどね。


「はぁ…劣等生劣等生うるさい。」


「あんた攻魔法や防魔法使えないでしょ!だからよ!」


 "使えない"んじゃなくて、"使わない"だけなんだけどね。目立ちたくないし…いやまぁ、兄さん達があんな感じだから、良くも悪くも目立つは目立つか。


「とにかく!今度大和さん達と一緒にいたら、もっと痛い目に「いい加減にして!!」


 いじめっ子の声を、遮ったのは千春。幼馴染であるが、5年は他のクラスで一緒のクラスになれなかった。


「さっきから聞いてれば、そんなくだらない理由で佳奈をいじめてるの!」


「何よ、三原さん。文句あるの?あんたもいじめ受けたい?あんたもそういや大和さん達と一緒にいるわね。大して可愛くない癖に。」


 は?千春の方が数千倍も、何百万倍もかわいいわ。調子乗んなブス


「あんたの方が可愛くないよ」


「あ?」


 千春は、正直に言った。うん潔くキッパリと。


「あんた達がやってる事はただの嫉妬!!親友に手を出されて、黙ってる私じゃない!!いつまでもいじめを続けるんなら!ヤマ兄や奎兄や学校に言いふらしてやる!!親友に!!!佳奈に手を出すな!!」


 千春は…ちーちゃんは怒りの形相でそして何より、いじめっ子3人を睨みつけながらそう叫んだ…ちーちゃん…気持ちはありがたいけど、ここは教室のど真ん中だし、あとすこしで授業始まっちゃう。なんて言えるわけないか、私のために言ってくれたわけだしね…


「…わ、わかったわよ!!もう遠藤さんには手を出さないわよ!!!」


 いじめっ子の1人は焦りながらそう言った。あいつやヤマ兄に言われると本当に立場が危うくなるからだろうけど。


「…謝って!今までしてきた事を!!佳奈に!!」


「…遠藤さん…今までごめんなさい。」


「「ごめんなさい。」」


 いじめっ子の3人は、謝ってきた。まぁ、いじめも無視してたわけだし別に気にしてないからいいか。


「あー…うん。いいよ別に反省してくれれば。」


「あ、ありがとう…」


「千春、あんたは教室に戻り?授業始まっちゃうし」


「反省したかもしれないけど、こいつら見張ってないと、また何かやらかすかもしれないし。」


「ちーちゃん」


 私が真剣な眼差しで呼ぶと、ちーちゃんは考えていた。


「…むぅ…わかったよ〜。漆原さん?絶対にやらないでよ?」


 ちーちゃんは考えた末に、いじめっ子の1人の漆原さんに釘をさしていた。


「わ、わかってるわよ!」


 ちーちゃんが言ってくれたお陰で漆原さん達からのいじめはなくなった。本当になくなるとは思ってなかったけど。ちーちゃんとの友情はこれからも続いていくんだと思った…あの時が来るまでは…

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