第3話〜そういう展開だったのね?〜
「意外と広いな。」
俺と絵里は佳奈に部屋に案内され、部屋の中に入った。その部屋は意外にも広かった、具体的に7畳の畳部屋だ。遅い説明になるが悪魔撲滅部隊デーモンバスターズがあるここは和風な外見がある一軒家だ。この世界の7人はこの家で住んでんだろうな。そういえば。
「学校とか行っとん?」
「あっ、それうちも聞こうと思ってた!」
「学校は普通にあるよ?今は春休みだから休みなんだ。それとみんなここで一緒に住んでるよ。」
佳奈は笑顔で説明してくれた。春休み?あぁ…ここの時間はこっちと同じなんだな。まぁ、みんな(佳奈以外)同い年みたいだし当たり前か。
「へぇ〜でもさ、普通の一軒家だけど、母さん。宮川美津無はどこなん?」
宮川美津無、俺の母さん、看護師。以上。
「あぁ〜お母さんとお父さんは今海外で仕事してるんだ。だから皆で暮らしてる。」
「…そっか、そっちにはお父さんいるんだな。」
…まぁ、内緒にするのもあれだから言っておくが、俺は前まで遠藤性だった中2の2学期の終わりに母さんが再婚して今の宮川性になっている。
「ちょっと不味かった?」
佳奈が心配そうにそう言ってきた。
「大丈夫大丈夫、少しずつだが慣れてきてる。まだ父さんって呼べないけど。」
「!だから距離縮まないんだよ!」
絵里がそう言ってきたが俺は今の距離感が1番ベストだと思ってる。無理に距離縮んだら変になるかと思うから。あんまりあの人のことわかってないし。
「まぁ、今はこの話はいいんだって」
「もう、まぁ大翔がいいならいいけどさ。あの人やなつ姉もそうだしねぇ」
「ハイハイ」
俺は話を受け流したこういう話は本当にデリケートだからな。自分で言うのもあれだけど。
「あっ、あのさ…話を聞いてほしいんだ…」
佳奈は、ちょっと複雑な顔をしながらそう言ってきた。
――――――――――
俺達は部屋に置かれていた椅子に座り話を聞いた
「…最初に会った時に言ったこと覚えてる?」
「あぁ、だから俺はここに来たようなもんやろ?」
「うん…でも本当は違うのあの言葉も、あのシチュエーションも…」
「か、佳奈?」
佳奈は、さっきよりも思い詰めた顔になった。どんどん暗くなっている(向こうのだが)妹にちょっと戸惑った。
「…回りくどく言うのは嫌いだから言うね…
兄さんは…この世界の宮川大翔は魔王に魂を売って裏切ったんだ。」
「……は?」
「…っ!」
俺は疑問に思いそう言っていた。でも佳奈は少し怯えたように顔を強ばらせた。
「大翔。」
絵里に言われて、自分の顔を向かいの鏡で見ると確かに怖い顔になっていた無意識に仏頂面になっていたようだ。
「いきなりで、ごめん…さっき言えばよかったんだけど…ハル兄、何だか緊張してたみたいだったから言えなかったんだ。」
「俺が?」
佳奈は申し訳なさそうな面持ちでそう言った。
「あー、確かに大翔って緊張するとあくびが多くなるもんね。」
確かに俺は緊張するとあくびするけどさ、無意識に出してたのか。
「だから、みんなさっき言うの躊躇ってたんだ。こっちの兄さんと一緒の緊張の仕方だったから。」
「…何か気を使わせちゃったみたいだな。」
「…いいの嘘ついたのはこっちだし…それでさっきの続きだけど、あの男は私達を裏切って魔王軍側に付いた。」
佳奈は真剣な目で再度言った。あの男呼びになったのが気になったけど。俺は聞いてみた。
「理由はわからないんだよな?」
「分かってる。あいつは…悪魔殺しを嫌悪してたから。」
「「嫌悪?」」
悪魔殺しを嫌悪?何故なんだ?一応国家認定の役職のはずだつまりその資格を取るために国家試験を受けたはずだろ
「…魔物の方にはいい魔物もいる…それに妖怪も交友は続いてる。妖怪は人間との共存関係が長年続いてるし。でも悪魔の方は人類その物を見下してる。アニメや漫画の悪魔とは違い人間と交友関係になる悪魔は1人としていないんだ。でもあいつは…」
佳奈は悲しそうに、そして怒りに満ちた顔を見せながら。
「魔王に魅了され、悪魔だけを愛する世界で初の人間になった」
俺達はその言葉を受け止めるしか無かった。そして何も言えなかった。怒りに満ちた少女を見たら、これはさすがにいい言葉は見つからない…
「あいつは…自己満足の為に自分の家族、親友を裏切ってまで魔王側に付いた。」
だったって事は、佳奈や大和達も最近知ったってことか。佳奈は少し口調も荒々しくなってる。
「私はあいつを一生許さない絶対に…あいつはここを去る時とんでもない置き土産を渡してきた…」
「置き土産…?」
「あいつは!!千春を殺してその亡骸を私の目の前に置いて去って行った!!」
「千春って…まさか!?」
「三原千春!?」
三原千春俺達の世界にもいる幼馴染の1人で後輩の女の子だ。そういえば、さっき居なかったと思った。大和達が居ない理由も…この世界の俺を血眼になって探しているんだな…
「だから、私はあいつを許さない!あいつに復讐するって誓ったんだ!親友のために!!」
佳奈は、怒りに満ちて…そして復讐者ような激しい表情になった。俺は佳奈の話を聞き1つ疑問に思った…何故その容姿と似た俺を呼んだのか。それも佳奈本人が。
「…何故佳奈が呼びに来たんだ?そんな憎いやつに似てる俺を」
それを聞き、さっきまで怒りに満ちた顔をしていた佳奈は笑顔に戻った。表情筋すげぇなおい。
「ハル兄を見た瞬間からあのクソ野郎と違うってわかったんだ。それに何かこの人は違うって思った。」
呼び方がクソ野郎になったのは気にしないでおこう。見た瞬間からか。
「買いかぶりすぎだぞ?俺はそんなに「…謙遜しないの」絵里?」
さっきから黙ってた絵里がそう言ってきた。何かずっと考えてたみたいだったしな。
「大翔が努力してたの知ってるんだよ?うちらが人気者でみんなの横に立つことを目指してるってことも。…そこが好きだけど…」
最後聞こえてたぞ…と思ったが何が言いたいのかわかった、確かに絵里は中学を卒業するまで学校一の美少女と呼ばれていた。他の幼馴染も容姿はイケメンや美少女だ。これが嫉妬の目線が相次ぐ訳でな、時には呼び出されては因縁を付けられる。まぁ返り討ちしてるわけだが。
「…正直、こっちの大翔がものすごくクズ野郎ってわかってほんとに…この大翔は優しくて友達思いな人だって、真逆な人だなって思った。」
「このって言うなこのって。まぁ俺も聞いてとんでもねぇクソ野郎って思ったさ。千春を殺したって聞いた時は本気でブチギレそうになった。よく聞く訳あり闇堕ちじゃなくて、正真正銘の悪堕ちだとも思わなかった。」
漫画やアニメで何かの訳で悪堕ちするキャラを何度も見てきた俺だが、こんなに反吐が出そうになるほど、嫌悪感が出ると思わなかった。それにそれが平行世界とはいえ俺だって話だ。この場合同族嫌悪っていうのかな?
「…やっぱり私達の見立て通り…あなたはあの人と違いいい人ですね…それに絵里さんも」
なんて考えてると、不意に声が聞こえ、後ろ向くとこの世界の絵里がここに来ていた
「絵里姉…まだそれ続けてんの?」
「それって言わない。絵里姉なんて言ったことないのに。絵里ちゃん寂しぞ?」
「それウザいよ?」
「うわ、ひどい。てか1人じゃ辛いと思ってさぁ。あいつの話をさせるのも気が引けるし。」
あれ?急に絵里の口調が砕けたぞ?
「えっちゃんだってあいつの話したくないでしょ?」
あぁ…つまりキャラ作りしてたわけね?
「絵里ちゃんもうちと一緒で砕けてたんだけど、大翔が来る前に面白そうだからってあの口調にしようってある人が言ってたんだ。」
絵里も1枚噛んでたと!?そんなん気づかんって!?
「もう…ハルくん、絵里。聞いての通りあのクズ野郎と魔王軍を倒すのを手伝ってくれるかな?」
絵里はそう言ってきた。絵里までクズ野郎って言ってるな。まぁ話の内容が内容だそりゃそうなる。だから答えは決まってる。この話を聞いて手伝わねぇクズは居ねぇだから俺の…俺達の答えは…
「「もちろん、任せて!!」」
こうして俺達の平行世界の敵が俺だとわかった瞬間だった。




