君が生まれた日。
真夜中に描いた一直線
瞼を閉じて夜にした
憂鬱な日々に引いた一直線
瞳を閉じて夢を見た
世界の裏側が見たいって
君は言った
その声が誰にも聞き届けられなくても
ただ真っ直ぐにひた走る 頭の上
遥か彼方のまだ届かない空
手にしたくても 毎晩通り抜けて行く
掴みたいんだ 星空よりも高く
同じ真夜中の時間に 誰かが手を伸ばした
君は一人じゃないよって言いそびれて
飛行機雲 流れていく
寝て起きて 傷ついては忘れようとした
何処までも高く 見渡す限りの空
昼間に溶けて夜に昇る
吸い込まれそう 何処までも落ちていく
宙の果て
星の光のように 輝きを残したくて
誰の目にも止まらなくても
この空を見上げたように 忘れたくなくて
時を刻む 心臓の鼓動
生きているのが世界なら
この時とともに 今を生きている
瞼を開いた真夜中に
もう一度輝いた一直線の光 本物の空
気づかずに瞳を閉じていた
今も追いかけている 君が生まれた光
ここに届いた 何億光年も前の生まれ変わり
繰り返して
網膜に映し出されて 記憶になった
ひとすじの光の道に やわらかな風が吹く
連れて来た匂いが 鼻先をくすぐる
お誕生日 おめでとう
今日 生まれた君へ