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第二幕

お待たせしました!

(待ってる人いたか分かんないけど笑)

第二幕です。

今回は予定通り主人サイドのお話です。

書いてたら思ったよりも長くなりそうだったので二つに分けました苦笑

第一幕を読んでない人は読んでからこっちに来てね!

(次回以降の重要な伏線があります)

それではどうぞ!

 金曜日7限目の授業の終わりのチャイムが鳴る。様々な人の声と物音が混ざり合って教室が一段と騒がしい。そんな中にも関わらず、私―安室奈々(あむろなな)は睡魔に襲われていた。

墜落しそうな意識を叱咤して帰る用意をする。一応言っておくが断じて授業中に寝たりはしていない。一瞬目を閉じて開けた時には黒板が半分くらい埋まってることはあったが寝たりはしていない。

そんなことを考えていると快活な声が出て耳に届いた。

「奈々〜、今週の日曜遊べる〜?」

ベリーショートの髪に膝上丈のスカートという出立ちの女子―輝谷百合(かがやゆり)が肩に通学カバンをかけて手を振っている。

百合とは高2になった今年で同じクラスになった。部活が違って近頃は最低限の会話しかしないことも多かったが小学校からの馬の合う友だちだ。

「私はいいけど。みんなは大丈夫なの?」

高校に入ってから部活の予定が合わず、あまり遊べていなかったので百合の提案は魅力的だった。

「今週珍しくみんなオフ日おんなじなんだよ。こんな機会ないじゃん?これからどんどん忙しくなるし。」

百合の言うことはもっともなので頷いた。だが一つ疑問が残る。

「何して遊ぶの?」

今までは奈々の家で遊ぶのが定番だったのだが今日は家族がいる関係で遊べないのだ。そう言おうとした奈々を百合が遮る。

「あたしん家で最近買ったRPGやる。」

奈々は驚いて目を見開く。百合の家には自分の部屋がないからと小学時代はついぞ行けなかったのだ。

心なしか百合の顔が少し誇らしげに見えた。

「ま、最近買ったっつっても中古の古いやつなんだけどな」

百合がそう冗談めかして笑うものだからつられて笑ってしまった。

先程までの退屈や眠気が嘘のようだ。

そんなやりとりに割って入る声がひとつ。

「百合、奈々いけるって?」

そう言って肩まで伸びた髪を無造作に一つくくりにした女子―安西真矢(あんざいまや)が教室の扉から顔を出している。

「オフだってさ!」「ないす」

百合が親指を立てて満面の笑みを浮かべているのに対して真矢の表情には変化がない。別に感情の起伏が小さいわけではないのだろうが、読み取りにくいのは事実である。

「そういえば今回の体力テストの点も百合が1位だったね」

正反対のような2人だが実は運動神経が抜群に良い。得手不得手はあれど誤差程度である。運動が苦手な奈々にしてみれば「運動神経わけてくれ」案件なのだ。

「ふふん!」

奈々の言葉に百合は誇らしげな顔をする。世にいう「ドヤ顔」という奴だ。

「悔しい…スポーツだったら勝てるのに…」

普段はあまり表情を作らない真矢が悔しそうで、それでいて楽しそうな複雑な表情を作る。2人は似ていないようで、良い好敵手(ライバル)なのだ。

「そういや卓球とかだと真矢に勝てないんだよな。なんでだろ?」

原因は2人の性格の違いにある。

百合が馬鹿正直なフィジカルゴリ押しタイプなら、

真矢は冷静に立ち回る策士家なのだ。

そういうと百合は明らかにムスッとした顔になる。

「その言い方ヤメロ。別にゴリ押ししてる訳ではないから。…やっぱ頭いい奴は得だよなぁ」

百合が遠くを見るような表情になった。と思ったら真矢が湿度100%の目で百合をみる。

「運動神経並外れてる奴は得よね」

何故こんな顔をするのかというと単純な運動神経だけなら百合の方が真矢より良いからである。

「真矢だってそうじゃん!奈々とか桜は頭いいし…何で私だけこんなかな〜」

百合がネガティブモードに入った。全てにおいて平均値な奈々にしてみれば類い稀なる運動神経を持つ百合の方が特別な存在に見える。

するとやり取りに割り込んでくる者があった。

「百合さんどうしたんですか?」

腰までありそうなロングヘアーをハーフアップにした女子―宮野 桜( みやの さくら)が真矢の隣から顔を出す。

桜は学年きっての秀才で、座学なら右に出る者はいないという噂が立つほどだ。

「座学なら」というのは、桜は運動神経がいい方ではないからだ。むしろ悪い。何事にも全力で取り組むあまり、エネルギー切れを起こすことがしばしばあるのだが。

そんな桜に真矢が先程の顛末を説明すると、

「百合さん、またそんなこと言ってるんですか?人間卒業してるくらいの運動神経持ってるのに頭脳まで求めてるなんて贅沢が過ぎますよ」

物言いこそ大人びているものの表情はただの不貞腐れた子供である。

奈々はヤレヤレと内心でため息を吐く。桜こそ並外れた頭脳を持ちながら運動神経まで求めるのは贅沢というものだろう。

「2人を足して2で割ったらちょうど良さそうだね」

それを聴いた3人は大笑い。

桜の頭脳と百合の運動神経。合わせればきっと敵なしだ。

見た目はどんなになるかな?とか、そーゆー男子がいたらモテるだろうなーとかを3人が話している横で奈々は自分について考えを巡らせていた。

 奈々は自分を一言で形容するなら「平凡」だと思っている。学力も、運動神経も、手先の器用さも、全てが「並」。その代わりかなんなのか奈々にはみんなには無い、特別な力がある。

人の気配が視認できる。それは壁などの障害物を経ていても同様に。奈々の目には人物から「何か」が炎のように立ち上っているのが見えるのだ。炎は人によって色や立ち昇る様子が違う。奈々のこれまでの経験から、色はその人のイメージやオーラ、様子はその人の気性を表しているのではないかと言う仮説が立てられた。例えば桜がピンクで静かな炎を纏っているのに対して百合は水色の激しい炎を纏っている。「仮説」どまりなのは相談できる人がいなかったからである。信じてもらえないのは明白なのだから言うだけ無駄だと。それは親だけでなく3人も同様だ。「奈々の頭がおかしくなった」と嫌われたくはない。

ただ、炎の大きさは誰でもかわらなかった。某アフターファンタジーなどに出てくる魔力量的なそういう能力の大きさが測れるかと思っていたがどうやら違うようだ。

他にも、触れた物体を炎のように視認することもできる。

こんなかくれんぼや失くしもの探しくらいにしか役に立たない能力を与えられるならこの分を頭脳や運動神経に費やして欲しかったと心底思う奈々である。

「どしたの奈々?」

はっと百合の声で我に帰る。いつの間にかどうしようもない物思いに耽っていた自分に苦笑しながら

「なんでもない。今日の晩御飯何かなーって考えてただけ。」

と、なんでもない風を装う。奈々は今日も「平凡な自分」を演じる。私は今日も「普通の自分」を演じる。

「気が早くないですか?これから百合さんの家でおやつ食べるんですよ?」

それもそうだねーと平和なやりとりが続く。

「げ、雨降りそうなんだけど。」

「今日台風がこの辺をかするんだよ。知らないの?今回の台風狙ったようにこっちに針路変更したからね。」

「ああ、そっか。…って傘持ってない!!!」

何やってんのよーと呆れ顔で真矢が応じる。こんな時に頼りになるのはというと…

「百合さん、私折り畳み傘持ってますよ」

桜である。別に百合が傘を忘れるのを見越していたと言うわけではなく、桜の用意がいいのだ。

「マジ感謝!乾かして返すわ」

百合はというと桜を拝み倒さんばかりの勢いでペコペコしている。

「え、遊びに行った時に返してくれればいいですよ?」

「いや、私はそうでもいいけどお母さんがそういうのうるさいから…」

百合はそう言って苦笑いする。百合の両親はどちらもしっかりした人で、なんで私が生まれたのかわからないと百合がよくぼやいていた。そう言いながら、百合も両親に似て義理堅いところがあるのだが。

「そうですね。ではお言葉に甘えさせていただきます。」

「そうして。…ていうか桜さ、その敬語いい加減どーにかなんないの?」

聞いての通り、桜は誰に対しても敬語を使う。桜とは中学の時に友達になって奈々としては敬語にも慣れてきたから気にならないのだが百合はいつまで経っても慣れないようで定期的にこんなことを言う。

百合のこれも定型句だがそれに対する桜の返答も毎度同じ。

「どうしても癖づいてまして。これから外せるように意識しますね。」

ちなみにこういっているが敬語が外れたことはただの一度もない。

外したためしないじゃんかよぉと百合がブツブツと文句を言っている。まあ当然と言えば当然の反応だ。

「奈々さん、早く部活に行きましょう。小説書く時間がなくなっちゃいます。」

そう、奈々と桜は文芸部所属なのだ。

文芸部といっても自分達で書いた小説を雑誌として図書館に置いて感想を募集したりするぐらいの活動しかしていないが、そのおかげか先輩後輩関係なく仲が良い。

奈々も文芸部に入ってよかったと思ってるし、それは桜も同じだ。

「うん!行こ行こ!」

「今回の人気投票こそは奈々さんを超えますから!」

はいはいーと何気ないやり取りを交わしながらカバンを背負って歩き出す。

「百合と真矢は?」

「卓球部はオフ。その代わりといっちゃなんだけど土曜は午前に練習で午後から会大会の予選〜」

「ええいーなー。陸上部うちんとこは今日も明日も部活なんですけどー」

百合が頬を膨らませる。本人曰く、こういう時は「走る気分じゃない」らしい。昨日は喜び勇んで部活に行ってたのにね。

「というか百合さん遅刻じゃないですか?」

桜がそういったので教室を見渡してみると奈々達4人以外は誰もいない。思ったよりも長い時間駄弁っていたらしい。

「別に遅刻してもなんも言われないもん」

「それ部員としてどうなのよ。後輩もいるのに」

あっけらかんという百合と真顔でつっこむ真矢。桜と奈々はというと真矢の言葉に共感しながら苦笑い。

元が化け物じみているから練習しても変わらんと思われているのか、ただ単に見放されているのか。こんなだが不思議と部活内の人間関係は良好らしいから恐らく前者だろう。

「それじゃ私たちは行きますねー」 

苦笑いから表情を切り替えて桜が歩き出し、奈々がそれを追う。

「じゃあまた日曜の一時に私ん家ねー」

はーいと手を振り合って4人はそれぞれの日々に歩き出す。

「うわー土砂降りじゃん。今日は筋トレかなー」

蛍光灯で明るく照らされた廊下に百合の独り言が響いた。外は夜のように暗かった。

これにて第二幕、終了です。

なるべくそうならないようにしたかったけどこれただの登場人物紹介パートでは!?!(◎_◎;)

読んでて面白くなかったらごめんなさいm(_ _)m

次回は絶対面白いです!!!

保証します!読んでください!!!!

こんなこと言ったけど次回もいつになるか分かりません苦笑

改めて読んでくださってありがとうございます

沢山の感想やアドバイス待ってます!

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